# 痛みの「質語彙」調査ログ — 2026-08-25

> 目的: 「〜のように痛む」の部分。ジリジリ・ジワジワ・ズキズキなど**痛みの質を伝える擬音語・擬態語・比喩**が、いつ・どんな文体で使われていたかを採掘する。
> 方法: SearXNG `site:aozora.gr.jp "A" "B"` ペア検索→urllib一括取得→同一文中近接(±160-180字)抽出→カードページで初出年取得。
> 対象語彙: ずきずき/ズキズキ、がんがん、きりきり、じわじわ/ジワジワ、ひりひり、じんじん、「頭が割れ」、「こめかみ」×痛、「肩がはる」、「月経」×腹痛、「肩を揉」

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## 1. 収穫一覧(本文確認済み)

### A. 頭痛 × ズキズキ(拍動性の定型が見えた)
| 作品 | 初出 | 表現 | URL |
|---|---|---|---|
| 長与善郎『青銅の基督』 | **1923(大正12)「改造」1月** | 「頭はズキズキと痛んでほてり、からだは疲れていた」(歴史小説の地の文) | cards/001521/files/51826_74233.html |
| 林芙美子『放浪記(初出)』 | **1928-30「女人藝術」連載** | 「昼から、あんまり頭がズキズキ痛むので、娘と二人黒犬を連れて、日在浜に出て見る」(日記体) | cards/000291/files/45649_26591.html |
| 林芙美子『新版 放浪記』 | 底本版・要確認 | ⭐「風邪を引いたのか、**馬鹿に頭の芯（しん）がずきずきと音をたてている**」— 「音を立てる」=拍動を聴覚比喩化した逸品 | cards/000291/files/1813_30136.html |
| 江戸川乱歩『暗黒星』 | **1939(昭和14)「講談倶楽部」連載** | 「変だな。頭がズキズキ痛むんだ」(口語・寝ぼけた男の訴え) | cards/001779/files/58333_76414.html |
| 三好十郎『好日』(戯曲) | 要確認(底本:三好十郎の仕事第二巻) | 「やれやれ、頭がズキズキ痛みやがる。」(台詞) | cards/001311/files/49774_35338.html |

### B. 頭痛 × ガンガン(強い拍動・熱時)
| 作品 | 初出 | 表現 | URL |
|---|---|---|---|
| 岡本綺堂『指輪一つ』 | **1925(大正14)「講談倶樂部」8月** | 「僕はまたまた苦しくなって、頭ががんがん痛んで来ます。これで押して行ったらば、途中でぶっ倒れるかも知れない」(汽車旅・口語) | cards/000082/files/43547_18862.html |
| 武田麟太郎『現代詩』 | 要確認(底本:現代文学大系44) | ⭐「この熱さましの**頓服**と云ふのは、銭惜しみする妻が**近くの薬局で調合させた得態（えたい）の知れぬ安物**なので、効き目なぞ怪しいのだらう。よけい頭ががんがんと痛むし」— 解熱剤×薬局調合×がんがん。戦時中一般薬ログと接続可能 | cards/000189/files/963_20983.html |

### C. 比喩型「頭が割れる」
| 作品 | 初出 | 表現 | URL |
|---|---|---|---|
| 牧野信一『爪』 | **1919(大正8)「十三人」12月号** | 「彼は悩む者のするやうに両手で確り頭を圧えた。**『頭が割れさうだ。』**――暫らく沈黙を保つた後に…『狂人になるんぢやないかしら！』」(口語・頭を押さえる身振りつき) | cards/000183/files/52876_43454.html |
| 三遊亭圓朝『業平文治漂流奇談』 | 明治期の演述(底本:定本圓朝全集) | ⭐浪「起きられやしねえよ、**頭が割れそうだア**」國「なんだ頭が割れそうだ、**頭が痛けりゃア按摩でも呼んで揉んで貰いねえナ**」— 痛みの表現と世間的応答(按摩)が同一対話内。江戸っ子口語。累ヶ淵と並ぶ口演文芸の例 | cards/000989/files/351.html |
| 太田健一『脳細胞日記』 | 要確認(初出記載なし) | 「悪夢の緊迫がなお執拗に持続しているのをいぶかりながら**頭が割れそうなのをこらえ**」(悪夢後頭痛。※同作ディスコ場面の「ロックの音で頭が割れそう」は騒音比喩=除外) | cards/001955/files/58806_64274.html |

### D. 体幹部のズキズキ(頭以外への転用)
| 作品 | 初出 | 表現 | URL |
|---|---|---|---|
| 島崎藤村『新生』 | 1919(大正8) | ⭐「細い金針（きんばり）が腰骨の両側あたりへ深く入って、**ズキズキと病める部分に触れて行った時は、睡気を催すほどの快感**がその針の微かな震動から伝わって来た」— 針医(鍼灸)の場面。「ズキズキ=悪」ではなく鍼の触感にも使用。痛みの質語彙が治療文化と直結する例 | cards/000158/files/843_14595.html |
| 夢野久作『死後の恋』 | 1928(昭和3)「新青年」10月 | 「草の根方に引っかかるたんびに、眼も眩むほど**ズキズキと高潮する股の痛み**を、一生懸命に我慢しいしい」— 外傷痛。「高潮する」という組み合わせ | cards/000096/files/2380_13349.html |
| 久生十蘭『あなたも私も』 | **1954-55「毎日新聞」連載** | 「身体をまげて歩いていたので、**腰のあたりがズキズキと痛んできて**、あてどもなく風の中を歩きまわるのが、我慢ならなくなった」(姿勢起因性腰痛・新聞小説) | cards/001224/files/46146_37004.html |

### E. 既存アーカイブとの接続(圧迫系・閃輝暗点)
- 宇佐玄雄『説得療法』1936: 「壓迫されて居る樣な／冑を被つて居る樣な／糊で貼られた」= 頭**重**の触覚比喩三連(頭痛アーカイブ既収録)
- 芥川『歯車』1927: 閃輝暗点→視野狭窄→頭痛(拍動性の文学的完全形・既収録)

