# 病気相談十二ケ月（東華書院・大正11/1922）OCR全文
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## 主要箇所の在処
- 第二章 頭痛(春先きの問答): コマ42-43 → [ビューア](https://dl.ndl.go.jp/pid/904831/1/42)
- 神経衰弱(三痛み束ね): コマ37/40
- 月經: コマ20, 40, 67, 103
- 凍傷・ひび・あかぎれ(一月): コマ16前後

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## コマ1

炭酸塩素材生ヤ3 2レ06ル6 8 L 9 9ヤ3と

## コマ2



## コマ3

特100 110病氣相談十二ヶ月11. 7交3

## コマ4

はしがき寒國には寒國に特有の氣があり、かんごくとくいうびやうきねつたいこくくにとくいうしつくわん一.熱帶國にはまたその國に特有の疾患すなはちばうびやうおなおなとちきせつりうかう即ち地方病があると同じく、同じ土地にありても.その季節によりて流行びやうきことこんなひやうききせつ病勢に影えいきやうする病氣が異なり、また同じ病氣でも季節によつて、響がある、たとごくしよどききふせいゐちやうびやうおほふゆげんかんどきかんばうおほ假へば極暑時には急性の胃腸病が多く、冬の嚴寒時には寒冐が多く.また勇の寒冐はそれほどでも無いが、かつぜなげんかんどきかぜひとはいえん嚴寒時に寒胃を惹くと、兎もすると肺炎ヘんしやうやすなどはその一例である。したがしんしつぺいよげうそのちれたまうに變症し易き從つて眞に疾病を豫防し、其治療方はふしからのかくきせつかくげつおこやすびやうきつい法を詳知するには、各季節各月に起り易き病氣に就て知らねばならぬ。けんかうぞうしんぱふおないみおいきせつつき〓〓てき健康增進法もまたそれと同じ意味に於てその季節々々その月々に適すはうはふてきはうはふおこなかつたつる方法があつて、その適する方法を行ふにあらざれば淡してその的を達一、はしがき

## コマ5

はしがきニする能はざるものである。おほりやかうきつきc59いたる一ケ年間その各月に々き病氣と、かくげつお前にしていちのその月一、一月より十二月に至しやうじゆつそのつき〓〓てきげんかうぞうしんはぶこれによつて其月々にに適する健康增進法とを詳述せるものであるから、りよどうじ疾病に就て顧慮するところがあらば、つペいてきはうはふおこなそれこ適する方法を行うと同時に、しつぐわんよばうおもしんけんかへぞうしん總ての疾患を豫防し得るならんと思ふのである。すたそ眞に健康を增進し得て、ニ編纂者謹識目次一月の衞生第一章凍傷凍傷の原因と症候豫防法と治療法ヒゞ、アカギレヒヾアカギレの豫防法ヒヾアカギレの治療法助膜炎肋膜炎の原因次ニ三第二章五五六第三章六七目

## コマ6

目次肋膜炎の症候肋膜炎の治療法及病後の注意肺炎肺炎に二種あり肺炎の症候肺炎の療法喘息の療法···七八九九一〇三第四章第五章三二月の衛生第一章第二章氣管支加答兒と其療法:百日咳と其療法三一七第三章流行性感冐原因と症候流感の豫防法と療法一八一八二〇三月の衛生第一章肺結核肺病は癒る病氣なり肺病の最新療法··肺病の食餌療法肺病の藥物療法肺病の豫防法···次二二二二六二七自三

## コマ7

目次肺病の鑑別法肺病の消毒法···腹式呼吸··呼吸の方法立つてやる時の姿勢效が顯るればどうなる乎腹式呼吸を禁ずべき人婦人と腹式呼吸···試驗勉强の祕訣腦力增進法最も有效なる腦の使用法六元第二章三三二二五三六三三第三章四〇四〇四一勉强時の食養法四三四月の衛生第一章神經衰弱··神經衰弱とは何んぞや肉體的の症候精神上に現るゝ症候··無暗に顏を赤くするは强迫觀念婦人にも神經衰弱がある神經衰弱治療の根本義神經衰弱は苦も無く癒る次四五四五四六四九五五二五二五四五

## コマ8

目第二章次頭痛頭痛の種類頭痛の療法ニキビと其療法齒痛の療法散步の健康的價値地の健康的價値散步は最も良き運動散步の實行方法六五七五七五八五九六〇六一六六四六五第三章第四章第五章五月の衛生第一章冷水摩擦と冷水浴此月より實行すべき健康法冷水摩擦の方法冷水摩擦の順序實行上の注意冷水摩擦の效能婦人病重なる婦人病婦人病と夫婦別居交交充七じヨ七七五七五七六第二章六月の衛生次七

## コマ9

目章次脚氣脚氣の原因脚氣にも種類がある脚氣の豫防法脚氣患者の養生法脚氣の治療法第一宅七七大八〇스全第二章リウマチスリウママスは痛い病氣リウマチスの治療法公八四八六第三章神經痛神經痛の原因と症候痛八七八七神經痛の療法久七月の衛生第一章海水浴誤られたる海水浴海水浴の人體に及す影響波濤の及す影響水溫の影響海氣の影響海水成分の影響光線の影響次八九八九かつたん九三九四九七九九目

## コマ10

自次海水浴の健康に及ぼす影響海水浴應用の注意場所の注意入水中の注意着衣の注意水泳の時期と時刻及び時間上陸時及び上陸後の注意年齡の注意一〇一〇〇112··一〇七三一〇九一一〇三三第二章ワキガと其治療法三第三章日光浴一一四日光の人體に及す作用一一四日光浴は健康に益あり日光浴の實行法一一七二八八月の衛生第一章登山登山の健康に及す價値高山の生理的作用高山の健康に及す價値登山に要する食糧及び藥品の準備山中川の應急手當日灼けの豫防法次三一三三三三一二六一二八一三〇第二章目一

## コマ11

第第五章第二章一第四章第三章目目章溫赤痢、豫黴菌の侵入門戶傳次ラヂウム、溫泉の利く理由泉染防チフス等の傳染病浴徑エマナチオンの效法路九月の衛生ソバカスと其治療法季節による食物の振り方食次中適應食とは何ぞや主養物と副食物日本人の營養麁食は何故健康に益ある乎日本人に適する食物美食より受くる害麁衣麁食は健康の祕決食物の攝り方食中りの治療法食中りの原因り一五五〓一五五一三三一三一、一元一四九一四八一一四四一四二一四、三元二三七〓一二四四三三一三二1

## コマ12

目次溫泉と氣候との關係溫泉場の選擇溫泉入浴の心得服湯の效及其注意湯治を禁ずべき人四一六〇一六一一四番一六七六八十月の衛生第一章第二章腦充血と其治療法腦溢血(中風)中氣の原因中氣の豫防法一七〇一七一モニ一ニ一卒中の應急手當便秘と其療法下痢と其療法若白髮と其治療法三一七四三重一七七第三章第四章第五章十一月の衛生第一章糖尿病糖尿病とは何ぞや糖尿病の治療法鼻加答兒と其療法生殖器神經衰弱(陰萎、次·一七八一八一七八一八一第二章第三章目早漏.遺精等)と其治療法

## コマ13

目第四章次不眠と其療法一六一八三十二月の衛生第一章第二章第三章第四章咽喉加答兒と其療法偏桃腺炎と其療法赤鼻と其療法腎臟炎腎識炎の種類腎臟炎の原因腎臟炎の症候腎臓炎は癒らぬか一八四一八六·一八八一八九一八九성一二二元腎臟炎の治療法腎臟炎の食養生避寒の心得避寒の必要ある人避寒地に必要なる條件何處がよろしき乎避寒の注意一九六一九八·二〇〇二〇〇二〇一·二〇二第五章二〇四目次終目次

## コマ14

病氣相談十二ヶ月醫健康相談所長士伊藤尙賢著一月第一章第一章凍傷さうびやうきよばうはふれうはふこ、ふちかごろゑいせいしはつたつ素人まで病氣の豫防法や療法に就て深く考べるしろうと近頃は衛生思想が發達して、ゑいせいゃうわくわいからBひらほんしよちよしややうになつて、衛生講話會なども各地に開くやうになりましたが本書は著者がとくわいあせいねんだん素ねそのつき〓〓おほびやうきちういゑいせいはふとうつい都會の或る靑年團に招かれて、其月々に多き病氣や、注意すべき衛生法等に就凍月

## コマ15

病氣相談十二ヶ月二まいげつくわいかうわくわいさいもんだふひつきて.每月一回講話會をした際の問答を、筆記したのであります。凍傷の原因と症候問『每年今頃になると子供は申すまでもなく、まいねんいまごろどもまをわれ〓〓せいねんとうしやうできほん我々靑年までも凍傷が出來て困たいできりますが、一體これはどういふわけで出來るものでせうか』とうしやうでき長く寒冷が、かんれい答『凍傷の出來るのは、ばしよさようたけつくわんその場所に作用するが爲めに、しうしゆくりよく:0けつえきとどこぼふ血管の收縮力が弱つて血液が滯るからですから、ひけつくわんよわひとニどもできナナ皮膚や血管の弱き人や、子供などに出來易いのであります。とうしやういてからあしゆびか紫色に腫れ上り、凍傷と云ふと、はあがよ手の甲や足の指などとこなかはひ夜る褥の中に入ると痛みの〓しくなるものと、はなはだだれしる誰でも知つて居るが、あれは醫者の方から云ふと.しやはういだいどとうしやういぞくしもやけあるひ第一度の凍傷と云ふもので、ゆきやけいおもほねと俗には霜燒或は雪燒と云ふが、重いのになると、第、一度より第三度までの區別があります。とたい骨までも脫れることがあり、とべつて.だいどとうしやうへんしよくすゐはうできついやぶしやうえきも第二度の凍傷は、變色したところに水疱が出來.次でそれが破れて漿液を洩のちくづしまらし、後には潰れて了ふものであります。だ、ととうしやうきばおもひ中そしきくわのうぶゐまつも第三度の凍傷は、極めて重いもので、皮下の組織も化膿し、その部位は全くゑそあんかつしよくけつえきじゆんくわんまつたとまはなはだふきんにくほね壤疽となつて暗褐色となり、血液の循環は全く止り、甚しきは皮膚、筋肉、骨しゆつせいおだつらくまんしうた兵士で、Lみ、までも脫落するもので、滿州に出征し耳の落ちたものなどあるは、ちんこりとうしやうたは在左おそ全く此凍傷の爲めであつて、甚だ恐ろしいものであります』豫防法と治療法たいへんおそろしよばうはふ問『大變に恐いものですね、どうかしてこれを豫防する法はないでせうか』さむあたばうかんぐほこしかせう答『寒さに當らぬやう防寒具で保護すればよろしいわけですが、然しこれは消きよく きよばうはふかんしんたいとうしやうできまへまをとほしんたい極的の豫防法で感心しません。一體凍傷の出來るのは前にも申した通り身體のていかうりよくよわたっスたもちゐ抵抗力の弱い爲めであるから、それを强くする爲め、カルチウムを用ひて居る一月三ついやぶしやうえきも次でそれが破れて漿液を洩

## コマ16

病氣相談十二ヶ月四あきぐちもしふゆはじとうしやうでをとよいので、まん秋口若しくは冬の初めから、つまり凍傷のまだ出來ない前から、ふくようゐけつとうしやうかことはつけんい服用して居ると、決して凍傷に罹らぬもので、此の事が發見されて以來、も、わたくし私共の子供初めこれを用ひて居もるのは、どもはらcaゐさいはひとうしやうか幸に凍傷に罹らなくなりました』ったくしさつそくもち問『それでは私も早速それを用ひませう、すでかこひとちれうはふそれから既に罹つた人の治療法はどうするでせうか』だうどときたび〓〓ゆまさつ答『第一度の時には度々湯に入れて摩擦し、334ちんきたうふ或はカンフル丁幾を塗附する。第〓どはうさんせうさんぎんなんかうとうたうふ二度のものには硼酸ワセリン、だどす硝酸銀軟膏等を塗布するが、第三度のものは直れうぢれうやぐに醫療を受けなければなりませんが、はざいいうかう治療にも矢張カルチウム劑が有効ですか6ふくようおもから輕いものならば、じやうみやくちうしや服用するがよろしく、重いものならば靜脈注射を受くなほしまると、苦も無く癒つて了ひます』ざいいなんいせいざい問『カルチウウ劑と云ひますと、ばんき何と云ふ製劑が一番よく利きますでせうか』ちうしやもち答『注射にはクロールカルチウムを用ひはらまちきうせいやくる、んはつばいばん原町救生藥園發賣)が一番よく利きます。ふくようで服用するのです。』ないふくちやういしかはく內服にはカルアグレス錠(小石川區ねんれいおうにちつぶ年齡に應じて一日三粒より十五粒ま第二章ヒヾアカギレ豫防法ふゆみづしごとひとまをなこども問『冬になると水仕事をする人は中すまでも無く子供などが。よくヒヾやアカきよぼうはふギレが切れますが、これは豫防法はないものでせうか』おはぶせうおこぬてかぜあと答『ヒヾもアカギレも多くは無精から起るもので·濡れた手で風に當つたり、きさてぬぐひ火にあたつたりするが原因ですから.げんいんニーひとへいそこしかわ水仕事をする人は、平素腰に乾いた手拭おてぬたずごとて手を濡らした度每によく拭ひ、また手が冷たくなつても直ぐにこちをさげて置き、一月五よくヒヾやアカ

## コマ17

病氣相談十二ヶ月六先づ離しく兩手を摩擦して、火に當らずに、少しく暖みのついたところで火に、外出するときには手袋をはめるとかあたるとか、rs殊に荒れ性の人は何か動物性の脂肪を塗るとか云ふ風にすれば、大抵は豫防されますものです。』治療法問『それから治療法はどうするでせう』答『ヒヾの輕いのは豚の脂なり、鷄の脂なりつまり動物性の脂を塗ればよろしく殊に熊の脂肪は最もよく利きます。それから藥屋からベルツ水を買つて來て塗るもよろしい。またアカギレには水揚酸一、○豚脂六〇、〇ラノリン二〇、332○の混和軟膏を塗布するのが最もよく利きます。』第三章肋膜炎肋膜炎肋膜炎の原因問『肋膜炎は、肺病と同じものゝやうに聞いてゐますが、矢張さうでせうか』答『肋膜炎にはいろ〓〓種類があつて、外傷、打撲等によつて起る外傷性肋膜炎、リウマチスによつて起るリウマチス性肋膜炎、結核菌によつて起る結核性肋膜炎と、大體三つの種類があるが、此の中結核性のものが最も多く、そしあります』肋膜炎の症候4問『肋膜炎に罹ると、どういふ風になるものでせうか』心が十在答『肋膜炎には二た通りあります、即ち乾性と濕性とですが、濕性と云ふのは胸に水の溜る病氣で.乾性の方は水が溜らずに唯炎症だけのものです。そして一月