## 2. ネガティブエビデンス(0件・別義確認)
- **きりきり**: 頭痛文脈0件。ヒットは全て別義(芥川『地獄変』「蛇がきりきりと捲きついて」=巻き付き、漱石『彼岸過迄』も非疼痛箇所)。⭐「きりきり舞い」系の語義が支配的で、現代的「きりきり痛む」用法は青空文庫レベルでは不在
- **ジワジワ/ジワジワ**: 頭痛文脈0件。ヒットは「頭をジワジワと締めつけて殺す」(十蘭)、墨汁が「ジワジワとにじむ」(乱歩)、「ジワジワと楽しみながら復讐」(乱歩白髪鬼)等。⭐トオル直感語の「ジワジワ」は昭和文学の痛み表現としては未定着——漸進的増悪のニュアンスは「じわじわ」より「だんだん」「次第に」で語られていた可能性
- **じんじん×肩**: 0件(鴎外『渋江抽斎』は「人人文異(じんじんことなる)」の読み仮名、海野十三は振動表現)
- **ひりひり×頭 / こめかみ×痛 / 肩を揉む / 月経×腹痛 / 肩がはる / ジリジリ×頭**: SearXNG上流エンジン停止により検索不能（未遂・真のネガではない）。次回再実施のこと

## 3. 失敗・障害ログ
- execute_code内で web_search 3連発→300sタイムアウト×2回。**web_searchは1コール1クエリまで**に分割すべき(スクリプト内複数クエリは片方がハングると全体が死ぬ)
- カードページの初出regex: `初出：([^<]{1,80})` では取れない(**`</td><td>` を跨ぐ**)。正解: `初出：</td>\s*<td[^>]*>([^<]{1,150})`
- SearXNG docker restart(9日稼働後に実施)→復活せず。上流エンジンのレート制限はコンテナ外(IP単位)で継続中の模様。従来の「再起動でSuspended解除」が通らなかった初ケース
- 検索エンジン句一致の信頼性限界: 芥川『忠義』に実在する「肩がはる」ですら site:aozora 検索で0件を返した日があった。0件=絶対的な不在ではない

## 4. 中間的読み(資料が増えるたび鍛え直す前提)
1. **ズキズキは大正末〜昭和の国民語だった**: 大正12(青銅の基督)→大正14(指輪一つ)→昭和3(放浪記)→昭和14(暗黒星)と、純文学・日記・大衆小説・戯曲の全ジャンルで無自覚に使われる=拍動性頭痛の標準擬態語として定着済み。明治期の例は今回ゼロ(要補掘)
2. **がんがんは熱・疲労時の強烈型**: 綺堂(汽車・苦しさ)と麟太郎(発熱・安物解熱剤)どちらも「全身状態が悪いときの頭」に使用。単独の慢性頭痛語というより急性増悪の語
3. **「頭が割れる」は最古参の比喩**: 少なくとも大正8(牧野信一)以前から口語で生きており、圓朝(明治演述)では世間的応答(按摩勧め)とセットで流通。⭐「割れる」という破壊比喩が、圧迫系(冑・糊)とは独立の系統
4. **質語彙は部位を跨いで流通**: ズキズキは頭→腰(新生)→股(死後の恋)→腰(あなたも私も)と全身で使える汎用擬態語。逆に言えば「ズキズキ」単体では頭痛と同定できない=当時の人は部位名とセットでしか痛みを特定できなかった、ということ
5. **肩こりに質語彙がない**: 「凝る・張る」動詞型のみで、オノマトペが見つからない(今回の範囲)。⭐頭痛=拍動・破裂(音のある痛み)/肩=凝り・張り(状態の痛み)という対照は、企画の「医学が肩こりを扱わなかった理由」論とも接続する

## 5. 次の一覧(未実施)
1. ~~NDL定量~~ → 実施した(§6)
2. SearXNG回復後に再検索: こめかみ×痛/肩を揉む/月経×腹痛/肩がはる/「頭を抱え」(ひりひり・ジリジリ・ジワジワはNDL側で解決済み)
3. 明治期のズキズキ補掘(露伴・紅葉・一葉あたり)
4. 「ずづきが痛い」「おさがまり」など旧語圏の確認

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## 6. NDL定量 — 「頭痛×オノマトペ」400字近接AND・年代ファセット(2026-08-25計測)

> 方法: dl.ndl.go.jp 詳細検索「複数語は400文字以内にある場合のみヒット」ON+全文検索。出版年ファセット抽出。
> ⚠️ NDL全文検索は**仮名表記を正規化**(平仮名「ずきずき」とカタカナ「ズキズキ」が完全同一結果5,640)→表記揺れ検索は不要。
> 単独語母数: 頭痛=591,706件(本文)。

### 年代ファセット(件数)
| ペア | 総数 | 1890s | 1900s | 1910s | 1920s | 1930s | 1940s | 1950s | 1960s | 1970s | 1980s | 1990s | 2000s |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 頭痛×ズキズキ | 5,640 | 2 | 5 | 6 | 26 | 41 | 65 | 266 | 351 | 738 | 1,352 | **2,478** | 270 |
| 頭痛×ガンガン | 4,026 | – | 2 | 10 | 26 | 54 | 50 | 243 | 291 | 479 | 947 | **1,678** | 213 |
| 頭痛×ひりひり | 2,892 | – | 2 | 2 | 5 | 12 | 26 | 113 | 215 | 386 | 680 | **1,282** | 142 |
| 頭痛×ジワジワ | 1,591 | – | 1 | – | – | 8 | 3 | 42 | 134 | 249 | 386 | **683** | 78 |
| 頭痛×ジリジリ | 1,317 | – | – | 5 | 18 | 26 | 39 | 127 | 178 | 244 | 287 | **351** | 37 |

※2010s以降(20前後以下)はコーパスが近年資料を収録しないことによる激減。言語衰退ではない。

### 媒体プロファイル(NDC分類・各ペア総数の内訳)
| ペア | 4 自然科学(医学) | 9 文学 | 中心媒体 |
|---|---|---|---|
| 頭痛×ズキズキ | 1,180 | **2,130** | 文学優位 |
| 頭痛×ジリジリ | 113 | **572** | 文学強優位 |
| 頭痛×ジワジワ | **405** | 320 | 医学優位(僅差) |
| 頭痛×ひりひり | **840** | 449 | 医学強優位 |

### 読み(資料が増えるたび鍛え直す前提)
1. **五語すべて同じSHAPE**: 明治〜大正は微量(0〜10台)→戦前期に漸増→**戦時中の1940sも減少していない**(出版総量崩壊下で横ばい〜微増)→1950sに急拡大→1980-90sピーク。⭐紙がなくなっても人々の訴え方の言葉は死ななかった=生活語の粘り。
2. **文学サンプル(Aozora)でゼロだったジリジリ・ジワジワ・ひりひりが印刷物全体では実在**——Aozora純文学は偏りのある窓。ジリジリは大正期から既に頭痛語として流通(1910s:5)。
3. **媒体の中心が語によって割れている**: 拍動系(ズキズキ・ジリジリ)=文学が主戦場/灼熱・漸進系(ひりひり・ジワジワ)=医学・実用書が主戦場。「音としての痛み」は物語に、「炎症・進行の痛み」は診察室・健康指南に向いた、という使い分けが見える。
4. **「患者の言葉→医学が拾う」の時刻**: 戦前の医学書は鈍痛・拍動性など漢語だった(臨床診断学昭8等の既収録例)。オノマトペ共起が医学側で量を持つのは戦後〜。マクギル疼痛質問表日本語版(オノマトペ採用)の導入期と1980-90sピークが重なる可能性→次回は「疼痛 マクギル」等で裏取り。

### 方法メモ(再現用)
- 近接チェックボックスの特定: `input[type=checkbox]` のlabelテキスト'400'検索は**NDC分類400番台に誤爆する**(実害: 検索にNDCフィルタがかかる)。正解は `input[type=number][disabled][value="400"]`(スピンボタン)から親を辿り`LABEL.app-checkbox`を得てその中のcheckboxをclick
- a11yスナップショットの`checked=false`表示が**古いことがある**(実DOMではON)。consoleで実状態確認すること
- プログラムtoggle直後に「全文検索をする」ボタンがDOMから消える→**再navigateすればチェック状態は保持されている**ので、snapshot ref経由でbutton_click(08-25安定動作)
- 結果読み取り: `検索結果\s*([\d,]+)\s*件中`+年代ファセットregex `/((?:18|19|20)\d\d)～\d{4}\s*\n\s*([\d,]+)/g`+NDC regex(§B参照)

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## 7. 戦前全数調査 — 「頭痛×ズキズキ」明治30年代〜昭和16年の生存資料列挙(2026-08-25)

> 方法: 近接AND検索→並べ替えselect[6]を`ISSUED_ASC`(出版日古い順)+表示100件→pid列挙(スキル§B8)。100件で明治30〜昭和16をほぼカバー(残り1941-45数件は次ページ)。

### A. 最古参グループ=言語教育書(明治30〜40年代) ⭐予想外の起点
- **明32(1899)『英和会話作文彙材』成美堂** pid:871339 — 「風邪に罹る頭痛感冐に罹る…脚のズキズキ痛む(麻痺したる時等)」⭐**最古の印刷例(今回採取範囲内)は英語教材**
- 明33『学生用和英字典』博文館 pid:870126 / 1901 独和辞典 pid:1700021 / 1907 和英新辞典 pid:1679242 / 明40『和英新辞典註解』pid:903157 — 辞書・教材が続く
- **昭和2 井上義昌『英語の類語研究』開拓社** pid:1150098 — 「Ache…齒痛や頭痛などの如く**づきづきと繼續して痛む**ものに云ふ」
- 昭和15 小松房三『口語英語の研究』太陽堂書店 pid:1025844 — 「**throbbing headache**=(づきづきする樣な頭痛がして…)」
- → **読み: ズキズキを印刷物に定着させた最初の記録機関は辞書・語学教育**。西洋の ache/throbbing を訳すために生活語が動員され、逆に辞書が生活語を「正式な痛み語」として認証した

### B. 辞書の認証
- **大正4 上田万年・松井簡治『大日本国語辞典』金港堂** pid:954645 — 「かしらがうつ 頭打 頭が、**づきづき痛む。頭痛がする**」⭐国語辞典が「づきづき=頭痛語」として見出し立て
- 昭和3-4『元禄文学辞典』新潮社 pid:1127341 — 「頭が打つやうに痛む。づきづき頭痛する」

### C. 明治・大正の文学例(アーカイブ既収録より古い)
- **明44(1911) 尾崎紅葉『紅葉遺稿』博信堂** pid:889044周辺 — 「かづかづきづき岑…(頭痛)つ」(OCR要精読)
- **明42/44 伊原青々園『新桂川 前』画報社** pid:886816 — 「先つきから頭痛でもするやうだね」「**頭がズキズキ痛みますので**」⭐明治の会話文。青空文庫最古(大正8牧野信一)より12年早い
- 大正12 藤森成吉『大地の匂ひ』人文社 pid:977487 — 「毎日ひどく頭痛がして…又ズキズキと頭痛がして來る」
- 大正13 菊池寛『慈悲心鳥』春陽堂 pid:968450 — 「彼女の弱い頭は、極度の激動のために、づきづき痛みかけて居た」
- 大正13 ロマン・ローラン訳『ピエルとリユス』pid:982572 / 大正14 南部修太郎『鳥籠』pid:1017009
- 昭和4 室生犀星(改造社版『新選室生犀星集』pid:1178696) — ⭐「疼痛は**脈搏のやうに正しい刻み方でずきずき深くなる**一方だつた。避暑地の七月の終り」拍動比喩の完成形
- 昭和10 ドストエフスキイ訳全集17巻 pid:1716634 — 「**こめかみはづきづきするし、額は割れるほど痛かつた**」(こめかみ×ズキズキ×割れるの三点同梱)

### D. 臨床・薬業側の早期採用(交差点の実物)
- **昭和6『日本之醫界』21(46)** pid:1619488 — 医学雑誌
- **昭和8『治療薬報』(367) 三共** pid:1596391 — ⭐⭐「何處が痛い?又何んな風に痛むと聞いた所.**右下腹部がづきづき痛み**嘔氣嘔吐があり.頭痛がして熱があるとの事で…往診を賴むで來た」**製薬会社機関誌の症例記述に、医師の質問(どんな風に痛む?)と患者の擬態語回答がそのまま残っている**。トオル言う「医療と民間の交換点」が一文で観測できる一次資料
- **昭和9 杉田直樹『神経衰弱症：臨牀解説』金原商店** pid:1049844 — 「不快な頭痛が增劇し…後頭部に**づきづきと脈搏に應じてうづくやうな痛み**を感ずる」⭐臨床書がオノマトペ使用(神経衰弱枠)
- 昭和15『九州高等醫學專門學校醫學會雜誌』5(1) pid:1471825 — 症例表に「**頭ガズキズキスル**顏面蒼白」
- 昭和14 大伴茂『児童心身健康の調査と指導』培風館 pid:1148105 — 学校保健の調査票文脈
- → **読み: 戦前臨床も使ってはいたが、場所は神経衰弱・小児保健・症例談話に限られ量も微少。「拍動性頭痛」という漢語术语体系の外の、語りの席での使用**