## コマ18

病氣相談十二ヶ月入びゃうきおこはじ扇ひだ16/いだおこゆゑちぶさしたそとはういた病氣の起り初めは胸のりり右右に痛みが起るもの故、乳房の下の外の方に痛みしかいきよすよけいいたまがあつて、然も息を强く吸へば餘計痛むと云ふやうなことがあつたならば、先ろくまくえんかんがへおようじんどうじはつねつどぐらゐつ肋膜炎に考を措いて用心せねばなりません。同時に發熱三十八度位になる、しかねなねつあんしんできせき然しながら熱の無いのもあるから、熱がないとても安心が出來ません。咳嗽はででん たまむねあつぱくやうおもかん出ることもあれば出ぬこともあり、また水が溜れば胸が壓迫される樣な重い感乾性の肋膜炎でもかんせいやはりいたせきででじがある。矢張痛みがあつて、咳嗽は出るのもあれば出ぬのねつでるでせいしつしやうひいもあり、〓も出來のもあれば出ぬのもあります。また性質の良否を云ふことにしつせいはうきふおこきふな..かんせいはうじよ〓〓おるきよういなると、濕性の方は急に起つて急に癒り、乾性の方は徐々に起つて來て、容易なまいしっせいはうせにはかんせいはうナつかくせいに癒らぬ、と云ふのは濕性の方にはリウマチス性が多いが、乾性の方は結核性おほが多いからであります。』肋膜炎の治療法及び病後の注意ろくまくえんおもびやうきなほ間『肋膜炎はなか〓〓重い病氣のやうですが、どうすれば癒りませうか」さやうちもびやうきとてしろうとれうぢできみぎ答『左樣重い病氣で、迚も素人療法の出來るものでありませんから、若し右のやうしやう〓〓ばあひはやいル0て흔ほんびやう樣な症狀があつた場合には早く醫者の手當を受けなければなりません。本病はもとなまびやうきしかけつかくせいまをなこのた元より癒る病氣ですが.然し結核性のものは申すまでも無く、其他のものではいびやうか、やすびやうきなはちういかぜも、肺病に罹り易くなるものですから、病氣が癒つても、よく注意して風邪をaぢやうぢやくながふくようゐ惹かぬやうになし、そしてカルアグレス錠を持藥として永く服用して居るのが何より大切の注意であります。』たいせちうい第四章第四章肺炎肺炎に二種ありりうかんりうかうどきたまえはいえんたふひと問『流感の流行時には大分肺炎で倒れた人があり、月炎さくこんさむとき昨今のやうな寒い時には、九

## コマ19

病氣相談十二ヶ月一〇一體此の病氣はどうし腑炎に罹る人も大分あるやうですが.て起るものでせうか』答『一と口に肺炎と云ふても、それには二種あつて、俗に肺炎と云ふのは、レンケル氏肺炎重球菌によつて起るコロープ性肺炎。また流感などの後に起るものは加答兒性肺炎と云ひ、チブス、麻疹、猩紅熱、百日咳の後などにも起またり.前のものとは全く異つてゐます。』肺炎の症候問『肺炎に二た通りあつて、その原因が別であるとすれば、從つてその容體もおの〓〓べつまた各々別でせうな』答『それは多少違つた點があります。コロープ性肺炎は多くは突然に起り、そ.8°Cねの起り始めは惡寒がして戰慄が起り、次で熱が高くなり、息をするときに胸が一〇一體此の病氣はどうして起るものでせう從つてその容體もコロープ性肺炎は多くは突然に起り、そね次で熱が高くなり、息をするときに胸がarts刺すやうに痛むと云ふ風のが普通です。呼吸は淺く短くして咳嗽もあり。痰はモおひ〓〓れんぐわっひ初めの間は褐色で追々煉瓦樣の赤色となり、遂に鐵鏽色或は煙草のヤニに似たね、痰を出すもので、これが肺炎に特徵のものであります。熱は三十九度から其以上もいつも續いて、發病してから凡そ五日目七日目等奇數の日が夕方に急に汗わが出て熱が下る.時としては三十五度位に下ることもあるが、熱が下つてもまだ全快したのではないから、注意を要します。加答兒性肺炎には胸の痛むのもあれば、痛まぬのもあり、咳嗽や喀痰があつねて、熱も三十九度以上に昇る、大も表弱せる人にあつては熱の無いこともあるから、熱が無いとて油斷は出來ません。殊に老人などは唯舌が乾くだけで、他に何等の症候が無いのに念に死ぬなど云ふことがあります。また本症はコロー下やうきプ性肺炎ほど外見は劇しくありませんが、病氣が長く續き、子供などは急に窒月

## コマ20

病氣相談十二ヶ月そくたたほゆる息の爲めに倒れることなどもある故、ます。よぼとだいじびやうき餘程大事にしなければならぬ病氣であり肺炎の療法はいえんくすりない問『肺炎には藥は無いと云ふが、ほんとうでせうが』せ、はいえんていけいてきべつ發財いくらゐしか答『コーロプ性肺炎の定型的のものは、別に藥が入らぬ位のものですが、然しいしやてあてひつえうきとうつうこほりぶくろもつひや〓しつぶ醫者の手當は必要です。そして胸痛あるものには氷嚢を以て冷すか、胸に濕布しつないをんだん〓げたおとうねつをなし、室內を溫暖になして、湯氣を立てて置く等をします。熱のあるときはぎうにうおもゆくるめかゆけいらんとうりうどうしよくかぎまごひLeseみんかんれう牛乳、米湯、葛湯、お粥、鷄卵等の流動食に限りますが、眞鯉の生血は民間療はふむかしもちたひとたくさん法として昔から用ひられたもので、それで癒つた人が澤山あります。かたるはいえんもとじうぶんいれうえうみんかんれうはふきんかんさ加答兒肺炎は元より充分なる醫療を要しますが、民間療法としては金柑を砂たうにたあせいせきくわんかいかうあめよろ糖煮にして食べると、大に咳嗽を緩解するの效があり、飴なども宜しいものではいえんどか: }はいびやうすよはばいけつ、くす。すべて肺炎は一度罹ると、二度と罹り易くなり、また肺病即ち肺結核にもかやすゆるぢやう5やくもちていかうりよくてん罹り易くなるもの故、カルアグレス錠を持藥として用ひ、抵抗力を强くするこひつえうちういとが必要の注意であります。第五章第五章喘息の療法ぜんそくいドやうきすゐぶんながしやうなほびやうき間『嘴息と云ふ病氣は隨分長いものゝやうですが、これは一生癒らぬ病氣でせうか』ぜんそくしゅるゐじびひやうしきうびやうゐちやうびやうひふびやうげつけい答『喘息にもいろ〓〓種類があつて、耳鼻病、子宮病胃腸病、皮膚病、月經じとうおこけんしやせいぞんそくげんびやうのぞたちまなほしんきくわんしぜんそく時等に起る反射性喘息は、その原病を除けば忽ち癒りますが、眞の氣管支喘息5れうこんなんことせっねんじだいきこさいいじやうの治療はなか〓〓困難であり、殊に少年時代に起つて、二十歲以上になつてもなほ多くは根治が六づかしいと云れて居ります。おほこんぢをしかきんらい癒らぬものは、然し近來カルチウ一月しやうなほびやうきこれは一生癒らぬ病氣でせ

## コマ21

病氣相談十二ヶ月ゆはうこくたくさんず太友をつさゞきいしム激法によつて治癒したと云ふ報告が澤山あります、ぢ即ち發作時には醫師に之セットルうゐひとへいそぢやうれを注射して貰ふのですが、ちう(小持病になつて居る人は、平素カルビタミン錠Sもらをほつさふせ石川區原町救生藥園發賣)かはく小、を持藥として用ひて居れば、その發作を防ぐことが出來ます。ほつさとけいきんはふい一體醫馬ぜんそくそれから發作を止めるにセンゲルの計算法と云ふのがあります。はきふきこきこんなんびやうきこきさん.ふう吸氣よりも呼氣が困難な病氣ですから、呼氣を容易にするやうに工夫されたもtouちすきつぎしゆんかんまつたこきふそのはふ一二四五と唯ヘので、其法は一一六の所で吸氣をして、次の瞬間は全く呼吸をとつゞ杏子甘おひと止め.續いて七八九十十一と唱へ、また吸氣をするのですが、或る人は六十一さいらうばかずふぞかはむあ1だうつくわいとなほつさせいしぇ歲の老婆に數を數へる代りに、南無阿彌陀佛を四回唱へしめて發作を制止し得れいはうこくをとしよひとトこぶめうたと云ふ例を報〓して居りますから、年老りの人にはこれなどは頗る妙でせ5。二月第一章氣管支加答兒と其療法まいねんきたかぜふすさ間『每年北風の吹き荒む二月頃になると、ぐわつごっきくわんおかひとよく氣管を侵される人がありますスやうきついひとほうげたまはが此の病氣に就て一と通りおも承りたいと思ひます』きくわん氣管が弱いとか云ふのは、さか答『氣管を犯されるとか、よわ入れた、しやきくっんしか皆醫者の云ふ氣管支加答たぐつもらいこびやうき兒のことですが、しつれいくうき;さむかよふ元米此の病氣は温冷の空氣殊に寒き風に吹かれるのは直接のちよくせっげんいん原因であり、ぢんあいつつうききふにふしげきせいがすきふにふ不潔空氣の吸入、人んせいとうまた摩芥、くふ刺戟性瓦斯の呎入、便通不整等によちやうせいちうどごとる腸性中毒、ねっせっでんせんびやうまたデフテリアの如き熟性傳染病によつて起るものであります。二月一五

## コマ22

病氣相談十二ヶ月か、さ〓氣管支加答兒に罹ると盛んに咳嗽が出る。そして發病が急性なるほど.また난侵されたる氣管支の大なるほど咳嗽は甚しいものです。喀痰は初めは僅少であさひ〓〓つて、硝子板粘稠の所謂生痰を出すが、追々に多量且つ粘液水樣となり、後には膿性の所謂熟痰を出すに至り、時には少し許りの血液を混ずることもありまコす。そして輕きものは熱は無いが、重いのになると三十九度以上にも昇ります。}治療法としては、熱の有無に拘らず、胸に濕布罨法をします。熱のあるときは湯氣を立てゝ温潤溫暖ならしめた室內に安臥して、熱き茶.熱き牛乳などをte用ひるか、またアスビリン(一回量〇、五)を服用せしめて、發汗せしむるなどよろしく、またカルアグレス錠を永く服用するのは、肺病の素因を除く點に於て有効であります。第二章百日咳と其療法問『百日咳はその名の如く、百日經たねば癒らぬと二ふが、矢張さう長くかゝるものでせうか。十五答だ『昔しは百日咳は隨分長くかゝつたものです、即ち第一期の加答兒期は、單だ〓に咳嗽のある時期で、それが十日位第二期は、痙咳期と云つて、本症に特有廿?コン〓〓〓〓と咳嗽が長く續き、の、其間僅にヒイと困しげな吸氣をなして、嘔吐を來す時期、それから減退期と云つてだん〓〓輕くなつて快癒する時期)で、前後を通じて平均八週から十二週間位はかゝつたものですが、今より十餘此の原因となる年前にボルデー.ジヤングと云ふ人が、黴菌を發見され、それでワクシンを造つたので、ま今では此ワクシンを注射すれば、短時日の間に癒る二月百日經たねば癒らぬと二ふが、矢張さう長くかゝ

## コマ23

病氣相談十二ヶ月一八やうになりました。にちぜせばいきんたこびやうきやはりでんせんし〓ぜんじゆつ百日咳は、德菌によつて起る病氣ですから矢張傅染します。然しこれは前述ちうしやよばうできもかこきんじよのワクシン注射によつて防することが出來ますから、若し一家內とか近處とひやうしやできほあひこうよばうちうしやくわんぜんよばうかに病者が出來た場合には、此豫防注射を受くれば、完全に豫防されるものであります。一八第三章流行性感冒原因と症狀さいきんねんだいぶりうかんくる問『最近二三年は大分流感で因しめられましたが、うか』ほんしやうめしよう答『本症は一名インフルエンザと稱して、たいこのびやうきげんいんなん一體此病氣の原因は何でせしはっけんパイフエル氏の發見したインフルエきんお.さいきんたいりうかうりうかんげん、んがくしやぎろんンザ菌によつて起るものですが、光彩氏最近大流行の流感の原因は學者に大分議論がやはりしきんけんいん냥あるやうですが、矢張パ氏菌が原因だらうと思はれます』りうかんしやう〓〓てたいこて、1問『流感にかゝると.いろ〓〓の症狀を呈するやうですが、一體此の病氣のほしやうこうんとうの症候と云ふものはどんなものでせうか』ナハてきはじふうくわいおかんどないし答『定型的のものは、どぐらゐかう初め數回の惡寒があつて次で三十九度乃至四十度位の高ねおこづつうことそんが,はいつうえうつうとうxとくちよう熱が起り、頭痛殊に前額痛、背痛、腰痛等を發するが、その特徴によつて、こくうれを三種に區別します。きくわんしいんとうこうこうびこうきんわんおよきくしんしきやうれつ氣管支インフルエンザーは、咽頭、喉頭、鼻腔、氣管及び氣管支に强烈なるゅたるしやう〓〓はつくさめひんぱっびままふふくつたわがいさうかくたんとうすべきくっんしか加答兒症狀を發して、噴嚏如發、鼻粘膜分泌過多、咳嗽、喀痰等總て氣管支加たるしっう〓〓はつさ答兒の症狀を發して來ます。ゐちやうせ〓ゐちやうかたるやう〓〓すなはぐわんこおしんおうとげ胃腸性インフルエンザーは、胃腸加答兒の症狀即ち顔固なる惡心.嘔吐、下ニ月一九たいこて、1一體此の病氣のほきんわんおよきくしんしきやうれつ氣管及び氣管支に强烈なるがいさうかくたんとうすべきくっんしか咳嗽、喀痰等總て氣管支加ゐちやうかたるやう〓〓すなはぐわんこおしん胃腸加答兒の症狀即ち顔固なる惡心.一九おうとげ嘔吐、下

## コマ24

病氣相談十二ヶ月二〇痢.胃痙攣、食慾不振、腸疝痛等を來し、間々黃疸を發することがあります。神經性インフルエンザーは、劇甚なる薦骨痛、上膊下腿、眼目等の疼痛、頭しやう〓〓<痛.眩暈等を發して來ます。勿論此等の症狀はこの樣に劃然と分離して來ると云ふわけではなく、多くはいろ〓〓混つて來ます。それに最近流行のものは惡と、はいえん性肺炎を起すものが多く、それが爲めに死せるものが澤山あるのは人の知つて居る通りであります。流感の豫防と療法問『此の恐ろしい流感は、どうにかして豫防する方法はありませんでせうか、また療治はどうするでせうか』答『豫防注射は未だ完全と云ふところまで進んではゐませんが、矢張流行時に多數群居のところ假へば工場、らはやつた方がよろしく、寄宿舍等では隔離は唯一の豫防法です。それからマスクは他に向つての傳染を豫防するの効がありまた、〓うがいす。また含嗽は確かに豫防の効がある故、流行時には度々含嗽するがよろしく.キニネ丸を少量づゝ(一日〇、五位)服用するのもよろしい。インフルエンザーの特効業と云ふものはありませんから、本病に罹つたならたば、早く醫者の充分なる手當を受くるのが何よりの治療法であります。三月第一章肺結核肺病は癒る病氣なり月三

## コマ25

病氣相談十二ヶ月二二はいびやうびやうきなほよく醫者がさう云ひますが、んやいまいねんいまごろことなはな『肺病は癒る病氣だと、每年今頃殊に菜の花のさころそ其處でも此處でも麻痺で死んだと云ふ話を聞きますが、こここしいはなしきじつさい咲く頃になると、實際はいびやづなま肺病は癒るものでせうか』なはいひやうしひとたくさんしかはんたいなほひとたくさん答『成るほど麻病で死ぬ人は澤山ありますが、然しその反對に癒る人も澤山あたいこんにちひじやうはいびやうおほはいびやうけなひとなゐります。一體今日は非常に肺病が多く、肺病の氣の無い人が無いと、云ふて居せんもんかくらゐたすうした〓しおほいる專門家がある位で多數のものですから、從つて死ぬものも多いと云ふわけにびやうきけいくわながうちまよでなります。それに此の病氣が經過が永いから、その中には迷ひが出て、いろいノだれうぢひじやうさはろ下らぬ療治などをするやうになつて、それがまた非常に障るものですから、ちれうはふくはともじうぶんせつせいまもかたるぜんちいたよく治療法を加へると共に、充分攝生を守れば、必ず全治に至るものであります.肺病の最新治療法かおはなすはいびやうなほると云ふことが抑りましたが、問『御話によつて肺病の癒それではどういふ治れうなほ療をすれば癒りますか』はいびやうちれうはふもくか答『肺病の治療法としては、目下いろ〓〓のものがもてはやされてゐますが、みとだえいやうかうしんガチャたいていかう學者が一般に認むるところのものは、がくしや第一は營養を亢進して病氣に對する抵抗りよくつよじやうぷんおほしよくもつとひつえう力を强くすること、これには成るべく滋養分の多い食物を攝ることが必要であだいしんせんぢんあいなくうぎちうきよぢう(ります。第二には、新鮮にして塵埃の無き空氣中に居住すること、これは空氣しんせんはいびやうじしんよなしよくよくナ、もづこりやうかうが新鮮なれば、肺病それ自身に良いばかりで無く、食慾を進むるに、最も良効ちているす)くわゆゑいみおいしゃくうきよはう果があるもの故、此の意味に於て醫者は空氣の良き地方に轉地をめて居る。しかてんきげついじやうそこゐたかう然し轉げ三三月見以上非萬に居るでなれば大した効はあまませかかこゝろえたてうげんひとにつくわうあたにつくわう心得置くべき條件の一つであります。それからよく日光に中ること、日光にはさつきんりよくけつかくきんこうなしんちんだいしやきのうたかしんたいキやうさう殺菌力があつて結核菌を殺すばかりで無く。新陳代謝機能を亢めて身體を强壯三月それではどういふ治