### E. 市販薬・器具広告(1935年前後に爆発的採用) ⭐本命
- **昭和10 一斉広告「五十銭 頭痛外用藥」**: 『文芸春秋』13(10) pid:3197666 /『科学画報』24(10) pid:10984608 /『セルパン』56号 pid:11186662 /『空』2(10) pid:2375436 — 全紙同一文案「ちよツと風邪氣で、頭が重い、**コメカミがズキズキする**、齒が痛いなどゝいふときチヨイト患部に擦り込んで置けば」⭐塗る頭痛薬が複数媒体で同時展開
- **昭和14『広告年鑑』(万年社・昭和10至13年分収録)** pid:1219174 — ⭐⭐⭐**ノーシン**広告「この頃の頭痛程嫌なものはありません**頭の芯がズキズキ痛み頭がボンヤリして神經がいらだちます**こんな場合」——林芙美子「頭の芯がずきずきと音をたてている」と同型構文。ノーシン(現・日野浦製薬系ブランド、現存)が昭和10年代初頭から「頭の芯がズキズキ」を売り文句に使用
- 昭和15『商店界』『科学画報』月次反復広告(器具) pid:2250411他多数 — 「のぼせ·頭痛に**常に頭がづきづきする**眼が充血して仕事の能率があがらない。かう云つた症狀の方は常に本器を携へ」
- 昭和7『婦人倶楽部』13(4) pid:3562058 / 昭和11『主婦の友』20(6) pid:11030862 — 女性誌にも浸透(主婦の友は「乳腺炎齒痛·頭痛腰痛·筋痛」の薬効広告文脈)
- → **読み: 市販薬業界は1935年前後、ズキズキを広告標準語として採用した。臨床の本格採用(1950s〜)より15年以上早い。⭐「市販薬は需要を先に・医学は後追い」のテーゼが、語彙レベルでも成立している可能性大**。しかも「頭の芯がズキズキ」型の表現は広告→生活語→文学(放浪記新版)へ流れた可能性があり、方向の判定は今後の課題

### F. その他
- 昭和6『最新健康講座』テトラ社 pid:1048862 — 健康指南書「眼がづきづき痛み、眼瞼が炎症を起す」
- 昭和6『実業の日本』34(13) pid:3552285 — 「頭がズキズキ…血がのぼる…腦溢血でも起しさうだ。夏も今しさが去る、頭痛、めまひ、耳鳴」(夏バテ・脳溢血不安の季節言説)
- 昭和9『短歌建設作品集』pid:1031255 — 「頭痛をおさへて勤め…づきづき痛む頭へ」(労働と頭痛の短歌)
- 将棋世界昭和15 pid:6073833 — 比喩用法(棋界の頭痛の種)→比喩転義の一般化

### G. 戦前全数調査からの修正点
1. 青空文庫最古だった「頭×ズキズキ」(青銅の基督大正12)→**印刷物では明32英和会話教材・明44文学が先行**。アーカイブ前史セクションに追加要
2. 「医学が拾ったのは戦後」という仮説→**精密化が必要**: 臨床書の散発的使用(神経衰弱枠・症例談話)は戦前にあり。変わったのは量と位置(専門記述→標準問診語)。「拾った」ではなく「増幅した」が正確そう
3. ノーシン広告(昭和10初頭)=「頭の芯がズキズキ」の現存最古級用例。広告コピーと文学表現(放浪記新版)の因果方向は未確定——両方とも同じ口語プールから汲んだ可能性が高い

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## 8. 戦前全数調査② — 1941-45補完＋ガンガン・ジリジリ列挙(2026-08-25)

### A. ズキズキ戦時中分(2ページ目・昭和17-20)
- 昭和17 吉尾なつ子『第三の結婚』読切講談社 pid:1057266
- 昭和17 アルラン訳『秩序』弘文堂 pid:1689581 / 昭和18 渋沢秀雄『うるほひの記』pid:1130413
- **昭和18 フィッシャー訳『一化学者の想出』平凡社 pid:1063582**(科学者回想)/ 昭和18 工業書『飛行機と自動車の塗装』pid:1059416
- 昭和19 宮崎靜二『日本語辭典』研究社 pid:1900722(戦中辞典)/ 昭和19『短歌研究』13(3) pid:10987115
- **昭和19『北越医学会雑誌』59(9) pid:1554701** — 戦中医学誌での使用継続(九州医専昭和15に続き2例目)
- ※戦後すぐの貴重リード: 木田文夫『虚弱・病癖児童の教育』1949 pid:1160561(目次に「頭痛もち兒童」・該当5箇所)/ 日野原重明「頭痛」『看護学雑誌』1950-10 pid:3393084

### B. ガンガン戦前層(最古=明40)
- **明40.12 若月保治『夜叉の首：冒険怪譚』本郷書院 pid:888507** — 「頭痛し、…がんがんで」⭐最古例
- **1913『Arzt und Patient』吐鳳堂書店 pid:1679107** — ⭐⭐独・英・日三ヶ国語の**医師患者会話集**。痛みの訴え方を対訳で教える本=交換点を制度化したジャンルそのもの
- **大正13 陸軍省『明治三十七八年戦役陸軍衛生史』第3巻戦傷 pid:935705** — ⭐⭐「眩暈嘔氣頭痛甚ナシ**耳鳴(ガンガン)**重聽ヲ訴フ」日露戦争公式戦傷記録が漢語+括弧注オノマトペの書式で使用。軍公文書レベル
- キニーネ(マラリア治療)副作用の文脈が複数: 大正9 建部遯吾 pid:931008「耳がガンガン鳴つたり、頭痛がしたり」/ 1925 後藤慶二遺稿 pid:1900949「キニーネを呉れたので頭がガンガン鳴る、頭痛がする」
- 温泉案内の効能表: 大正6 pid:956005 / 大正9 pid:961038「神經性頭痛」等
- **昭和8『診断と治療』20(3) pid:3439883** — ⭐臨床誌が患者の訴えを引用符つきで記録:「頭が『**がんがん**』して困るなどゝ**訴へる**事もある」。医師側が患者語を「語」として意識して引用している証拠
- 昭和6『文芸戦線』pid:1592576 — 「こめかみに**頭痛膏**を貼つてゐた」(処置描写と共起)
- 昭和9 栗本和夫『石榴』pid:1090000 — 「頭の蕊ががんがんする」(放浪記新版と同型の「頭の芯」構文・こちらが4年早い)
- 文学: 小川未明大正12(pid:977958「ガン、ガン、ガン」分かち書き+軽い頭痛)/ 安部ヨリミ大正13(pid:979363「頭がガンガン云つてゐた」)/ 谷崎篇昭和4 pid:1223905

### C. ジリジリ戦前層 — ⭐⭐「痛み語ではなかった」
- 最古=1912『朱欒』pid:1888908 以降、**戦前の「頭痛×ジリジリ」近接ヒットはほぼ全部非疼痛用法**:
  - 「太陽はジリジリと照り附けて」(読書世界1914 pid:1530786 / 自然科学と宗教1922 pid:1478703 / 文芸戦線1928 pid:1592550)
  - 「ぢりぢりして來た」「ぢりぢりとおこつて」=焦燥・苛立ち(朱欒1912 / 日輪大正15 pid:978144 / 神楽坂昭和11 pid:1228177)
  - 宇野千代『幸福』大正13 pid:1016771 — 「激しい熱と頭痛が同時に遣つて來た…彼女はじりじり、じりじり後すさりする」(頭痛と別句・動作)
- 医学・家庭書でも同様: 『珈琲論』昭和14 pid:1266492「珈琲はぢりぢり緩漫に效果の現れる毒」(徐々進行義)
- → **読み: ジリジリという語自体は明治からあったが、割り当て先は日射・焦燥・徐進で、痛みの質語彙ではなかった**。NDL定量で1990sピークを迎える「頭痛×ジリジリ」は、**戦後に痛み語へ移住した**ことを示唆。語の意味領域移動の実例として独立価値あり。※ズキズキ・ガンガンとは対照的(この二語は明治から一貫して痛み担当)

### D. 通し読み(v3)
1. オノマトペの痛み語化には**三つの型**がある: ①最初から痛み専門(ズキズキ・ガンガン=明治から)②他義語からの戦後移住(ジリジリ=日射/焦燥→痛み)③翻訳の必要から認証された(ache/throbbing→辞書・英語教材)
2. 交換点の印刷形態: 辞書の語釈(国語辞典大正4)/対訳会話集(Arzt und Patient 1913)/症例談話(治療薬報昭和8)/臨床誌の引用符つき患者語(診断と治療昭和8)/広告コピー(ノーシン昭和10初頭)/公式戦傷史の括弧注(陸軍衛生史大正13)。**いずれも「漢語の正式記述」と「口語オノマトペ」が同一頁に併置される**という共通形式
3. 戦時中も医学科・辞典・短歌・回想録で使用継続=生活語の粘りの個別事例確認済み

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## 9. 戦前全数調査③ — ヒリヒリ・ジワジワ・ジンジン・ドキドキ＋血流系(2026-08-26)

> 方法: NDL近接AND検索→並べ替えISSUED_ASC+表示100件→メタデータ+スニペット一括抽出。
> URLパターン判明(再現用): `https://dl.ndl.go.jp/search/searchResult?...&keyword=頭痛+◯◯&fullText=true&pageNum=0&pageSize=100&sortKey=ISSUED_ASC` — sortKey/pageSizeはURLパラメータで直接指定可。検索実行自体は詳細検索dialogから(cookie同意ダイアログ「全て同意」を先に処理すること)。
> ⚠️ ジンジン検索は「人参・人類・腎臓炎(にんしんじんぞうえん)」ノイズが大量。真ヒットの判定にはOCRスニペットの精読必須。