## コマ26

病氣相談十二ヶ月二四;つとけたえさんぽあるひひあとにするの効がありますから。力めて日向を散歩し、或は日のよく中るところでわうぐわたゞふたまひあばうしかぶコイはいびやうもち橫臥する(但し頭は日に當てぬやう帽子でも被る)がよろしい。次に肺病に用びすたくさんむかもちゐよくにんこんこらひる藥は澤山ありますが、昔しから用ひて居もものでは薏苡仁、それから今日しやうようこもらはいびやうかんたぜん賞用さるゝものではカルチウムであつて、此の二つを用ひれば、肺病は必ず全ち治されます。肺病の食餌療法はいびやうしよくもつすなはえいっうた、せつたいしよくもつ問『肺病には食物即ち營養が大切であるとのことですが、一體どういふ食物をとよろ攝つてゐたら宜しいでせうか』しよくもつしんたいえ;かことはいけつかくごとしんたい答『食物は身體の營養に缺くべからざるものですが、殊に肺結核の如き身體のせうがうはなはだびやうきなじやうしよくおほとたいりよくせうがうさぎな消耗の甚しき病氣にあつては、成るべく滋養食を多く攝つて體力の消耗を補ふひつえうはいびやうへわんじやゐゆるかぎかくさもじやうぶつとの必要がありますから、肺病患者は胃の話す限り、澤山の滋養物を攝ることたいしよくもつ一體どういふ食物をたいせっさつ·もつとじやうぶつたいてハひとぎうにうけいらんが大切の注意であります。尤も滋養物と云ふと大抵の人は牛乳とか鷄卵とかにかぎこゝろえきらなんがまんたふう限るやうに心得で、嫌ひでも何でもかまわずに我慢して食べると云ふ風であるなにじううぶつこれらかぎいめしもちろんうをとりが、何も滋養物は此時のものに限つたと云ふわけではなく、米飯は勿論、魚鳥けものにくたなんよくもつなはみんじやうぶつふくできうこれ〓肉その他何でも食物の中には皆淺養物を含んでゐますから、出來得るだけ此누、しかしよくもつほ2)こくモさ等のものを食するがよろしく。然もその食物は一方に偏せずに、五穀、蔬菜、くわじさかなとりにくけものにくまごとうしゆ〓てきぎあんばいへいよう果實.魚肉、鳥肉、獸肉、卵等種々なるものを適在鹽梅併用するがよろしく、こととしよくもつとしよくもつとうかたちさん、殊にカルチウムに富む食物、ヴヰタミンに富む食物等は必ず食するがよろしはいけつかく心ばうぶんぜうがうはなはだびやうきぎうにうけいらんらくくわい。それから肺結核は脂肪分の消耗の甚しい病氣ですから、牛乳、鷄卵、落花せご풋くるゝかんゆうをとりげもっにくこうくしばうぶんおほた生.胡麻、胡桃、肝油、それに魚島獸肉等も成るべく脂肪分の多いものを食べわれ〓〓にほんじんこめのめしboほかふくしよくるがよろしく、我々日本人にはどうしても米食を主として、他のものを副食とするのがよろしいのです。三月

## コマ27

病氣相談十二ヶ月二六肺病の藥物療法はいびやうよくいにんほんき問『肺病には薏苡仁と、カルチウムとが一番よく利くとのことですが、これにこくは口水銀就て詳しく伺ひたいものです』chにんかんやくねんこわたしなおよにほんはいびやうせいやくいま答『薏苡仁は漢藥で、二千年此の方支那及び日本で肺病の聖藥として、また疣とやくめっやくしやうようさいきんわくにをかだきいがくはか取り藥、サメハダの妙藥として富用されたもので、最近我が國でも岡崎醫學博せせとすうたホルトルきかうおどろゐしだいわたくし士始め數多の大家がこれを用ひて、その奇効に驚いて居る次第であつて、私もついたすうじつけんしかもちかたふんまつたりやうこれに就ては多數の實驗があります。然しこれまでの用ひ方は、粉末を多量にもちまゐがいおさわたくしだいうかうせいぶん用ひたので、間々胃を害するの虞れがありますから、私は第一にその有効成分せつしゆつちうしややくこしらにちくわいちうしやトこぶいうかうを折出して注射藥を搖へまして一日一回注射してゐますが、これは頗る有効でだいその、うかうぶんこんがうぢやうざいすなはす。それから第二には其有効分とカルチウムとの混合錠劑即ちカルアグレスないふくやく錠と云ふものが出來てますが、ぢやういできこれは內服藥であります。二六これにはひうやうげんきよくかうくわちういたーよくきんさいはちかしカルチウムは、肺の病竈を限局硬化して治癒に至らしめ、また喰菌細胞の力つよけつかくきんさつりつとうはいびやうちれうもつというかうを强くして結核菌を殺滅する等.肺病の治療には最も有効なるものであつて、Kヘンないぐわいしよたいかじつけんぱうこくつやまないちりさまれてこのよくいじんいうかうせいぶんできうやうこいくかはくそれで此カルチウムと薰良仁の有効成分より出來たカルアグレス鏡(小石川區はらまちきうせいやくゑんはつばおほとりつぎはうちしやだいにほんゆうべんくわいけんかうけんきうしやだいりぶこん原町救生藥園發賣、大取次報知社、大日本雄辯會健康の〓究社代理部)は今にちよいびやうないふくやくもつというかうおほせんもんかみなも0日肺病の內服藥としては最も有効なるもので、多くの專門家は皆これを用ひてを居ります。肺病の豫防法はいひやうまいなほびやろきしつがけいざいたなるす影響も多大ただ問『肺病は容易に癒らぬ病氣ですから、從つて經濟その他に及ほもみぜんよばうできひじやうけつこうでありませうから、若しこれを未然に豫防することが出來たら、非常に結構のおもことゝ思ひます。』三月

## コマ28

病氣相談十二ヶ月二八んび〓〓答『御尤のことです、肺病は身體の虛弱なる人、肋膜炎の恢復後、または度々風邪を惹くと云ふ様な人に多いものですから、斯樣の人はカルアグレス錠を常よ抵抗力を遍めれば大抵は豫防されますそれからず水摩擦や胸式呼に服用して、吸をやることなども大切の注意であります。また身體の弱き人や、肺の弱き人まには、特にこれを強壯にする方法もありますが、これは人によつて違ひますかコら.望みの人には身體檢査の上、詳しく〓へて上けます。』肺病の鑑別法問『肺病は初期に診察して治療を受くれば、早く癒るとのことですが、これは何處で鑑別して、吳れますか』どうしてするもので、答『醫者の方には、いろ〓〓の診斷法がありますが、確な方法は、喀疾中の結ん核菌を顯微鏡で檢査するので、これは一定の方法によつて結核菌を染めて見るこれは分}권のですが、然しこれは極初期では確であり、また菌が痰に出なければ駄目で33すから、此の場合にはビルケの反應と云ふものを用ひます。これはツベルクリ)う對照として、ンの原液、二五%のもの一〇%のもの等を前脾に塗抹し、唯少し傷けて置いて二十四時間若しくは四十八時間の後に檢査するに、'3身餘に結核が.3あると反應が起るが、無ければ反應は起らないで最も確實な方法であります。肺病專門の病院では何處でも此の診斷法をやりますが、私の處でもやります。』肺病の消毒法問『肺病は傳染病ですから消毒は大切のことゝ思ひますが、若し家に肺病患者があつたならば消毒はどうしたら宜しいでせうか』;答『消毒と云ふのは、つまり結核菌を殺しさへすればそれでよろしいのです〓が、一體結核菌は日光に對して抵抗力の弱いものですから、患者の用ひた衣服三月若し家に肺病患

## コマ29

病氣相談十二ヶ月三〇ちよくせつひつくわういうとくたんつままいにちくわいぜうどく夜具は、これを直接日光にあてゝ消毒し、またその痰壺は每日一回消毒したるのちこれせいけつあうすこしばかりみづ三九九六ようきようせうど!は後之を〓潔に洗ひ、少許の水を入れて再び用供するのですが、その消毒法のもつとかんぺんかかくじっまたんつぼなかにぎせんたくさうだいつぎつぼ最も簡便で且つ確實なのは、先づ痰壺の中に一握りの洗濯曹達を入れ、次に壺ほねつたノちうゆふたkじかんはするたん「折になるまで熱湯を注加して意を被ひたるまゝ」時間はど放置す痰はまつたようかいとうめいえきびやうどくすでしめつつく全く溶解して透明なる液となり、病毒は旣に死滅し盡してゐますから、それを便所の中なりへ放棄しても安心です。げすゐなかはうきあんしんたんつぼないぐめんめんふた下水なり、そしてその痰壺の內外面と蓋ねつたうもつせいけつあらこぼあひもちさうだたんかたまりようかいとは熱湯を以て〓潔に洗ふのです。此の場合に用ひる曹達は、痰の凝塊を溶解たもちそのぶんりやうもとめぶんりやうようつなかすくなする爲めに用ひるのですから、其分量は元より目分量で宜しいが、壺の中は少ふん〓んせつどいじやうをんどたもたこやっちくとも五分間、攝氏八十度以上の溫度を保たねばなりませぬから、若し痰の量おほ〆たつちそさうだねつたうくはが多くして八十度に逹せさる虞れがありましたら。曹達と熱湯とを加へたるのちたんつぼぐわじやうのとじせつたんせうどくせうこうすゐあるひせきたん後、痰壺を火上に載せて暫時煮沸するとよろしい。痰の消毒に昇汞水或は石炭さんすゐもちひよあんぜんさくこれらやくえきねんえき酸水を用ひる人があるが。これは安全の策ではありません。此等の藥液は粘液ぎやうこぎやうけつを凝固せしむる性質を有してゐますから、せこうたんくわいへうめんくわいちう痰塊の表面が凝結して、その塊中にびやうどくしたん、ぽとあつかひとせいすゐある病毒が死なぬことがあります。それから痰壺を取り扱つた人は.〓水にてじうぶんてあつのちさらはぜきたんさんすゐあるつばいせうこうすゐまつくわんぜん充分手を洗つた後、更に三十倍の石炭酸水或は千倍の昇汞水にて洗へば、完全せうどくもくてぎたつできふくいたたゝみこうたんふらやくに消毒の目的を達することが出來ます。また衣服、寢具、疊等に痰の附着したばあひほせきたんさんすゐそまヽかんさうはうちしか場合には、三十倍の石炭酸水を注ぎ、その儘乾燥するまで放置します、然しかちせきかうだんとうさいくわんじやこうちうひさんだえきはうまつく注意しても咳嗽、高談等の際に、患者の口中より飛散する唾液の泡沫によつびやうどくしつないさんらんおそぢうしやうくわんじやびやうてつまいちさて病毒を室內に散亂せしむるの虞れがありますから、重症患者の病室は.每朝さうぢ초せきたん んすゐせうこうすゐひたゞうきんまくうもとニさうぢ授はの他に想豫水または昇末水に浸したる雜巾にて枕元を救ひとかはいびやうくわんじやもちしよくきす·けんかうしやも)こんなければなりません。それから肺病患者の用ひたる食器は總て健康者の物の混どうこれこせうどくてぬぐひはんかちしきふるゐとうせんたく同せねやうにして、之を煮て消毒し、手拭、半巾、敷布、衣服等を洗濯するに三月三一

## コマ30

病氣相談十二ヶ月おほがまきんだすゐしやふつBBせんたくとうきやうしことは、大釜に曹達水を入れて煮沸してから後に洗濯するがよろしく、東京市の如しせうどくじよせうどくも0いべんりきにあつては、市の消毒所で消毒して貰ふと云ふ便利もあります。』第二章腹式呼吸呼吸の方法ふくしぎこきふはいびやうよばうほかしんけいすゐじやくゐちやうびやうとくかう問『腹式呼吸は、肺病の豫防となり、その外神經衰弱や、胃腸病にも特効があはうはふとうといくはく伺ひたいものです』ると云ふことですが、その方法等に說て詳しふくきこきふすわはらたはふとうしゅ〓〓ますわ答『腹式呼吸には坐つてやる法、立つてやる法等種々ありますが、先づ坐つてはらのすわたんしりやうひざつぽひらすゑやる法から述べると、座るには、男子は兩膝を狹めないで開いて据り、さうしあ.あはらしyあんちしりすここcapまつて、足を合せる、その上に尻を安置するが、尻は少し後ろへやる位にすると眞直に座れます。すわせ〓まつすぐすゐちよくあたま生ぼねうへあんちうでそれから背骨は眞直に垂直にし。頭は背骨の上に安置し、腕はかたさしたinひざへおだばしよど肩から下げて了ふ、さうして之を膝の上に置く、その置き場所は何處でもよろおからだすこうしゞんおちひろといつからだまゝつしい、さうして置いて身體を少し動かし、自然に落着く所へ身體を落着ける。はらまへだきふはじいきすはらふくかそれから腹を前に出して呼吸を始める。息を吸ふときは腹の膨れるやうに、且すこはちそと〓3みかたいきすあまきすここらつ少し腹の外より押して見て固くなるやうに息を吸ひ。餘り努まんで、少し堪せいしん其つつbysだだときはら腹が凹んで、たくさんかえて精神を落着け、それから靜に出す、出す時に澤山でなく可なはらくうきむねとほそとでしたはらせう〓〓のこだり凹んで、腹にある空氣が胸を通つて外へ出て、下腹には少々殘るやうに出だやはらはかたすこせいしんおちつすす、出したところで矢張腹を固くし、少し精神を落着けて、それからまた吸ふ초はらすこでおちつおまただすごきと前の如く腹が少し出て國くなる、ごと氣を落着けて置いて又出す、吸ふ時よりもちからいかながじよ〓〓ながだかんえう出す時に注意して力を入れ、ときちうい且つ長く徐々と長く出すことが肝要ですが、此のこきふごきよくやんたいていものぶぶ呼吸は極く〓〓極端までやらぬでもよい、大抵物は八分としてある.八分入れぶぶすうくわいくかへて八分出す、これを數回繰り返すのであります」三月三三三三