### A. ヒリヒリ(総数2,892・100件列挙完了)
- **明42(1909)『日本類語大辞典』志田義秀・佐伯常麿/晴光館 pid:991742** — 「辣痛(ラツツウ)…(副)**ひりひり**ツ◎ぴりびりと。さすが如き」⭐最古。**ズキズキ(Ache訳)と同型の辞書認証型**、ただし対照先は西洋語ではなく漢語「辣痛」。大正2『類語大辞典：国民必携』博愛館 pid:949350 で増補再掲
- 大正4 佐藤紅緑『光の巷』下編菊屋出版部 pid:909208 — 「少しばかりの頭痛と口中の渇きを覺えた、咽喉がひりひりして輕く痛い」「風邪を引いたかしら」⭐風邪症状群(頭痛×咽喉)の同梱
- 大正14-15 徳富蘆花・愛『富士』第1巻福永書店 pid:1016914 — 「顳顬に**頭痛膏**を貼つて居る…顏がひりひりして、痛い寒さが骨の」⭐頭痛膏×ひりひり共起(寒さの灼け)
- 昭和10 ジイド『アミンタス』春陽堂 pid:1216030 — 「舌がひりひりするやうな生姜入りの茶を出されたが…あの偏頭痛を怖れて、敢てそれを吸はうとはしなかつた」(ジイド全集昭和9金星堂/建設社、昭和14地の糧ひ、昭和15新潮全集でも反復=定番訳文)
- **昭和15 佐久間鼎『現代日本語法の研究』厚生閣 pid:1262070** — ⭐⭐言語学者の日本語法研究が例文として採用:「めまひ(さむけ·頭痛)がする。頭がフラフラする。舌がヒリヒリする。胸がドキドキする。気がムシャクシャ」— 1942年4版(pid:1872212)、1952恒星社厚生閣版(pid:2459841)でも再掲。**オノマトペ身体感覚連鎖の正式記述**
- **昭和18 日本眼科學會雜誌47(1) pid:3458670** — ⭐⭐⭐職業病(溶剤):「顔面・手等露出セル部ノ皮膚ハ『ヒリヒリ』痛ミ.コノ疼痛ハ日光ノ照射ニヨリ增强シ.作業」「頭痛,不眠,眩暈,食慾不振等ノ中毒ヲ思ハシムル症狀ア…殊ニ第1例ニ於テハ油性座瘡」— **戦時軍需工場労働者の溶剤被曝記録**(戦時中一般薬ログと接続可)
- 戦中医学誌3件(1942): 医学中央雑誌75(4) pid:1732963 / 日本内科小児科中央雑誌7(10) pid:1518260 / 診断と治療29(10) pid:3440126 — 発疹性疾患「自覺症狀としては頭痛,倦怠,胸內苦悶を訴ふるも作業を繼續し得る程度にして,發疹後は皮膚にヒリヒリする感あり」
- 昭和10『鹿児島方言辞典』島戸貞良 pid:1235289 — 方言辞典にも収録(地方語化の証拠)
- 1947『婦人生活』1(8) pid:2324791 — ⭐漢方薬広告「唇も荒れて皮がむけ、時に裂けて見苦しくなりヒリヒリ痛んで困るものです…耳鳴逆上不眠便祕肩コリ、小心恐怖てんかんヒキツケ頭痛、記憶力精力減退雜念妄想多夢めまい憂うつ症**藥五圓**」— 一括訴求型広告
- 1949 稲田竜吉・塩田広重『家庭の医学』時事通信社 pid:1162869 / 改訂版榊原仟1953 pid:2461716 — 家庭医学書定型句「かぜをひいて「のど」が痛いとか、乾いて「ひりひり」するとか「いらいら」するとか…頭痛、のどの乾燥感や軽度の嚥下痛」
- ⭐⭐⭐**1954 第五福竜丸ビキニ水爆被害=国民的定型句の成立**: 新聞月鑑6(63) pid:3556343 / 世界資料8(5) pid:3556802 / 自然9(7) pid:2359326 / くろしお3(1) pid:1838895 / 世界文化年鑑1955 pid:2983927 / 児童書『すばらしい原子力』さ・え・ら書房 pid:1626509 — 全資料が逐語同型:「乗組員全員が軽い**頭痛**を覚え…灰をかぶったところがやけどのように**ひりひりと痛み**始めた」— 原水爆被害の身体言説における「軽い頭痛→灰でひりひり」初期症候の定型句化
- 心身相関: 『今日の精神医学』ライバア1955 pid:1375006 — 「名誉職に選出されたとき、はげしい頭痛におそわれます…教師は視学官が来られると思うと、のどがひりひりいたんで来るのです」
- → **読み: ひりひりの主戦場=体表(皮膚・粘膜)の化学的・熱的刺激**。炎症・日焼け・寒さ・薬物・溶剤・放射線。「表面が焼ける」感覚で、ズキズキ(内部の拍動)と正反対の位置。頭痛とは併発症状群(風邪・熱病・中毒)で結ばれる

### B. ジワジワ(総数1,591・100件列挙完了)
- **明41(1908)『医事新聞』(749)医事新聞社 pid:1533571** — ⭐⭐⭐**オノマトペ七語中唯一の臨床起点**:「發作ノ間歇時ハ頭痛、右上肢ノ薄弱ナルノ他別ニ變化ヲ認ルコトナキモ、常ニ右上肢ヨリ軀幹ニ一種『ジワジワ』スル感アリ」(神経学症例・カタカナ括弧付き患者語)
- 昭和5 稲田竜吉『稲田教授臨牀講義集』第1巻金原商店 pid:1048758 — 同症例の講義録化「頭痛ハ劇甚ニシテ爲メニ其後一箇月ハ病床…常ニ右上肢ヨリ軀幹ニ一種『ジワジワ』スル感アリ」
- 昭和9 日本医事新報(614) pid:3451487 — 同症例が6年後も引用継続(臨床界での定着)
- **昭和5 上田万年・樋口慶千代『近松語彙』富山房 pid:3430314/1175444/1882223** — 近松「ぞんぞ」の語釈:「『さむさむ』(寒寒)の訛略。**じわじわと身に寒さを感じるさまにいふ語**」=寒気語として国語辞書に記録
- 1950 診断と治療38(7) pid:3440246 — 「發作當初に弛緩性で反射缺如が有つて、これが**じわじわ强くなるのは腦血栓**である。脳溢血の時は麻痺が突…この時には頭痛がひどい。又首が痛いなどという」(西野忠次郎『臨床五十年 続』中外医学社1954 pid:1374261で同文再掲)=進行性麻痺の定型句
- 1951 家庭医事新報22(452)(456) pid:1765399/1765403 — 「只なんとなく身體がだるかつたり、輕い**頭痛**を覺えたりしている中に、**ジワジワと熱が高く上つて行きます。よく膓チフスの初期に**斯樣な熱が出て參ります」家庭医学欄の定型句
- 1951 労働の科学6(10)大原研 pid:2818664 — 職業病「特別にはげしい痛みや病変もなく、陰険に**ジワジワと長い間かゝって身体を蝕んでゆく**のが特徴」
- **昭和37(1962) 三共薬報(475) pid:1772646** — ⭐製薬機関誌の痛み分類「七転八倒する疝痛,**ジワジワと押し寄せる鈍痛**······痛みにも様々ありま…歯痛,頭痛,胸痛,胃痛」
- 昭和35 漢方の臨床7(10)東亜医学協会 pid:3394241 — ⭐「潜在した、**ジワジワとせめよせてくる頭痛**です。そういう人が多いんで」漢方臨床が患者語を採用(同誌5(6)1958 pid:3394214にも神経痛例「平生はじわじわと痛んでいる」)
- 1954 中学時代6(3)旺文社 pid:1806392 — ビキニ事件説明「灰の放射能は強いといっても、**じわじわと作用する**だけで爆弾のように一時にものすごく」(ひりひり=即時の灼け/ジワジワ=潜伏の蝕み、の対比が同時代資料に同居)
- 1955 労働省婦人少年局編『雨にもめげず風にもめげず』読売新聞社 pid:1662041 — ⭐「**ずきんずきんと頭痛がはげしくなった**…はげしい震動のなかで頭がますます痛んだ。**じわじわ額に汗がにじむ**」— 拍動系と漸進系の併用実例
- 1958 菊村到『紅の翼』角川書店 pid:1358230 — 心理的圧迫「販売主任の陰湿なこごとが**じわじわ**野崎の意識のひだにしみこんでくるのに野崎はじっと耐えていた。『**頭痛がするんです**』」
- 1961 増田義郎『インカ帝国探検記』中央公論社 pid:2998332 — 高山病「酸素欠乏からくる目まい、頭痛、倦怠感、耳なり…**頭ぜんたいがジワジワしぼられるようなあの不快感**」
- → **読み: ジワジワの語義コア=漸進**。寒気(近松)→熱上昇(腸チフス)→麻痺増強(脳血栓)→病の蝕み(職業病)と、「時間をかけた悪化」全般を担当。**痛みそのものより「病勢の進み方」の語**で、「じわじわ押し寄せる鈍痛」のように鈍痛とセット。ズキズキ(即時拍動)vsジワジワ(持続漸進)の対立軸は戦前臨床から存在した

### C. ジンジン(総数1,051・71スニペット精読。人参・人類・姙娠腎のノイズ大量につき真ヒットのみ記載)
- **大正4 長崎医学専門学校研瑶会雑誌(121) pid:1775419** — ⭐⭐神経症臨床「睡眠不安トナリテヨリハ益々頭重、**頭痛**ヲ來シ且頭內朦朧ノ感及記憶力减退ヲモ起ス…痙攣ヲ起スニ至リテヨリハ口圍四肢等ニ**ジンジンスルヲ覺エ**或ハ軀幹ニ於テ**ピクピク**スル等」— ジンジン×ピクピクの併用
- **大正9 宇治木清之助『実地医家虎之巻』朝陽堂書店 pid:935108** — ⭐開業医実務書「二腦膜炎カラ來ル**頭痛**、其他熱性諸病感…碁ニ儘ンデ**頭ガジンジンスルトキナド**」— 「頭がジンジンする」の戦前実例
- **大正2(1913) 日本眼科學會雜誌17(12) pid:3458063** — 「一昨年四月、每朝、輕度ノ搐搦及ビ**ジンジンスル感ヲ左上肢ニ覺エタレドモ**、五日間ニテ止…歸宅後、後頭部ニ壓迫感及ビ**頭痛**アリ、食思不良トナリ」
- **昭和11 福岡医科大学雑誌29(10) pid:1728814** — ⭐症例「疲レナイガ**頭ガフラフラニナリ、ジンジン寒氣ガスル**。食慾ハヨイ。何カニツケテ不平ガ癪ニ」フラフラ×ジンジンの併用
- 別義注意: 生方敏郎『玉手箱を開くまで』大正8 pid:961885「じんじん、ごうごう泣いた所で」=泣き声。『臨牀看護婦宝典』大正3 pid:935022 の「じんじん」は腎臓関連漢語の振り仮名
- → **読み: 戦前のジンジンは主に四肢・口囲の「しびれ・内から湧くうずき」(神経学的感覚異常)を担当**。「頭がジンジンする」は実地医家書レベルで存在したが量は微少。現代の「頭がジンジンする」(脈打つ痛み)用法とは語義配分が異なる=**語義移動の候補**(次回、戦後〜現代の推移で裏取り)

### D. ドキドキ(総数5,112・83スニペット精読)
- **明37(1904) 尾崎紅葉『二人女房』(紅葉全集第1巻)博文館 pid:886305** — 最古級:「顏は熱る。**頭痛はする**。少時にして媒妁が彼方へと…硝子越に人影が見えたので。また**心臓がどきどき〃〃**」— **どきどきは心臓の専任語であり、頭痛とは「同時に起きる別症状」として同一文中に併置される**(明治45版 pid:1088084、改造社全集大正15 pid:968957、岩波文庫昭和3 pid:1186902、光文社昭和22 pid:1134950、筑紫書房1949 pid:1705721 まで全版で同じ場面)
- **谷崎潤一郎『悪魔』大正2 籾山書店 pid:911913 以降全版** — ⭐「どうも**頭痛がして困るんです**。」と、何氣ない體で答へる…眞紅に充血して、**心臓が面白いやうにドキドキ鳴つて居る**。「頭痛がするからつて、あんなにどたばた」— **「嘘の頭痛×本当の動悸」の対比構文**。中央公論1913掲載版(pid:10231963/10231964)から春陽堂文庫昭和22(pid:1135560)まで反復=定番場面
- **1921 日本学校衛生9(12)大日本学校衛生協会 pid:1597480** — 学校衛生「いつも**頭痛がしてこまる**。少し心配でもあるか長い路でも急ぐと**胸がどきどきする**。睡眠が充分でない。物事がすべて面白くない。**神經衰弱の際に**大変」— 神経衰弱症状群として学校側が把握
- **昭和12-18 精神神経学雑誌 41(9) pid:3358449 / 44(2) pid:3358481 / 47(10) pid:3358527** — ⭐⭐⭐**患者自身が耳鳴を「ドキドキ」「ドキンドキン」と表現した臨床記録**:「耳鳴ハ『ジージー』ト云ヒ蟬の鳴くが如く,或は時に『**ドキドキ**』或は『**ドキンドキン**』ト云フ音ヲ感ズルことある」「耳鳴の音は本人は**ドキドキ,ドーン又はヴーン**と鳴ると云ふ」+「初發症狀は**頭痛,耳鳴**多く」— **拍動性耳鳴=頭の中の血流音を、心臓の擬音で言い当てていた一次実証**
- **昭和13 ジイド『窄き門・イザベル』三笠書房 pid:1237989** — 翻訳「私は**顳顬がどきどき鳴るのを感じた**」— こめかみ血管の拍動描写(戦後新潮版1950 pid:1692455「胸がどきどき鳴つてゐました…そして突然はげしい頭痛を感じました」も同作系統)
- **昭和18 菰田康一『防空読本』時代社 pid:1062953** — ⭐⭐戦時空襲対応マニュアル「(薄い時には)**頭痛、めまひ、さむけ、はき**…がほろ苦い。**心臓がドキドキする**」— 空襲時の身体症状説明
- **昭和18 坂本七郎『鉄魂記』育生社弘道閣 pid:1135015** — 工員もの「あたし、氣味が惡くなつて、**どきどきして來ましたの**。先生を起して…『何でもありません。**少し、頭痛がしたんで**、頭を、冷してゐたところ』」
- **昭和19 杉武夫『日語会話各種表現法』大修館書店 pid:1057302** — 会話表現教本にも採用(戦中語学教材)
- 1949 木田文夫『虚弱・病癖児童の教育』金子書房 pid:1160561 — 児童心身症「頭が重くかぶさつて…普通の頭痛ではないらしいと訴える。ときどき**心臓がどきどきして苦しくなる心臟神経症**もある。胃神経症もあり」(目次「頭痛もち兒童/101」)
- 1951 松田道雄『療養指導：結核と社会』弘文堂 pid:2422804 — 結核ノイローゼ分析「**心臓がどきどきしたりとまつたりするのは結核の**…そういう人物の訴える**胸痛**だとか**頭痛**と氣溫との關係だとか、便祕との不」
- **昭和26 新線路5(12)鉄道現業社 pid:3292615** — ⭐トンネル工事労働者の職業病「頭特にその前の方が**づきづきと痛む**こと、**胸のどきどき**、足がだるいなどであるが、トンネルの中で仕事を…症状が進み、**頭痛が激しく**なり」— **づきづき(頭)+どきどき(胸)の部位分担が一文に同居**
- → **読み: ドキドキは頭痛語ではなかった**。心臓(胸)の専任で、頭痛とは①同時併発(防空読本・学校衛生)②谷崎型「嘘の頭痛×本当の動悸」対比 ③結核ノイローゼ型の身体訴え分析、で結ばれた。**唯一の例外=拍動性耳鳴の音色描写**(精神神経学雑誌)——患者は頭の中の血流音を「ドキドキ・ドキンドキン」と呼んだ