## コマ31

病氣相談十二ヶ月三四きふはなくちゝしつかへ問『呼吸は鼻からするのでせうか、それとも口からでも差支がありませんか』きふはなはないき答『呼吸はすべて鼻からするのです、くるひとくち鼻で息をするのが苦しい人は口からでもしかたしかきふぐわんういはなはず仕方がないが、やえ然し呼吸は元來鼻からすべき筈のものですから、已むを得ぬとはなすくちだいらすくちだきには鼻から吸ふて、口から出すのはよろしいが、口から吸ふて口から出すのよろな년いはなあなみちほそふかは宜しくありません。くうき何故かと云ふと、鼻の腔の道は細くて深いから、空氣がとほはいはひあたゝつめくうきキふは通つて肺に入るまでに溫められるから、こいた冷たい空氣を呼吸して肺を痛めることくちちよつとりぞつbはありませんが、かんはなゆそれを口からすると、一寸咽喉が冷たく感じます。鼻から行ながみちけつえきじうぶんかよをはやあたしさうちゐくだい途は血液が充分通つて居つて早く溫められる數置になって居くち口のはうなほあなとほだときはな方はさうではない、大きな腔をずつと通るのであるから、出す時には鼻からでくちよろすときかたんたはなすも口からでも宜しいが、い吸ふ時は必ず鼻から吸はなければなりません。かう云ぎふすしうすづかだなふわけですから、はらちから急に吸はないで、靜かに吸つて靜に出す、腹に力が無ければしあわできこゝろしうゐあひだちからっき靜にすることは出來ませんが。心して靜かにして居るには力が附いて來まいくくわいれんしふつかやあるひあまつか촛す。これを幾回も練習して疲れたところで止める、或は餘り疲れぬ前にやるのをんとぶじゆくれんしだいこんきしだが穩當であり、つまり八分ですが、これも熟練次第根氣次第であります』問『止めたときには、どうしますか』ややときいまかたはら答『止めたときにはどうするかと云ふに、止めた時には今固くした腹を頽さぬいままでじやうたいくうおそごとたあうひt)やうに、今迄の狀態を頽さんことを恐るゝ如くに起つ。さうして或は用をしてまたつくえついはらかたうしなっごも、又は机に就ても、その腹の固さを失はぬやうに力むるのであります。』立つてやる時の姿勢たふくしきこきふいふう問『立つて腹式呼吸をやるときには、どう云ふ風にしてやりますか』たこきふときしせだいじよしらたみ答『立つて呼吸する時には、姿勢が大事ですから、柱などによつて立つて見かんじしせたゞよろ十五あたませあし足からすつかり柱についしらて、各自の姿勢を正すが宜しい。即ち頭から背から三月三五

## コマ32

癖氣相談十二ヶ月三六なはなところしんといまつすぐたゞしせいて、成るべく離れた所のないやうに身體を眞直にする、これが正しき姿勢であしせいちるたゐへいぜいきっりますから、此の姿勢でもつて步きもし、立つて居るやうに平生氣を附けるがしかはしらよきふあしたゞこつよろしい。然し柱に倚りかゝつて呼吸をするのではありません、足は正しく骨ばまつすぐ盤を支へ、う、せきすゐとほゐもとせきすゐせいりてさすこぜんごその上に脊椎が眞直に通つて居る、固より脊椎は生理的に少し前後まがゐまつすぐこゝろおに曲つて居ますが、そのまゝ眞直になるやうに心がくるのです。かうして置いぜいちんごとはらだこきふあなができねゐて前陳の如く腹を動かして呼吸する、步き乍らでも出來れば、また寢てゐて居できさぜつきやうのちLはうふとんをのても出來ます。また座禪の時の樣に、後に尻の方に蒲園を三つに折つて乘つてあぐら胡座になつてやつてもよろしいのです。』效が顯はるればどうなる乎ふくしきこきふかうあらは顯れて來れば、しとにふうかはゆ問『腹式呼吸をやつて、效が身體はどう云ふ風に變つて行きますか』こきふご3gやうこゝろたべ、っきふはじする。答『此の呼吸は二六時中れずやる樣に心がけるのが大切で、急に初めて急にやほんとうサわんじおさ止めるやうではいけません、やらぬならやらぬ、やるなら本當に效果を收めるナけんかうひじやうかうくわまでやることをお勸めする。これは健康に非常によろしいもので、その效果のまほあらはちようこうびやうぎひとびやうき腹がだん〓〓固くなつて、はら顯れた徵候としては、病氣のある人は病氣が癒る。たんなひとぺんつうづ3,くよひよづっ)いたた便秘の人は便通がよくなる、頭痛の癖のある人は頭痛が癒る、肩の凝るのが癒まんせいたんせきひとなほいんこうわるひとやはりいんこうる、慢性の痰咳のある人は、それがだん〓〓癒、咽喉の惡い人は矢張咽喉がなどせうべんちかひとりういんおひとくらせつ癒る、それから小便の近い人であるとか、溜飮の癖のある人であるとか、關節いたくせひど十度ひとやままあるひねじわるひとべんきやうの痛む癖のある人、即ちリウマチスの人も矢張癒る、或は眠りの惡い人、勉强すとしんけいすゐじゃくなほゅなぽすると直ぐに倦む、つまり神經衰弱もだん〓〓癒つて行く、ですから、此の癒いとだもちろんびやうきひとさらそうよろると云ふことを土臺としてやるのであつて、勿論病氣のない人は更に一層宜しまをいことは申すまでもありません。』三月三七三七

## コマ33

病氣相設十二ヶ月三八腹式呼吸を禁ずべき人問『腹式呼吸は、人をして病弱より健康に趣かしむるとせば、何人がやつても差支が無いものでせうか』〓やうきが答『さういふわけにはりません、病氣によつては害になることがあります。广在卽ち急性の病氣、出血する病氣、脫腸などある人はやつてはいけません。ほんか、とうを云ふと、此の法は病氣に罹らぬ法であつて、病氣を癒すのは本能でなく副になつてゐますから、病氣のある人は、先づかゝり付けの醫師に就て、許を得てからやると云ふ風にしなければならぬのです。』婦人と腹式呼吸〓間『姑人も此の腹式呼吸をやつて差支の無いものでせうか』答『至極結構で、是非やるの必要があります、一體動物は勿論人間でも初生三八何人がやつて人間でも初生兒は生れながら此腹式、八釜しく云ふと胸臆式呼吸をする樣に出來てゐますおひ〓〓〓ひと〓〓が、人間の追々に呼吸の淺くなると云ふのは、一には文明が進んで來て、人々が苦慮することが多くなれる爲めに、一つは筋肉を使つて努力することが少くなれる爲めであります。一體婦人は呼吸が淺くして肺失呼吸になり易く、腹にあせ力が無いので、着物を厚くし、大きな帶で外から壓力を增す樣にしますが、西で腹を締めて、洋の女もコルセツト壓力を外から加へる樣にするが、此等は皆健れたりしま宜しからざることであつて、コルセツトを取ると眩暈がしたり、ゆす、それに腹に力が無い爲めに、ヒステリーなどにも罹り、またお產の時でも、腹壓の弱い女は難產をする、產婆が腹を壓してお產をさせるのは、足らなあんさんい腹壓を外から加へる爲めであつて、腹壓が强く、子宮の力が强いと無事安產をします。百姓や何かゞ、野や山でお產をして、自分で赤兒を洗つて、家へ連三月三九も、

## コマ34

病氣相談十二ヶ月かへいきカうひと〓〓しぜんふくしきこきふをれて歸るなど云ふことを聞くが、斯樣の人々は自然と腹式呼吸をして居つて、心配もせず、腹壓が自然に備つふくらつしそんゐたえうふくしきこきふて居る爲めであります。要するに此の腹式呼吸ちのめぐりしんちんだいしや さひけつさ.ひしん〓〓は血行をよくし、新陳代謝を盛んにするの必要であつて、それによつて心身のけんかう1、けつえき血液の殺菌力の働きはたらつよしまびやうき、健康を進めるばかりでなく、も强くなり、從つて病氣に罹すくなることも少くなるものであります。第三章試驗勉强の祕訣腦力の增進法つきけんづきなにこ大抵の學校の試驗月になつてゐますが、た、てがくかうべんきやう問『此の月は、勉强をするに、何かよらつなうりよくぞうしんはんよふい工風つまり腦力を增進する方法はありませんでせうか』がくせいじ答『學生時代殊に試驗間際の腦の使ひ方の如何は非常に腦力の發育に關任があだいことしけんまぎはのうつかかたひじやうなうりよきくわんけいなに何かよなうずゐほきんにんおなてきたうし15ゅさいげんなります。腦髓は他の筋肉などゝ同じことで、適當に使用して行けば、際限も無てうしようはふあやましんけいするじやくあるAく發達して行くものですが、ゆ若し一朝その使用法を誤れば神經衰弱と爲り、或がくげふもやうせいこうできこれら症に陷り、おやつは延いて〓學業も思ふ樣に成功することが出來なくなるが、此等なうしようはふあらまけつくししんけいがくたいかはつまり腦の使用法を誤つた結果である。神經學の大家ワイゲルトだとか、エいがくしやびやうきせうがうせつせつめい十五すバしんたいージングルなど云ふ學者は病気を消耗說によつて說明してゐる、即ち總て身體の病氣になるのは營養が足りない結果.ひやうきえいやうたけつくわ血液の循環が惡くなり、けつえきじゆんくわんわる萎疲したる處ゐひところばいきんよつせいしつゞいかもことしんけいけいとうびやにきなうに黴菌が發生して疾病を釀すものである。殊に神經系統の病氣にあつては、腦なうやしたえいやうふそくあるひきうちういたあだかきんにくならば脳の養はるゝ營養の不足或は体養と云ふことが足らないと、恰も筋肉がくわらうせうまうやろゅたうずゐまたせうがうしんけいするじやく過勞すれば消耗して痩せ衰へて行くと同じやうに、腦髄も亦消耗して神經衰弱のうしゃうがいあるひたうきおここう云ふのでありまとなり、或はヒステリーとなり、腦の機能障族を起すと、え)にいずしあたまつかえやうじうふんとじうぶんきうやねす。要するに、人間が頭腦を使ひ、營養も充分取らず、充分に休養もせずに寢三月四

## コマ35

病氣相談十二ヶ月四二ねべんきやうる眼も寢ずに勉强すると云ふことは、たんじかんとかぐまなが短時間ならば兎も角も。餘り長くなるとたうせうがうはたたる户じうぶんがくせいしけんべんきやうときしうかん腦が消耗して働きが不充分になります、學生が試驗勉强をする時に、一週間もねじぶんなうこうふんじやうたいゐしうかんかぐらゐど寝ずにやる、その時分は腦が興奮狀態になつて居るから、一週間や十日位は續あとなうつかひ)とんしけんときおほこと〓〓くけれども、その後で腦が疲れて疲勞を感じ、試驗の時には覺えたことは悉くわす1/2きなうひらうのこふう忘れて了ふ、歸するところは腦の疲勞のみ殘ると云ふ風になります。』最も有効なる腦の使用法いふうべんきやう間『それではどう云ふ風に勉强すれば、よろしいでせうか』たいなうせきゃゐ可なりに抵抗力が强いもので、ていかうりよくつよことがくせいじだ答『一體腦脊髓と云ふものは、殊に學生時代のはついくきたいうふんきたちはながべんきっうできし發育期に於ては、興奮期にあれば大分長いこと勉强が出來ますが、强ゐてやつたんうたまこわさい.くわいふくへいそきりつて一旦頭を壞すと、それが容易に恢復しなくなります。ですから平素より規律てきべんきゃうしふくっんおまいにちくすうじかんじかんきべんきや的に勉强する習慣を附けて置いて、每日々々數時間づゝ時間を定めて勉强し。ぽくがくもんナいふうなうレぜんなつよ一步々々學問を進めて行くと云ふ風にすれば、腦も自然に慣れてだん〓〓に强きしけんゃばりこのしふくわんまもてきたうぺんきやうくなつて來ます。試驗になつても矢張此習慣を守つて、適當に勉强するので少し休養してまた勉强すると云ふ風にして、きうやうべんきやうふうきうやうすゐみんだす、休養には睡眠は第一步ですかじうぶんするみんひつえうひとこきうやうじかんをら充分に睡眠さることが必要です。人によつては此の休養時間が惜しいやうにあんぶゐひとたふぶつかあたまむちうかへ考へて居る人もあるが、それは間違ひであつて、疲れた頭に鞭打つては反つてひらう훗きからできすこきうやうづめいせき疲勞を增すばかりで記憶も出來ぬが、少しく休養すると頭腦が明晰となつてべんよやうできゆゑこきそくたゞぺんきやうてきぎきっやういどん〓〓勉强が出來る故、此の規則正しき勉强と、適宜の休養をすると云ふこよにひけつとは何よりの祕訣であります。』勉强時の食養法べりきやううたうよけいつかじうぶんえいやうあ問『勉强するときには、頭腦を餘計に使ひますから、充分營養を與へるやうたくさんじうとはうに、澤山滋養を攝つた方がよろしいでせうな』三月じうぶんえいやうあ充分營養を與へるやう

## コマ36

病氣相談十二ヶ月四四たづごとあんぶもつゐひとたくさんがくぜいぎうにく答『御尋ねの如き考へを持つて居る人が澤山あつて、學生などは牛肉をウンとくれひじやう"ちがいわれ〓からだ喰ふなどは、よくある例ですが、これは非常の間違ひです、一體我々の身體にづなうつかづなうあつまけつえきい働くところに集るもので、あつまある血液と云ふものは、頭腦を使へば頭腦に集るものゐあ、またくさんものねむけつえきゐはうし。物を食べれば胃に集る。澤山物を食べると皿くなるのは、血液が胃の方にあつまづあつはうすくなたいまゝくさんじやうぶんと集つて、頭腦の方が少くなつた爲めであります。それで今澤山滋養分を攝るけつえきしじょうはうしふちうかんじんづなうはうすくなと、血液が始終胃の方にのみ集中して、肝腎の頭腦の方には少なる、つまりはたらにぶゆゑしけんちうまとうくわよあまたく働きが鈍くなると云ふ風になる故、試驗中は成るべく消化の良いものを餘り澤さるとはうはたらすくなじうぶんようはたしげんすく山攝らずに、胃の方の働きは少くして、充分腦を働かせる、さうして試驗が過えんほぼぎういんばしよくつかなうなぐさひつえうぎたならば、今度は大に牛筋馬食して疲れた膿を慰めると云ふととが必要であ大七味なうきのうがいまいにちかならべんつうります。それから便秘は腦の機能を害するものですから、每日一度は必ず便通ちういのあるやうに注意しなければなりません。』四月第一章第一章神經衰弱神經衰弱とは何ぞやちごろしんけすちろくことばきしんぶんみしんげい問『近田神經衰弱と云ふ言葉をよく聞くばかりでなく。新聞などを見ても神經するじやくんもんくわうこんたくさんたいこびわうきほんたい衰弱專門の廣〓が澤山ありますが、一體此の病氣本態はなんでせうか』しんけいすゐじゃくなごとしんけんするじやくもつとしんけいすゐじやくけん答『神經衰弱とは、その名の如く神經が衰弱したのです、尤も神經衰弱にも健かうせいりきやうてきわやすせつ康つまり生理的のものと、病的のものとあります。これを判り易く說明してふわれ〓んそくやまのぼあるひちからっざどならひう見ると、我々が遠足したり、山に登つたり、或は力業をしたりすると必ず疲勞四月四五

## コマ37

病氣相談-四六せる質する.然し此の場合に於ける疲勞は生理的ですから、いくら長くとも二三日もは休めば元の通りになるが、神經衰弱の人即ち病的のものは、その疲勞は幾日經に出合して戦〓しつても癒らぬ。それから勉强するに、非常に六づかしいことなければならぬ、或は非常に不愉快なことがあつて激〓すると、云ふ塲合には腦力が疲れて、總ての判斷力も滅じて來る場合もありますが、これは生理的です()か、から、一定時を經れば恢復するけれども。神經衰弱に罹つた人は、かういふ場ほつ合に出合した時には何時までも疲れが取れない、恢復する方法を講じても疲れか、が取れないと云ふのは、神經衰弱に罹つた證據であつて、本病は殊に四月頃に多し、その症候は肉體に現はるゝものと、精神に現はるゝものと二つあります。』肉體的の症候間『それでは先づ肉體的に現はるゝ狂候から何ひませり』答『肉體的の症候としては、先づ視力が弱り、耳が鳴る、味覺に錯誤がある、知覺に異常を呈する、殊に疼痛がある、それから頭痛がする、これには頭の全か、部痛むものと、偏頭痛と云ふと頭の幾分痛むものとあります。頭が重い、肩が凝る、消化不良胃衰弱を起す、尿の成分に變化を來す、動悸が亢くなつたり、心臟部に痛みを覺えたり、時として息苦しくなることもあり、眩暈がし早ネームたり。反射機能が亢進したり、生殖機能の障害即ち男子には勃起力不充分、渥遺精.夢精等を來し、女子には主として不感症即ち快美感の減退を米して來る。錘眠は始めの間は眠くて〓〓いくら眠つても寢足りないが、その間に今と一度はどうしても眠られなくなる、寢附きが惡い、床に入つて眠やうとすると、とき〓〓と:は、ばんかんこも〓〓どうしても眠られない、時々時計の鳴るのが聞へる、煩悶し始める、萬感交々四月