### E. 血流系(のぼせ・逆上・上衝) — 総数25,608・60件精読
- **明15-20(1882-87) 曲山人『仮名文章女節用』(小三金五郎)複数版 pid:878278/878273/879646/878279/878280/878277/878276/878281** — 恋煩いの身体症状定型句:「心細くて氣が塞いで…**頭痛が致します**…故寢ても起て**ものぼせるのみ、頭痛とゆるぐ齒の痛みに胸の安まる暇なき**」— のぼせ+頭痛+歯痛+胸部圧迫の四重奏が明治初期口語教本に
- **明16(1883) 落合泰蔵『漢洋病名対照録』英蘭堂 pid:1911185** — ⭐⭐⭐「神經**逆上にのぼせ**混同…Enceph(脳)」— **漢方「逆上/上衝」と口語「のぼせ」と西洋脳疾患概念を対照させた医学対照書**。語の翻訳史の実物
- 明21(1888) 松本順『民間治療法』愛生館 pid:834549 / 訂正再版1889 pid:1084002 — ⭐目次「**頭痛　腦炎　充血症　腦膜　交感頭痛**」— 初代東京大学医学部維長・軍医総監・松本順が民間治療法に充血症系を収録
- **明23(1890) 岡本可亭『実地応用新体帝国用文大全』宝文軒 pid:866212** — 衛生教育の手本「**頭髪に垢を貯ふるときは頭痛・「ノボセ」等を生じ**常に稍心快濶ならず。務メテ潔ニスベシ」— 公式文体で「のぼせ」使用
- **明24(1891) 本林丁子堂『売薬類纂』pid:797149** — ⭐⭐⭐売薬効能リスト「血の道**のぼせ**〓主治効能●腦病**頭痛**●**偏頭痛**●顔面痛●**逆上**●**耳鳴**●耳痛●口炎●**神經症●肩攣**●脊痛●便秘氷解水價壹瓶金三錢」— **明治24年時点でのぼせ・逆上・頭痛・肩攣を一括主治とする市販薬が既に成立**(肩こりの売薬史とも接続)
- 明24-25 日本薬業新誌(1)(226)-(234)衛生社 pid:1491291/1491292/1491294/1491295/1491296/1491299 連載広告 — 定型句「顏手足むくむまよし●**のぼせよよし**めまい●**頭痛又は眩暈よよし**」— 薬業専門誌の「〜よよし」形式
- 明25 東海東山漫遊案内(野崎左文/博文館) pid:765186 — 温泉効能「其の効能ハ**上衝頭痛**肺勞、精神病婦人**血の道**」温泉×上衝(明22宮城県温泉明細表 pid:763495「**のぼせ**づつう…**上衝**どかんそう頭痛、慢性子宮病」も)
- 接続: 昭和6 実業の日本34(13) pid:3552285(§7-F既収録)「頭がズキズキ…**血がのぼる**…腦溢血でも起しさうだ」
- → **読み: のぼせ/逆上(口語)・上衝/充血(漢語)が血流系頭痛の標準語圏**。江戸以来の生活語(恋煩いの身体症状)で、明治20年代に売薬産業が「血の道」商品群の看板語彙として組織的に採用(婦人向け強壮剤中心)。のぼせ+頭痛+めまい+耳鳴+肩攣の一括訴求は、現代の「更年期障害・高血圧」訴求の直接祖先

### F. 通し読み(v4) — トオルの問い「頭が血流が激しくなったような言葉は昔なかったのか?」への答え
1. **あった。しかも三層構造で**:
   - **のぼせ・逆上・上衝** = 血流が頭へ上る感覚(状態語)。江戸からの生活語→明治売薬産業が「血の道」商材の制度語彙化
   - **ドキンドキン・ドキドキ(耳鳴)** = 頭の中の血流音(聴覚)。1937-43精神神経学雑誌が患者語として記録——心臓の擬音が頭蓋内で使われた実証
   - **ずきずき** = 脈拍に同期する痛み(触覚・時間)。紅葉遺稿(明44)が「頭痛」注付きで体系化
2. **七語の担当分業が確定**: ずきずき=拍動痛/がんがん=強烈・熱時(+耳鳴)/ひりひり=体表灼熱/じわじわ=漸進増悪/じんじん=しびれ・うずき/ジリジリ=日射・焦燥(非疼痛→戦後移住)/どきどき=心臓(頭では耳鳴音色のみ)。**「頭の中」を担当する語が実は少なく、内部の拍動はずきずき一人で背負っていた**
3. 印刷起点の型が五つに拡張: 辞書認証型(ズキズキ1909・ひりひり1909)/臨床起点型(ジワジワ1908=唯一)/冒険小説型(ガンガン1907)/心臓専任型(ドキドキ=紅葉明37)/生活語型(のぼせ=江戸〜明治15口語教本)。**ジワジワだけが医学が先だった**——「進行の質」は患者より医師が先に言葉に必要とした可能性
4. 戦時中の使用継続個別事例がさらに追加: 眼科職業病(昭和18)、防空読本(昭和18)、鉄魂記(昭和18)、日語会話表現法(昭和19)、知性誌(1942)、医学誌3種(1942)