## コマ38

病氣相談十二ヶ月四八ます〓〓め胸に集つて、益々眼が冴へて來ると云ふ有様であつて、どうかして漸く眠りにね、就いたかと思ふと、直ぐ眼が覺めて又眠られない、また眠つて居る間も決して熟眠が出來ないで、夢ばかり澤山見て居る、その癖晝になると、コクリ〓〓居眠りばかりして眠くて〓〓仕樣がない。それぢや一と寢入りしやうがなどゝ橫홋になると、今度はどうしても眠られぬ、每度これには弱らせられる。·まミそれから殊に困るのは、作業不能と云つて仕事が出來なくなる、その始めは唯無暗に疲勞の感が起る、實際疲勞したのではないが、唯何となく疲れた氣が甚しきは何かする、仕事をするとか、歩くとかすると。これ位働いたから疲れつ.る筈だ、こんなに步いたから疲れるのも無理が無いと、その實は未だ少しも疲れては居らぬが、自分で疲勞を拵える。丁度老人が無暗に隱居がると同じやうなものですが、さうかうして居るうちに、今度は全く仕事に堪へなくなる、步けば腓腸が痛くなり、本を見れば眼がかすむ、物を考へれば頭が痛くなる、物iを食へば腹が張ると云ふ風で、全く仕事に堪えなくなる。そして頭の工合が少し惡ければ腦病だとか、胸が痛ければ肺病だとか、自分で自分の身體に故障を〓つけて、それが如何にも重症のやうに考へられるのが常であります。』精神上に現るゝ症候問『次には、精神的に現はるゝ症候に就て、一と通り伺ひたう存じます』答『精神上に現るゝ症候は、一と口に云へば精神的作業の不能で.記憶が減退は はだする、甚しきは親友の名前も忘れ。僅かの數の暗算も出來なくなる、二三日前わ.に會つた人の顏も忘れ、總て日常の簡單なる用事さへも辨じなくなる、例へば葉書を書くとか、電報文を認めるとか云ふことさへも出來なくなる。また物事に倦惰を來し易く、僅かの事でも終ひ迄仕遂けることは出來なくなる、少く休四月

## コマ39

病氣相談十二ヶ月五〇息すれば恢復するが、またやり出すと直に倦きて來ると云ふ有樣で、一本の手紙さへ滿足に書けなくなる。それから精神の集中力が無くなる、例へば書籍を讀んで見ても、精神が集中しないから.直ぐ外の事を考へる、新聞を讀んでも一段の記事は最後の二行仕しか記憶に殘つて居なくなり、の一また理解が出來ない位になる。それから意志が薄弱になつて、常人には極めて平凡のことであつても、それが判斷がつかず、今の瞬間に或る一事を決定したと思ふと、其處に一じしん〓よく寸他人の話を聞くと、直ぐに決心を飜すと云ふやうな有様であつて、自信力と1·云ふものは全く無くなつてたまふ。それが進んで來ると今度は失望と云ふことがしやう〓〓現はれて來るが、これは一番危險な症狀であつて.彼の厭世觀とか何とか理由れ ぢうきやうはくくわんねんの分らぬことを云つて自する連中には此の種のものが多く、また强迫觀念など云ふ面白い症狀しやう〓〓を發することもあります。』無暗に顏を赤くするは强迫觀念問『神經衰弱も隨分恐しいものですね。それからその强迫觀念と云ふのは.どんな風になりますのですか』血Eb答『强迫觀念と云ふのは、或る一つの考へに囚はれると、どうしてもそれを心から離すことが出來ぬもので、それにはいろ〓〓あります。例へば臨場苦悶とcho云ふて、〓室の樣な所にはどうしても居られぬものや、深い所高い所を恐れ当るもの、戶締りや何かは何度も見なければ氣が濟まぬと云ふ念恐怖、或は疾けつぺきとうしゅ〓〓病恐怖、潔癖等種々の症候を呈するが、最も多きは赤面恐怖、或は赤面症と云いつて、人の前に出ると顏が赤くなる症で、赤くなる理由はないと、充分知つてゐながらも、矢張赤くなるものもあるが、此等も無論適當の治療によつて癒ります。』ど四月

## コマ40

病氣相談十二ヶ月五二婦人にも神經衰弱があるふじんやはりしんけいするじやく間『婦人にも矢張神經衰弱がありますか』ろんしろうとんけんすゐやくをとこびやうきをんよびやうきこゝろ答『無論あります。素人は神經衰弱は男の病氣で、ヒステリーは女の病氣と心えゐけをとこ碍て居るやうですが、決してさうではありません、男にもヒステリーがあるとおなきもんよしんけいすゐンやくをんなしんけいるるやくをとこはる同じで、女にも神經衰弱があります、女の神經衰弱も男のそれと似て居ますをあたまおもいた=つけいふじっんかんしやうが、殊に頭が重かつたり、痛んだりして、月經が不順となり.不感症となり、けつくわばうじげんえんいたかてふわきたその結果房事を嫌厭するに至り家庭の不和を來すに至ることもありますが、これらけてしやう〓〓みなてきたうぢれうぜんじ此等の總ての症狀は、告適當の治療によりて全治するものであります。』神經衰弱治療の根本義おはなししんげっすゐじやくほんたいたわかな問『御話によつて神經表弱の本態や何かゞよく判りましたが、これは一體どうたほすれば癒るものでせうか』五二なこれは一體どうしんけいすゐじやくちれうはふひくちいげんいんさしんけいきうさう答『神經衰弱の治療法は、一と口に云へばその原内を去つて神經を强壯にするおもくななほわれ〓〓とこつと云ふことで、かくすればどんな重いものでも苦も無く癒ります。我々の處にたすうしげいすゐじやくくわんじややうすみたいていせいねんくわはんし、いんくわ來る多數の神經衰弱患者の樣子を見ると、大抵は靑年で、その過半は手淫を過どたしんけいいたたはとううたたるかゐおほ度にやつた爲めに神經を弱めたものと、他は肺尖加答兒に罹つて居るものに多さいじやうきまんいゐちやうびやうかをいのですが、三十歲以上になると、また奇體に慢性胃腸病に罹つて居り、またさいいじやうもつしよくげふじやうおほげん三四十歲以上の者になると、職業上から來るものに多いのですが.かうした原いんしんけいすゐじやくきしいしわう〓〓きたい因から神經衰弱が來たことを知らず.また醫師が往々にしても氣付かずに、唯けつくわしんけいすゐじやくてあいかうくわあがての結果であるところの神經衰弱の子高ばかりしてゐるのですからむりよろゃでやうげんさかのぼいはゆるげんいんれうはふぬのは無理がありません、宜しく病原に遡つて所謂原因法をすべきで.さけいすゐじやくおちつつちれうでくわんじやちつんせんもんかちううすれば神經衰弱が自から治療が出來るので、これは患者は勿論專門家も注てん意しなければならぬ點であります。』四月

## コマ41

病氣相談十二ヶ月五四神經衰弱は苦も無く癒るしかしんけいゐじやくか、いしやちれううよういなほ間『然し神經衰弱に罹つて醫者の治療を受けると、なか〓〓容易に癒らぬのはどういふわけでせうか』まつたとほせんもんかかるけうぜう〓〓おもはんとし答『全くその通り專門家にかゝつても輕いものは一ケ月、少々重いのは半歲。ぢうしやうna aなはたいしんけいすゐじやくいいしや重症であると二年も三年も癒らぬことがあるが、一體神經衰弱と云ふと、醫者けじながきゐたにちちやうあらによつては初めから長いものと決めてかゝつて居り。唯その日常現はれるとこしやう〓〓ちれうゐながげんいんさつろの症狀のみを治療して居るから長くかゝるのですが、よくその原因を察してげんいんの光どうじしんけいきやうさうやくもちけつなが原因を除き、同時に神經密壯藥を用ひれば決して良くかゝるものではありませわたくし、じつけんカるしうかんねんごししうかんねんん、私の實驗によると.輕きものは一週間、二三年越のものでも二週間、十年わづらゐいげつみたなほしまやうも是つて居ると云ふものでも一ヶ月もかゝれば皆癒つて了ひます。この樣なもしんけいきやうさうざいえきにちくわいあるひくわいちひかうしやしんけいトゐじやくのには神經强壯劑なるミナ液を一日一回或は二圓皮下は対するので神經衰弱五四よういなほなか〓〓容易に癒らぬのはもつとおほべいこくさかしやうようはうはふわたくしこたくさんの最も多き米國で、盛んに賞用する方法でありますが、私もこれに就て澤山のじつけんれいさんかうたさいきんおもしろれいあみ實驗例があるが、參考の爲めに最近の面白き一例を擧げて見ませうくわんじやさだんしよねんぜんしゆいんばうかうたいんゐつきりよくふくわんぜん患者は三十躰のの子ー餘年的より手法を行の爲め陰業とより勃起刀かうぜつしょんえひとまでかほちかすなはせきめんしやうて交接を營むことを得ず.人の前に出ると顏が赤くなる、即ち赤面症ですおかわしゆ〓〓ちれううさくねんらいぼうせんもんたいかちれうちうすふよが、十年間種々の治療を受け、昨年來某專門大家の治療中なるも少しも快くあがい然るに最近結婚問題しかもなかつた。が持つ上つたので、これではならんと云ふのわたくしといちきよかつじやうじゆんえきにちくらいゝ注射すること七で、私の處に來たのは三月の上旬、ST液を一日二回づかぼつきりよくおるいうくわくあそくわんぜんもくてきたつじ日、勃起力が起つたので.遊廉に遊んだところ完全に目的を達したので、自しんりよくできみあひつひけつこんrescribedいやつわたくしというき信力が出來て見合をなし.遂に結婚した、本店舗(五月に私の處に來Isかけねんらいしくあだんゆうかていゑんまんえおほいかんしやか、て、御蔭で十年來の宿痾が全癒し.家庭圓滿なるを得たと大に感謝して歸つこのくわんじやちれうにつすうしうくわんちうしやくわいすう,わうたが、此患者の治療日數は週間注射回數は二十一回である。四月五五

## コマ42

病氣相談十二ヶ月五六外にも此の樣な例が澤ほかこうたくさんふつうにちくわいちうしやそく山あります、普通は一日一回の注射でよろしいが、速かうのぞばあひにうくわいちうしやたいしんけんすゐじやくちうしややく效を望む場合には、一日二回注射するがよい、一體神經衰弱の注射藥と云ふおっちゃくわいすくなゑんたまゑんぐらゐこのくすりと、高價のものばかりで、一回少くも三圓、多きは十圓位であるが、此藥はそかうかひととくしよくもちよくせっちうしやうんなに高價でないのも一つの特色である。それから若しまた直接注射を受くるあたひとあてつふくよう(小石川區原町こはらまちきうせいやくゑん能はざる人は、カルビタミン錠を服用するがよろしく救生藥園はつばいレoりんさんとうふくゐしんけいすゐじやくきやうさうやく發賣)これは三種のヴヰタシン、燐醉等を含んで居て、神經衰弱の强壯藥としもつといかうもちろんちうしやともふくようては最も有效なものであります。勿論注射を受くると共に、これを服用すれそうかうくわいちじるきば、一層その效果が著しくなつて來ます。ちょししんけんすゐじやくやはりどうやうれうぢとくふかんしやうすなはくわいび女子の神經衰弱も矢張同樣の療治でよろしいのですが、特に不感症即ち快美かんけつばふしやうちうしやき感缺乏症には、ゲネグランドールの注射がよく利きます。』第二章第二章頭痛頭痛の種類は38きめもでころづつう問『春先きになつて木の芽が生え出る頃になると、よく頭痛がしますものですたが、これは一體どう云ふわけのものでせうか』づづうしゆるゐふつうづつうあたまおさ答『頭痛にもいろ〓〓の種類があります。普通の頭痛は、頭を壓へるとか、まあたまたずれ存あんまもはちまきすこたは頭を叩く即ち按摩するとか、揉むとか、鉢卷するとかしますと、少しはらくおさた、か、いた樂になるものですが、若しそれが壓へたり、叩いたりすると反つて痛くなるやなうなうまくびやうきとくやかんづつううでしたならば、それは腦か腦膜に病氣があります、また特に夜間に頭痛が長うばいどくうたがひしくなつて來るやうでしたならば腦黴毒に疑を措かなければなりません。それすこてんきぐあひわるあたま<いひとずんだづCaseから少し天氣工合が惡くなると、すぐ頭に來ると云ふやうな人、即ち頭痛持ち四月五七痛づつうよく頭痛がしますものです

## コマ43

病氣相談十二ヶ月五八づつりもつとおほしんけいすゐじやくふじんびやうゐちやうびやうめの頭痛は最も多いものであつて、神經衰弱、ヒステリー、婦人病、胃腸病、眼ごきんが(大阪)とあめがもちゐなどおこしんけいせい殊に近限等で度に合はぬ眼鏡を用ひて居るとき等に起るもので、それも神經性づつうふつうあたまいたたいていこのしゆづつうの頭痛と云ふて、普通頭が痛いと云ふのは、大抵は此種の頭痛であります。』頭痛の療法なづつつたくさんしゆるゐしたがむろん問一成るほど頭痛と云ふても、澤山の種類があるものですなあ.從つて無論それうぢしかまちぶきの療治の仕方も達つて來ませうな』やうじうけつせい3)か好すこあかのぼ答『左樣充血性の頭痛のときには顏がほてつて、少し赤くなり、逆上せるやうきみがんけんほんてん古在こんあかみあかな氣味があり、眼瞼を飜轉する.即ち俗に云ふ赤ンべをして見ると赤くなつてふうづつうまくらたかねあたまゐますから、かう云ふ風の頭痛のときには.枕を高くして寢る、さうして頭をひうめぼしそくかうしはながこめかみはひと冷やすとよろしい、梅干や即效紙または薄荷なとを劃類に貼る人がありますたせうかうちたまもひんけつせいが、それも多少の效があります、また頭を揉んでもよろしい、それから貧血性したがむろん從つて無論そづつうかほすこあをじろあかあかの頭痛のときには、顔が少し蒼白くなつて、赤んべをしても赤くない。かういまくらひんあたまあんてふゆけいとせいふときには枕を低くして、さうして頭を溫めるとよろしく、冬ならば毛絲製のばうしかぶゐあたまた、も帽子を被つて居るなどもよろし、ひじやうそして頭を叩いたり、揉んだりすると非常にきもちよう何れにしても通じのあつう。ひと氣持の良いものであります。つうそれから頭痛持ちの人は、やうそして何性の頭痛に限らず、っつうかぎる樣にしなければなりません、アンチピリンか、とんふくアスピリンを〇、五頓服するがよろしい。』第三章ニキビと其治療法はるさこで問『春先きになると、くすりもちようい殊にニキビがよく出ます、いろ〓〓藥を用ひても容易になほ何か妙藥はありませんでせうか』めうやく癒らぬものですが.ふうさいさいごろせいねんだんしおよ答『ニギビは普通七女、高より二十五歲頃までの青年男子及び女子ぢよしはつお主四月五九お主

## コマ44

病氣相談十二ヶ月六〇がんめんはぜんがくはなほうあごとうことおほすなはぼうしんせんもに顏面に發し.前額、鼻、頰頤等に殊に多いものであります。即ち帽針尖ないしとうだいせうこくてんあらひしせんこうちそくはう乃至頭大の小黑點を現はし、これが皮脂腺口に致して居り、これを側方よりあつちうやうしばうせいくわいはくしよくさいせうせんそくでき壓すれば、蟲株の脂肪性の灰白色の細小なる栓塞が出て來ます。ひしせんそくできつねけきけんあ)よせんできおニビビは皮脂の於表して山來るるのですからが七七歲·洗滌してぐすりたくさんもつというかう公司郎くとよろしい、塗り藥は澤山ありますが.最も有效なるはアクトール區原町一二五救生藥園發賣小八十錢大一圓五十錢ハ送料何れも十六錢)くけらまちきうせいやくるんはばいせうゑんで、これゐたなほにちくわいぐらゐゐどんな頑固なものでもかまを一日二回位塗つて居ると.忽ち癒ります。』第四章齒痛の療法ははいたおうきふてあてうか問『春先きには、またよく齒の痛むものですが、これの應急手當を伺ひます』はいたいみなむしばいたこんぢしくわいつは答『齒の痛むと云ふのは、告齲齒の痛むのですから、根治には齒科醫に就て歯しんけいこうもらかてんじうb3の神經を殺して貰つて、そしてそのウロをセメントなり外のもので塡充して貰いたおうきふてあてざつしめんひたふと痛まなくなりますが、應急手當としてはクレオソートを脫脂綿に浸してウ13こはうしやくすりやくっやきはいはうしやロに壓し込むか、または硼砂(藥屋にあり)を黑燒にして(灰ならしに硼砂をおやき戴せて火にかざして置くと、間もなくそれが燒けて來ます)それを齲齒のウロたちまいたとにつめると、忽ちその痛みが除れます。』第五章第五章散步の健康的價値地の健康的價値われノ〓ぜんようしぜんおんけいよくけんかうぞうしん3%き問『我々が自然を利用し、自然の恩患に浴するのは健康を增進するの途と聞いときあだかやうしゆんはなわらとりふたかうンせつもつとかうぐわいさんぼてきたうるてゐますが、時恰も陽春花笑ひ鳥歌ふの好時節、最も郊外散歩に適當して居ましぜんうちまちけんかうおよかちついウルキすから、自然の中先づ地の健康に及ぼす價値に就て伺ひたいものです。』四月六一

## コマ45

病氣相談十二ヶ月六二B〓われ〓〓答『地は萬物を生育し繁茂せしむるの母であります、我々は地の惠みによつて生育せる植物より潜勢力を取つ一活力となすものであつて、地の吾人の生活にだよre及ほす力は頗る偉大なるものであります。諺にも弱い兒には土いぢりをさせよ〓、と云ふてある、また地に親しむ子供は總て丈夫であると云ふが、それは甚だ道理のあることです、だからして往來を畊足で步くことは禁ぜられて居るにしても、執務に或は勉學に氣倦み神經が疲れたならば、跣足で庭に下りて靜かに地たび〓〓上を漫步し、足で地をいぢることを度々やるがよい、試みに衣服の裾を捲き上〓げて一寸跣足で庭に下りて見ると、足の底が地に着くと同時に、全身が一時に引き織つて元氣が新たになる、下駄を穿いて庭に下りたときとは丸で別な感じをするであらう。されば跣足になつて園藝をやつたり、土俵を築いて相撲を取まいあ、これから每朝冷へた土を踏んで散歩したり、15つたり、海岸の水際を步いたり、あふこくす夕刻素足で水撒きをやるなど、つまり田園生活、緩て地に親しむことは、を增進するに適して居るのであります。500足袋既足又は草履穿きで戶外の散步をするもよろしいが。それは跣足ほどのは效能はありません、然しそれでも地に親しむ日的の幾分は達せられる、素足に草履穿きは尙ほよろしい。』とき〓〓わはた、}また時々は野や山や河邊に出て、短い芝草の上に全く身を橫へて休むのも、とき〓〓これまた地に親しむ一法であります。散歩は殊によろしい運動ですから、時々かうぐわいうき郊外に出かけ、或は川端に、或は芝生の上に身を橫へ、頭を橫にねかして見う又時には仰向けになつて大地の上から無極の大空、よ.無邊の浮雲を眺むるともなしに眺めて見よ、新しき活力が地下より體內に浸み込むを捕切に感ずるでありませう。』四月緩て地に親しむことは、健康月

## コマ46

病氣相談十二ヶ月六四散步は最もよき運動さんぽもっとけんかううんどうはなしこ、いますこうけたまは間『散步は最も健康によき運動とのお話ですが.くはこれに就て今少し詳しく承りたいものです』たいまかういたすうきんにくきょうどうくわんわうんとう答『一體步行と云ふものは、ほど多數筋肉の共同緩和なる運動であつて、ぜん殆んど全しんぎんにくいじやうはたらうんどう身筋肉の五〇%以上を働かすものであります。じやうたきんにくそしてその運動の狀態は、筋肉しうしりくしちやう十五おちきうそくくわんけいきはせいてうてきかうた、の收縮と弛張、卽ち動作と休息との關係が.なが極めて整調的に交代するので、長ほかうわりあひひらうまかつけんかうじやうちよき歩行も割合に疲勞せざるものであります。かうくわまた歩行の健康上に及ぼす效果とだしやくけっきうるよはくけつきうあずぞうかだいこきふかおおよふかしては、第一に赤血球及び白血球の數を增加し、第二、呼吸の數及びその深さまだいしよくよくかうしんゐえきぶんぴつたかちやうううとう子を增す、ちやうないけつ第三食慾を亢進し、胃液の分泌を亢め、腸の運動を强くし、腸內の血かうおよかんざうけつかうよたんじふぶんびつそくしん行及び肝臟の血行を良くし.だいほねおよきんにくまた膽汁の分泌を促進する。第四、骨及び筋肉のはついくたすひふはいとうきのうぞうよんざよう十五花發育を助け、けつえきおよまた皮膚の排泄機能を增進するの作用がある、じりん即ち血液及び循六四こ、いますこうけたまはくはこれに就て今少し詳しく承くわんぎきふきうくわざうんどうきふとうた、すこぶりやうかうさようてい環器、呼吸器、消化器、運動器、皮膚等に對して頗る良好の作用を呈するものこれらみながくもじやうしようめいできまかうウであつて、此等のものは皆學問上に證明の出來るものであります。步行は斯くごとけんかうぞうしんからKhよろこときよじやうなうの如し健康增進に效がありますからして、誰がやつても宜しいが.殊に居常腦ふかひとしんけいすゐじやくひとゐちやうびやうしやこきますよわひとざげふしやつねのも)を使ふ人、神經衰弱の人、胃腸病者、呼吸器の弱き人、座業者、常に乘り物にのゐひとひつすりかくけんかうぞうしんはふばかり乘つて居ると云ふやうな人には.必須缺くべからざるの健康增進法であります。』散步の實行方法なかつすこぶいうかうわれ!とくついぢう問『成るほど步行は頗る有效なものですが.我々都會に住するものは.これをおついきくわいこまかんたんじつかうはうはふ行ふの機會がありませんで困ります、どうか簡單に實行する方法はありませんでせうか』さやうちはうぢうひともと둣かううんどうとく答『左樣、地方に住する人にあつては、元より歩行運動を特にしなければなら四月六五ちはうぢうひと地方に住する人にあつては、月もと둣かううんどうとく元より歩行運動を特にしなければなら六五

## コマ47

病氣相談十二ヶ月六六ひとたくさんだいとくわいちてひとぬ人は、しめ〓〓くわんさう澤山はありますまいが、大都會に住する人にあつては、種々の關けいしげんまかうきくわいすくな1/2とくわいぢう係よりして、自然歩行をする機會が少くなりますから、特に都會に住する人はひとじつかういかニじつかうこれを實行しなければなりません。いそれでは如何にして之を實行するかと云ふもとざうさすなははゆうつとひとでんしやのに、元より造作もないことです、即ち所謂勤め人にあつては、電車に乘らずにあるかたでんしやのぶんけやうちでしない步いて通ふ、電車に乗るときよりも三十分も早く家を出れば市内ならば何處へどこゆゆ、とまなかへかたみちでも行かれます、ある歸りにもまた徒步する、さも無くば歸りの片途だけでも歩ごはんうにあんみんできヂだいびやうしんけいすわじやくこうすると御飯も旨く、はいけつかくどく安眠も出來、現代病たる神經衰弱や、肺結核の如わたきさらにちえうきうじつとうきは願つても來ません、9ようかたんもんちいう更に日曜.休日等を利用して家族若しくは二三の知友かうぐわいヽとうと、こさらなと郊外に散策を試みれば更に可なりです。でんしやのい若しまたどうしても電車に乘らなければならぬとこんふであつたなひとあさ朝はやるさんぽあざといくまさんぽじ早く起きて散歩するがよい。かんない朝は迚も忙しいから散歩する時間など無いと云ふひとちさねばう、そがむえきよから人もありませうが、これは朝寢坊するから忙しいのである。無益に夜更しをせはやいはやおききんとじかんぐらゐいまやうてうさんぽずに、夙く寢ね早く起れば、散步の時間位は優にあります。況して早朝散步のかうゐだいたうていぎこうてきじんこうてききそくてきいうぎみでき效の偉大な事は、到底技工的、人工的·規則的の遊〓などに見ることの出來ぬものであります。いまじ13 'ふくわんあらたじおあひだじかんね今まで七時に起きる習慣を改めて五時に起きると、その間の二時間は眠つてをじかんま にちこれさんぽもちできにんごんぐわんらいあさひ居つた時間であるから、每日之を散步に用ひることが出來る、人間は元來旭とともおいあさはやおしんせん(八五なかせうえう共に起き出づべきものであります。朝早く起きて新鮮の空氣の中を逍遙すれおのづかしんこきふ從つて何々式の呼吸法などゝ六づかしいこしたがきふはふば、自ら深呼吸をするやうになる、ふひつえうつゆおみどりさうもくさかきとは〓せいーよくきよとは不必要です。露を帶びた綠の草木は盛んに酸素を呼いて吾人に勢力を寄與しうれいび秀麗日に新たなる大たいしぜんくちんぎもうごじんむかたんやうもつわんせついする、自然は歡喜以て吾人を迎へ、端容以て吾に接し、云ばんこくゐけさもたら1:まんじぐわんたいあつは,あひだはずして萬斛の慰藉を齎し、動かずして萬姿の歡待を現して呉れる、此の間に四月六七

## コマ48

た病氣相談十二ヶ月はんちんな¥わく六八なまた何等の立つては煩悶も無く、ふな疑惑も無く、たゞくわつりよくしん〓〓みみかん不平も無い、唯活力の心身に充ち滿つるを感ずるのみであります。あくねほうひとあさつとはやおふ朝寢坊の人よ、きんきんはみかうぢんばんぢやうだいとうきやう一朝努めて早く起きて附近を散步して見よ、ウチホこれがあの黄蘗萬丈の大東京かと疑はるゝほどの消潔と、せいけつかん世さうくわいあげたん閑靜と、爽快とを味ひ得るでありませう。五月第一章第一章冷水摩擦と冷水浴此月より實行すべき健康法おひ〓〓あつめぼき問『追々暑さを覺ゆるやうになつて來ましたが.ここさきじつかうけんかうはふ此の月より實行すべき健康法には何がよろしいでせうか』まれいすゐままつれいすゐよくもつとはうはふ答『いろ〓〓ありますが.先づ冷水摩擦に冷水浴などは最もよい方法でありましかけうはふじゆんじよちういかくヾつかうくわみとす。然しこれはその方法や順序に注意しませんと、格別の效果を認めぬことにはうはふちういいたいけつちういなりますから、よくその方法に注意すると、ふふことが大切の注意であります。』冷水摩擦の方法また、ははふをし問『それでは、先づその正しき方法から〓へていたゞきませう』さつじつかうひとたれいすゐまわたくし私は七個の區別を設けて居りますから、くごつを答『冷水摩擦を實行する人の爲めに、まおぼヘビ先つこれをよく覺えて下さへ。だばふかんぷまさつまは千円かわせいやうてぬぐひもつくびまはうはひじ第一法乾布摩擦先づ肌拔きになり、乾きたる西洋手拭を以て頸の廻り、上肢、むねはらせじゆん〓〓まさつすはだりやうあしことうやう胸、腹、背を順々に摩擦し、それが濟めば肌を入れ、兩足から腰まで同樣にまさつ摩擦すること。五月

## コマ49

病氣相談十二ヶ月七〇第二法渭温布摩擦あ身體に冷たく感じないほどの微溫湯を相または金屬に入うははんしん浸して聞く絞り、う引ききごれ手拭をこれに先づ上半身を强く摩擦し、第ままの乾布摩擦を行ひ、肌を入れて下半身にも同様の摩擦法を行ふが、此の方法レ本部しだは慣るゝに從ひて、次第々々に溫度を冷くする。まま第三法冷濕布摩擦冷水を用ひて第二法と同一の法を行ひ、次に乾布摩擦を行七味ふ。初めの十數日間は充分に固く手拭を絞り、慣るゝに從ひて、終りには水の滴りが落ちぬまでに緩く絞つた手拭を用ひる。だ.じやうげはんしんは正品第四法冷濕布摩擦と冷塗布結合法上下半身を代る〓〓肌拔ぎになり、頸の背部には第三廻り、上肢、下肢には洗ふが如くに冷水を塗り附け、胸腹まま法の冷濕布摩擦を行ひ、全身に乾布摩擦を行ふ。たぜんしん第五法冷水塗布法全身裸體となり、冷水を手拭に浸して手早く全身に塗り附ままけ.直ちに手拭を絞つて全身を摩擦し、次に乾布摩擦を行ふ。ばふれいすゐくわんがいた第六法冷水灌漑全身裸體となり、小桶、柄杓または水道の口より全身に冷水まつまを注ぎかけ、直ちに手拭を絞つて全身を摩擦し、次に乾布摩擦を行ふ。てぬぐ〓し〓第七法冷水浴風呂桶に水を汲み置き、全身を其中に浸し、手拭を絞りて全身まを摩擦し、次に乾布摩擦を行ふ。冷水摩擦の順序候から始めて、問『此等の方法は、どう云ふ順序でやりますのでせうか』ま之れを實行するこ答『冷水摩擦を實行せんとするには、先づ第一法より始め、1.5だと數日、慣れるに從つて第二法に移り、また十數日を經て更に第三法に移り、或は第五第六までも實行し得ある〓第四まで進み、るやうになるのですが、是等は暑ただい時から始めると、第一法第二法を省き、直ちに第三法から始めることが出來五月七一

## コマ50

病氣相談十二ヶ月七二けいぞくじつかうだいまふます。また之れを繼續實行するのは、またたいはかだいはふ第六法でも、又は第四法第五法でも.そいツやうひとたいりよくおうぢうきよもやうさうたうえつれ以上でもその人の體力に應じ.またその住居の模樣で、相當のところを選ふこちういべきですが、づ此處に注意しなければならんのは、いはうはふもこな何れの方法を行ふにしても、術後衣服を着代へると、ふくきがまなあたゝてきど問も無くボカ〓〓と溫かくなつて來るほどが適度ですbれいするまさつごからだ.ひから、若し冷水摩擦後身體が冷へるやうでしたなら、·コっすそれは少し强よ過ぎるゆら、か故.それよりも以下のものでなければなりません。あまかうのうなまた若し餘り效能が無いとひとひとかた云ふ人でしたら、わるしその人のやり方の惡いのかも知れませんから、いひとかう云ふ人にしたおをしいたたいこはふばゃだいは親しく御〓へ致しませう。はふまれいすゐまさつ一體此の法の第よ一法第二法は、先づ冷水摩擦の豫たんれんはふさじかせうに備鍛鍊法と云ふべきもので、またしんたいきよじやくひとまたらう十歲以下の小兒又は身體の虛弱な人とか、又は老ねんひとたしかうゝう年の人はこれだけでも確かに效能がありますが、けつきさかせいねんまたさうねんひと血氣盛りの靑年又は壯年の人は少くとも第三法を實いくなほうじつかうだいはぶだいばふかんちう行せねばなりません、、こなまた第五法第六法を寒中でも行ふひとじうぶんたいりよくじうじつひとできにくゆきふつうひとた人は、充分に體力の充實した人でなければ出來惡い故、普通の人の爲めには、だだいはふてきたう第三第四の二法が適當であります。』實行上の注意れいするまさつじつかうああどちういひつえう間『冷水摩擦を實行するに當つて、如何んな注意が必要でせうか』ちういたスとんたれいすゐまさつまいあさめさ答『注意の一端は、前にも述べて置きましたが、冷水摩擦は、每朝目が覺めるどうじおしんたいあたさまてぼのだこなかうと同時にはね起き、身體の溫みの冷めぬ間に手早く行はねば效がありません。うはうはふおこなとしざぜあたおこなそして何れの方法を行ふにしても、戶を締め、風の當らぬやうにして行ふの'6どりなさこうせいやうてぬぐひかわそな13れで、湯殿があれば尙ほ結構です。それから西洋手拭の乾いたのを備へ置き、冷するまゝつごかんぷまさつじうぶんぢこなすこふしきこつやちうい水摩擦の乾布摩擦は充分に行ひ、少しも皮膚に濕めり氣の殘らぬ樣に注意かひあかつよまさうひつえうこはうし.且つ皮膚の赤くなるまで强く摩擦することが必要であります。また此の方はふここぐらゐからだぐあひわるちうしひつえうほつねっしゅつけつ法は少し位身體の十合が惡くとも中止する必要はありませんが、發熱、出血ま五月七三ふつうひとた普通の人の爲めには、

## コマ51

病氣相設十二ヶ月七四たは炎症性の病氣のあるときは中止した方がよろしいのです。』冷水摩擦の效能つ間『冷水摩擦に就ては.一一通通聞聞聞一體此れを實行すればどんな效能があるものでせうか』だ答『冷水摩擦を長く實行してゐますと、第一に皮膚の抵抗力が强くなりますかchoレム株か、ら.萬病の基たる寒冒を惹くことがなく、從つて肺病なとにも罹らず、また顏つや皮膚の色澤を良くします。次には神經を强壯にするので、神經衰弱の豫防にもなれば、また治療法になり、陰萎、早漏.遺精、夢精等も癒り、また卒中の豫防にもなりますから、酒客は必ず之を實行しなければなりません。それからこれを行へば身體が溫まるので、寒中でも薄着で宜しいから冷へ症の人には殊;に效があり、また膽力を養ふに殊效があり、忍耐力をも養ふもの故、啻に身體一體此れを實行すれの健康を增進せしむるばかりで無く、ます。』精神にも大なる效益を與ふるものであり第二章第二章婦人病主なる婦人病つい たに問『婦人病殊にこしけは、婦人の最も困しむものですが、これに就て何が妙法はありませんでせうか』答『婦人病と云ふとも澤山の種類があり、また婦人病の多くは帶下を伴ふものですが、普通子宮內膜炎が多い、若し帶下があつて他に格別のことが無ければ、先づ子宮內膜炎と思つて差支がありません。尤も內膜炎も急性であると、熱もあれば痛みもしますが、普通はそれほどではない。治療法は原病の異なる五月人病つい たにこれに就て何が妙法

## コマ52

病氣相談十二ヶ月七六しんふつうしろうとてあてしぎうないをんたうくわんちうはふに從つていろ〓〓ですが、普通素人がこしけの手當としては子宮內溫湯灌注法せっしとゆゆと云ふのがよろしく、いこれはイルリガートルに、攝氏四十五氏の湯を入れ(湯二合に食鹽を一匁の割に入れる)がふしよくえんきかわわくらいしようりゃうやくがふぐらゐにちくわいゆ一回の使用量は約五合位として、一日一回若くわいあらかはこしゆあとしくは二回洗ふのです。また此の代りに腰湯をしてもよろしい、そしてその後おへはタンニン酸ワギンを入れて置くのです。』婦人病と別居ふじんびやうふうかべっきよいびとはた問『婦人病には、くわんけい夫婦別居がよいと云ふ人がありますが.果してさういふ關係がありますものでせうか』べつきよいはっくさいみほっと答『別居と云ふのは、ふじんびやういづつまり房事を避けると云ふの意味で、房事は婦人病の何ばあひいげんきんせつかくなほわづ(,ほってだれの場合に於ても嚴禁で、ごと折角癒りかけたのに、僅か一面の房事の爲めに再びこしけおこはなはだしゆつけつきたびやうしやうぞうあくれいなくさん帶下を起し、甚しきは出血を來して病症を增悪せしめた例は澤山ありますからはたくわんけい果してさういふ關係ちういえうまんせいしやうきはかるじじやうゆるくわよく〓〓注意を要します。また慢性症の極めて輕いのは、事情が許すならは患じやおつとはなたうぢたいそうかうのうをんせんなえんうゐ者は夫と離れて湯治するのは大屑效能があります。そして溫泉は成るべく鹽類せんえらとうきやうふきんは事項そこくらあたみお花びやいづいとう泉を選ぶがよろしい、東京附近にては箱根の底倉、熱海の大湯、伊豆の伊東、しうぜんじとうさんだうはうめんじやうしういかほしもつけしほばらをんせんとうてき修善寺、東山道方面では上州の伊香保、下野の鹽原溫泉等が適します。』六月第一章脚氣脚氣の原因ま..ねんいまごろかつけか、ひとおほ間『每年今頃になると脚氣に罹る人が多くなりますが、六月やはりべいしよくたこれは矢張米食の爲め七七

## コマ53

病氣相談十二ヶ月七八こに起るものでせうか』はくまいしよくすなはけつぱふげんいんとがくしや答『白米食即ちヴヰタミンの缺乏が原因だと說く學者もありますが、まだほげんいんわかべいしよくたんもくわんけいんとうの原因は判らぬやうです。けれども米食とは何等かの關係があるらしくメーほんしやうきせつくわんけいはるすゑかつ思はれます。本症は季節と關係があつて、春の末から夏にかけて、つまリ梅雨さきゝつとおほふゆばんすくなぼるあきちうかん時には最も多く、冬は一番少く、ほん春と秋とは中間になつてゐます。それから本しやういかひとおほいねんれいさんねんしや症は如何なる人に多いかと云きょじやうさしよくひとおほへば、年齡ならば壯年者、居常坐食する人に多しん〓〓くわらうばういんばうしよくかんぱうえいやうふしやうはつまた心身の過勞、ありちさするく暴飮、暴食寒冐、營養不良に發し、腸チフス、赤痢、ばいどくせきずゐしつくわんへいはつ一般に男子に多きも、だんしおほ脊髓疾患に併發することがあり、にんしん黴毒、さんじよくちう姙娠、產褥中のふじん:やす婦人はこれに罹り易くなるばかりでなく、わりあひかるかつけゆ、割合に重き脚氣に罹るものであり、しやう〓〓またその症狀もいろ〓〓になります。』脚氣にも種類がある七八おなちゅけははんたい問『同じく脚氣と云つても腫れるのもあれば、その反對に痩せるのもありますいづ好友が.何れも同じものなのでせうか。』やはりおはしょひくちかつけいりやうせい答『矢張同じものです、然し一と口に脚氣と云つても、それには良性のものもあくせいかるお子すおもかつけあれば、惡性のものもあり、また輕い脚氣もあれば重い脚氣もあるから、此のくわんけいながくじやうレのくべつをだいかんせいゐしゆくせいゆつ關係に於て、醫學上にはこれを二種に區別して居ります。第一は乾性萎縮性脚dしようぞく.しべれかつけいはじてあししびれかんづいてあ氣と稱し、俗に麻痺脚氣と云つて、その初めには手足に麻痺を感じ、次で手足ひらうおぼぜんじからだだるきびやうきおもすこに疲勞を覺へ、漸次身體が倦怠くなつて來ます。そして病氣が重くなると、少からだうごいますどうきみやくはくいじやういたむなぐるし身體を動かしても息切れがしたり、動悸がして脈搏が八十以上に至り、胸苦てあしかんれいかんしゝれぜんじうへはうQしつくわんせつだいたいったしく手足に寒冷を感じ、麻痺は漸次上の方に昇つて、膝關節から大腿に傳はけなばだほかうできだいせうべんひとせわふり、甚しきは歩行することさへ出來ず、大小便まで一々人の世話になると云まことひさんありさまゆしゆりやうぜいたいふ、誠に悲慘な有樣になつて行くのですが、此の種のものは良性ですから、大六月七九はんたいその反對に痩せるのもありますふ、

## コマ54

病氣相談十二ヶ月八〇ていなほ抵は應ります。だい。しつせいすゐしゆぜいかつけいこけつちゃしぢほ第三十三濕性水腫性脚氣と云つて、此の方は女子に多いものですが、これにかゝからだむくかほいろあをじちおんまんほとちのいろ罹ると身體は水腫んで顏色は蒼白くなり、うしがだいせうべん身體は殆んど血色を失ひ、大小便とぷつうつねづつうめち大きふそくはくぜんしんけつれいとう常に頭痛、きたも不通であつて、眩暈、呼吸促迫、全身厥冷等を來すものですが、下やうせいぢとろむくみせうたいゆくじからだや病勢が衰へて水腫が消褪すると、漸次に身體が痩せて來ます。』脚氣の豫防法ゆうるどか、まいねんかゝけいかうおもよ問『脚氣は一度罹ると、たよ每年罹る傾向があるやうに思はれますが、何か良い豫ばうはふ防法はありませんでせうか』かつけこきやうはなたきやういぢうひとおほか、い答『脚氣は故郷を離れて他〓に移住した人が多く罹りますから、ひとこう云ふ人はきちういいうばういんばうしよくつゝしなじやうぶんおほ特に注意を要します。それから暴飮暴食を愼み、成るべく滋養分の多いものをとせいけつかうさうぢうきよきぶつこゞたううんどうこゝろたぴ攝り、ねんぢう〓潔にして高燥なる住居に起臥し、適當なる運動を試み、足袋は一年中八〇よたよ何か良い豫もいる3)また毎日便通あるthrはくまいめしかはこぬ用ひてゐた方がよろしく、やうに注意し、白米飯の代りに米むぎりしもちむほんよぼうかうそうはんつきまいやはりはつこう麥飯を用ひれば、大に豫防の効を奏するもので、半搗米も矢張結構です。まいねんかつけか、ひときせつさつそくそれから每年脚氣に罹ると云ふやうな人であつたならば、その季節には早速かうさうとちてんちことたこくゐひとうまこきやう高燥の土地に轉地するがよろしい、殊に他國に居る人にあつては、產れ故〓はばんいうがくちうがくせいかつけきせつさつ一番によろしいのですから、遊學中の學生などにありては、脚氣季節には、早そくきやうりきせいだよばうはふきせいぜん連〓里に歸省するのが何よりの豫防法であり、また季節以前よりカルビタミンおうつふくようゐ起こはよばうかうそう錠を服用して居るのは、大に豫防の効を奏するものであります。』脚氣患者の養生法かつけか、やうせいはぅて、ひとほうかが門「これから脚気に種つたときの養生法に就て一と通り何かたものかっけくわんじややうせ、はふだいまもしん〓〓あんせいな答『脚氣患者の養生法として、第一に守るべきは心身の安靜ですから、成るべあんぐわゐあたしかつけも)あたしあさつゆふよく安臥して居るとよろしい、昔から脚氣の者は跣足で朝露を踏むと良いと云ふ六月八一

## コマ55

病氣相談十二ヶ月八二ぞくせつとまちがはなはらる俗說があるが、これは飛んでもない間達ひで甚だ惡いことです。それからよくひとにふよくことすゐしゅせいだいどくたうん人のやる入浴、あれもいけません、殊に水腫性のものには大毒です。その他運:)ばんきんもつうんどうたこきふこんなんしんきかうしんとうきた動は一般に禁物であつて、運動すると、爲めに呼吸困難、心悸亢進等を來し、はたばだりやうせいしやうあくせいてんむさんしとれい甚しきは良性症より惡性に轉じて、無慘の死を遂げた例はいくらもありますかるいひままかむうんどう飲〓酒bから、輕いからなど云ふて、閑に任せて無理な運動をしてはいけません。ほってわるむろんしよくもつきっにうむきめしはんつきまいとうしゆや、房事の惡いのは無論のことで、食物もパン、牛乳、麥飯.半搗米等を主ともちふせうくわぶつたりやういんしよくきんもつして用ひ、不消化物や多量の飮料は禁物であります。らえか、ひとてんちばあだんちういえうばん脚氣に罹つた人が轉地する場合は一段の注をを更するものであつて一般にりつばあひみやくはくしいじやうのまこきふすういじやうぞうか熱のある場合や、脈搏が八十至以上に上り、また呼吸數の二十四以上に增加せぼあひてんちぜつたいきんもつけつきんをかる場合には、轉地は絕對に禁物ですから、決して此の禁を犯してはなりませこきんやぶみだてもちきやうかうつひしようしんとうさこふん。若し此の禁を破つて慢りに轉地を强行すると、遂には衝心等を起して、不かうてんきといたもついえう幸の轉歸を取るに至るものですから、けうしやうくれ〓〓も注意を要します。また輕症にてんちてきとき汽車や汽船等に乘る時には、きせんとうのけつして轉地に適する時であつても、さきにちちやう決して一日に長とりよなうへいそにちていすうにちわはやど途を旅行してはいけないから、やっ平素の一日程を數日に分け、早く旅宿に着き、じふぶんせいやうの3よくじついたそうにつていほいふうちう十分靜養して後、かんじんまた翌日に至り、其日程を取ると云ふ風にするのが肝腎の注い意であります。』脚氣の治療法dayおもべやうきかむろんいれう問『脚氣は重い病氣ですから、これに罹つたならば、無論醫療を受けなければわれ〓〓しろうとこゝろえおすなはかていれうばふ持ちの範圍に就て御おならんでせうが、我々素人の心得置くべきこと、即ち家庭療法伺びします』かつけか、たいていべんつうなべんつうな『脚氣に罹ると、らう答大抵は便通が無くなります、便通の無いのはまた脚氣にはだいどくかやうぼあひりうくざいきえんさん大毒ですから、りうくみづ斯樣の場合には硫苦劑(稀鹽酸二、○硫苦二〇、〇水二〇〇、〇六月八三

## コマ56

病氣相談十二ヶ月八四みぎかぶんにちくわいぶんふくふくようべんつら右二日分一日三回分服)を服用して便通を利せしむるがよろしく、若しこれをふくようつうなこのかぶんにちふくよう服用しても通じが無かつたならば、此二日分を一日に服用するのです。それかりやうせいかきしかせいはふめんだうむさつきら良性のものには糠エキスが和きます、然しその製法は面倒ですから、無砂搗ぬかがふみづがふいながとはせんがふぐらゐせんきの糠一合に、水五合を入れ、永く遠火で煎じて二合位に煎じつまつたものを布れこがふかふくようことぢやう片で漉し、一合を二日に服用してもよろしく、殊によいのはカルビタミン錠をふくようかつけはじたふく服用することで、これには脚氣ヴヰタミンを始め。他のヴヰタミンも含まれてぢやくあらし平五ありますから、これを持藥として用ひるがよろしい。それから麻痺のあるもの연결을たき電氣よりも何よりもストリヒニンの注射がよくきます。』きには、第二章リウマチスリウマチスは痛い病氣きこうかはめことさくこんごとにふばいどきはうだふくわっせつたべやうきまだみく、問『氣候の變り目、殊に昨今の如き入梅時には方々の關節の痛き病氣即ち俗うこごまえひとたいびやうきに云ふリヨーマチが起つて困る人がありますが、これは一體どう云ふ病氣なのでせうか』げんいんわかかんばうしつじゆんいういんしたが答『リウマチスの原因はまだ判りませんが、寒冒や濕潤が誘因となるので、從ばいうぎずおほこりぴやうきだれしゐとほいつ下やうきつて梅雨時などには多くなります。此病氣は誰も知つて居る通り痛い病氣で、くわんせつといたこんにちみぎひざいたおもみやうにちひだりひぢいた關節が飛び〓〓に痛む、今日右の膝か痛むかと思へば、明日は左の肘が痛むといふうはう〓〓くわんせつシがねつずゐぶんたかどいじやう云ふ風に、方々の關節が犯されます。熱は隨分高くして三十九度以上になるこけつまありくわんせついたおこごとゆうねつとは、決して稀れではありません、そして新たに關節の痛みを起す每に高熱をきたかんばうねつちぶあせでねつさが來すものであります。そして寒冒熱とは違ふて、汗が出たからとて熱は下るわをかくわんせつばあがいたはふでけではない、犯された關節はひどく腫れ上つて痛みが劇しく、觸れることが出き來ないやうになつて、着物の觸れるのさへ堪えられぬ位のものであります。きものかこらくらゐま六月八五

## コマ57

病氣相談十二ヶ月まんせきこうかはめ八六た慢性となれば、ありまとう氣候の變り目.いただなが雨降り等には痛み出して、くわせつきけいてい節に畸形を呈することがあります。』リウマチスの治療法よういなほ問『リウマチスは、きやはり容易に癒らぬと聞きますが、矢張さうでせうか』よういなほ答『リウマチスは容易に縫らぬと云ふことはありません、なほれうぢし癒らぬのは療治の仕方や養生が惡いからです、やうせうわるほんしやうさんふとくかうやく本症にはサリチリ酸と云ふ特効藥があつて、ふつう普通は五をカプセルに入れて一日三回または數回服用するのですが、にちくわいその〇、すうくわいふくようまるPかよさんさうだふくよう或は代りにサリチル酸曹達を服用してもよろしい。いたくわんせつまた痛む關節へはイヒチオール、とうとふメソタン、をんあんぱふザーリツト等を塗布し、おこなまんせいしやうれうはふまたは溫罨法を行ふがよい、慢性症にあつてはデアテルミー療法がよろしく、たうぢけつこうまた湯治も結構なものであります。』八六ながくわん長くなるとその關第三章神經病神經痛の原因と症候しんけいつういたびやうきちが問『神經痛も、痛い病氣ですが、これはリウマチスとは、どう違ふでせうか』しんけいつうすべしんけいえんきおほかんぱうりうかうせいかんばうばい答『神經痛は、總ての神經炎に來ますが、その多くは寒冒、流行性感冒、黴どくちうどくとうきたしんけいあつばくたとすゐこつびやう毒.ニコチン中毒等によつて來り、また神經を壓迫するもの、例へば椎骨病.しゆりうとうしんけいあつぱくおこ腫瘤等によつて神經が壓迫されるときに起ります。しんけいつういたかたちがきさあるひにくさ神經痛の痛み方は、リウマチスとは違つて鎭で刺すやうな、或は肉を裂くやいたいたちぞくいやほつさうな痛みであつて、その痛みが、ずつと持續して痛むものもあれば、また發作せとき〓〓いたいたなそのしんけいけいろそ性に時々痛むのもあります、そして痛みの無いときでも、其神經の徑路に沿ふおいたあつつうてんとうつうほつさ身體の動なんだどうて壓せば、痛むところ、つまり壓痛點があります。また疼痛發作は、六月八七神經病

## コマ58

病氣相談十二ヶ月AA搖.壓迫.運動、賊風、精神感動または音樂によつて起つて來ます。』神經痛の療法問『神經痛の療治は、どうするでせうか』答『原因に注意して、假へば壓迫性のものは、それを去り、黴毒性のものは驅黴療法を行ひ、寒冒性のものは發汗療法等を行ひますが、痛みの輕いものは、アンチピリン〇、五を服用すれば、緩解しますが、重きものは注射療法を要します。慢性症には鐵劑または砒素劑を久服するがよろしく、また湯治や電氣療法も効があります。あそれから場合によつては外科的療法を要することもあります。」搖.七月第一章第一章海水浴誤れたる海水浴るひ〓〓かっすゐよく問『追々海水浴の季節になつて來ましたが、どうも醫者の云ふ海水浴は餘り消極的の樣に考へられますし、と云つて泳ぎの先生の云ふのは餘り亂暴の樣に思はれますから、健康學上から見た海水浴に就て承りたいものです』答『近時海水浴は非常の勢を以て流行して來てゐますが、その方法に就ても、か.將たまたその健康上に及ず効果に就ても大分誤解されてゐます。每年夏季にな七月水浴

## コマ59

病氣相談十二ヶ月いはゆるだいいれんかいすゐよくちういだんしんぶんざうしにぎはこれたおほると、所謂大醫連の海水浴の注意談は新聞や雜誌を賑すけれども、此等の多くたいかちは所謂〓水繞で反つて害になることが多くありますが、いはゆるかへがおほせけんひとめい世間の人は大家知名のしんようとき然br醫者の云ふことだからとてそれを信用してその通りやるからたまりません。したこれらひとはなはだゆゑじぶんせんもんいぐわいことあまくちだし此等は人を害すること甚しきもの故、自分の専門以外の事は餘り口を出してbeいけゅるもちもちやたのいふうばんじ貰はぬやうにしたいもので、所謂餅は餅屋に頼むと云ふ風に萬事さうしたいもわたくしねんかんにんすゐぇいれんしゃせいとっいけんきうごまいねんけんきうのです。私は五年間三百人の水泳練習生徒に就て〓究し、その後も每年〓究をつゞじぶんじつけんもとちはなしみ續けてゐますから、自分の實驗を基として談話して見ませう。』海水浴の人體に及す影響いてんじんたいさようまかいすゐよくか人體に作用するかと云ふことから問『それでは先づ、海水浴が如何なる點で、うかゞ伺ひませう』じうらいかいすゐよくかうのうとひとはたうくわんけいすゐをん彫かいすゐがんいうぶつくわん答『從來海水浴の効能を說く人は、波濤の關係水温の關係海水含有物の關じんたいさよう人體に作用するかと云ふことからはたうくわんけい波濤の關係すゐをん彫水温の關係かいすゐがんいうぶつくわん海水含有物の關けいととたいせつか、きくわんけいかんきやくひとおほあうこ係を說くに止まつて、大切なる海氣の關係を閑却する人が多かつた、尤も此のてんきんらいすこひとしきくわうせんくわんけいか點は近來少しは人に知らるるやうになつて來たが、光線の關係に至つては、ことひとすくなほとこりうひとなよくらゐじつさいれを說く人少く殆んどこれを顧慮する人は無いと云つても良い位ですが、實際くわうせんえいきやうひじやうだいおぞこれしゆゐくらゐは光線の影響は非常に大なるものであつて、恐らくは之を主位としてよい位でよ,んきうかいすゐよくじん大さようはたうすゐとんかいきかいすゐす。予の〓究によれば、海水浴の人體に作用するは、波濤、水溫、海氣、海水せいぶんくわうぜんこいつわんけいおもの成分、光線此の五つの關係であると思ひます。』波濤の及す影響まはたうじんたいおよまえうきやうついうかが問『それでは先づ、波濤の人體に及す影響に就て伺ひませう』うみたせうさかならはたううみはこは答『海には多少の差こそあれ必ず波濤があります。それで海に入ると.此の波15たしあんたへうとううんどういたなみ動の爲めに、知らず識らず身體の平等なる運動をなすに至るもので海波がやつなみものAじようしぜんてあしうごぜんしんうんどうて來ると、その波に連れ或はそれにじて自然と手足を動かして全身運動をや七月九一

## コマ60

病氣相談十二ヶ月九二ふ婦人や子供等が唯海水に入つて嬉々として洩に自然と身體を揉ませて居るじんcapはひききなみしぜんかとだゐる、よほどうんどうなみたかいすゐちうえんぶんこまが、それだけでも餘程運動になります。また波の爲めに海水中の鹽分が細かいぶんしよくちうひといきたびんきをまざはすなはは分子になつて、浴中の人が吸氣する度に空氣に混つて麻に入つて行く、即ち肺けんぜんさようかごとはどうからだけんぜんを健全にするの作用があります。斯くの如くに波動は身體を健全にするばかりぼうひふしげききやうさうたゞいうえいようんどうでなく、一方には皮膚が刺戟されて强壯になります、唯さへ游泳ほど良い運動ななみたさらうんどうあたからたいは無いのに、浪の爲めに更に運動を與へられるのですから。その効は大したもかはすこなみあたよくごひじやうつかおぼこのになる。その代りに少しでも浪に當ると、浴後非常に疲れを覺へて來る、此ひらうくみじぶんさほぞうんどうなじうぶんうんの疲勞の來るのを見ても、自分は左程運動をしたつもりで無くとも、充分な運どうわかしんふつういはゆるかいすゐよくあまなみ動をしたと云ふことが判ります。然し普通の所謂海水浴にあつては、餘り浪のさよところは避けた方が良いが、うよたんししゆぼあひは)とつよよん强い處鍛鍊を主とする場合には.波動が强げれば强いだかうせうけ、それだけの交前があるわけになります。』水溫の影響すゐをんえいきやういやはりれいすゐよくくわんけい問『水溫の影響と云ひますと、矢張冷水浴のやうな關係がありますのでせうか』か、すゐよくれいすゐよくえいきやうつよかいすゐあんた答『海水浴は、冷水浴よりもその影響はもつと强くなつてゐます。海水の溫度もちろんときてんこうばしさいゐとうきやうわんたは、勿論時により、天候により.また場所によつて相違があるが、東京灣に於よらそくていぐわつちうかいすゐをんせつして予等の測定せるところによれば、八月中の海水溫は、攝氏二十度より二十八どぐらゐへいきんとうきをんたいていせつしで度位の、平均二十二三度で、此の田の氣溫は大抵攝氏の二十七八度であつて、かいするよくからださようこすゐをんきをんひとたいをんひく海水浴の身體に作用するのは、此の水溫が氣溫よりも、また人の體溫よりも低いてんられ〓〓じんっゐへんきんたいをんどぐらゐわん〓〓いと云ふ點にあります。我々人類の平均體溫は三十七度位ですから、我々の體をんひすゐをんとひくやうひくをんどかゝすゐじんたいひ溫に比して水溫は十四五度低いわけです、此の樣な低い温度の海水に人體の皮か戸ひじやうよたいにんげんひかまつせう膚が觸れると云ふことは非常に良いことであります。一體人間の皮膚には末梢七月九三やはりれいすゐよくくわんけい矢張冷水浴のやうな關係がありますのでせう

## コマ61

病氣相談十二ヶ月九四숯ゆ神經と云ふものが隈なく行き渡つて居るので、入浴の初めに當つて此の末梢神經が奪温によつて冷氣を感じて非常に刺戟をなし、同時に腦の神經をも反射的に亢當せしむることになり、また皮膚血管の彈力を增すに至るので、連日之をニ繰り返して居ると、遂には習慣となつて、皮膚は寒冷に逢へば、容易に之れに感應して調節することになります。俗にも一と夏海水浴をすると、その年一年は寒冐に侵されることが無いと云ふが、實際それだけの効があります。また奪溫の効はそればかりでなく、身體に全分にある脂肪を消費するから身體の働き〓、が良くなつて來る、だからして食慾が進む、また橫膈膜神經を刺戟して呼吸を深くするから、吸酸素排炭酸の上にも影響を及ぼす、呼吸器を强壯にすると云ふことになります。』海氣の影響か、き問「海氣の影響と云ふのは、どんなことなんでせう』答『海上の空氣は極く〓淨で、然も濃厚になつて居るばかりで無く、オゾンも〓多量に含み、且つ溫度は一定して居り、多量の水分と鹽分とを含んで居り、空け 氣が濃いからして從つて酸素は餘計にある勘定です。或る人はオゾンの爲めに海上の空氣は消毒されて居ると言ひますが、なるほどオゾンそのものには消毒力がありますけれども、海上の空氣にはオゾンの力を逞ふするほど多量に含んでは居りません、然しオゾンは不潔の空氣中には含まれては居らぬからし十五反て、多少にてもオゾンがあれば、それが即ち空氣の〓淨なる證據となるのであたります。海上の空氣の〓淨なるは、座埃殊に有機體が單つて居らぬからであつをて、市中の如き慶族の澤山に浜つて居る空氣とは熱つて極めて〓深であす。空氣の濕めつて居る理由は、始終水が海面より蒸發して居る爲めで、それ七月

## コマ62

病氣相談十二ヶ月九六できどしつけあたか、きえんぶん;)ゐしようこかうが適度の濕氣を與へることになる。また海氣に鹽分の含まれて居る證據は.航かいちいみめ、内九百海中未明に眼鏡をかけて甲板を散歩すると.かんばんきやうめんしろ(5しよくえん二五五ぶんし鏡面は白く曇り、食鹽の細い分子ちんちやくわ〓かいがんじゆもくみしようめいわの沈着するので判り、また海岸の樹木を見ても、それが證明されます。また海すゐはうしやいさいきんしじじつむろん水よりエマナチオンを放射すると云ふことは、最近知られた事實です、無論そ口ようすくななもちくしちう廿リの量は少いが、無きには增しで、ラジウム餅を食つたり、市中のラジウム泉には〓たんかかうほかかいきたんさんがすたいうがいがす入るよりは確に効があります。その外海氣には炭酸瓦斯やその他の有害瓦斯をチすくなこれらあひよあひまごじんこきふきいひ含むことが少い、此等のものが相倫り相俟つて、吾人の呼吸器と云はず、皮膚いしんげいいまうくわきいすぺと云はず、きやうさう神經と云はず、消化器と云はず、總てのものを強壯にするものであかいがんだれしよくよくすおやつひとかいすゐよくります。海岸に行くと、誰しも食慾の進むに驚くでせうが、これは獨り海水浴うんどうあんまなじいてせいけつひじやうえいきやうの爲めに運動が與るばかりで無く、此の空氣の〓潔と云ふことが非常に影響がわれ〓〓いはいびやうくわんじや くうきせいじゃげ かいがんかきでせいじやげおくいりいうひとあるので、我々醫師が肺病患者を空氣〓淨なる海岸に送ると云ふ理由の一つじつこしよくよくす、たじつさいくうきせいじやうところねをは、實に此の食慾を進める爲めであつて、實際空氣の〓淨なる處は寢て居つても食が進む、すゝ十在すべしんちんだいしゃきのうくわつばっいだれし即ち總ての新陳代講機能が活潑になると云ふことが判る。誰も知ごとかいがんかいりくりういよるりくじやううみつたんかぜおくる如く海岸には海陸風と云ふものがあつて、夜は陸上より海に冷き風を送り、ひるこはんたいかいじやうりくちむかびふつちくこびふうぜんじゆつごと實は此の反對に海上より陸地に向つて微風を送るが、此の微風はまた前述の如だつをんさようさうたうかうき奪溫作用があるので、これがまた相當の効があります海水成分の影響かいすゐすべしほかいすゐせいぶんえいきやう問『海水は總て鹽からくなつてゐますが、海水成分の影響と云ふのは、つまりこしよくえんえいきやう此の食鹽が影響するのでせうか』さやうかいすゐ十五花しよくえんしゆがんいうぶつりやうおほよそ答『左様海水はクロールナトリウム即ち食盤は主なる含有物で、その量は大約ぶんちうないしぶふくゐもつとところおほすんだ百分中に二乃至三分を含んで居る、尤も處によつてはこれより多いところと少ところまたいていくらゐたい處とあるが、先づ大抵これ位のものです。その他クロールカルシウム、クロ七月九七かいすゐせいぶんえいきやう海水成分の影響と云ふのは、つまり

## コマ63

〓氣相談十二ヶ月九八りうさんさうだりうさんはうがふぶつはうがふールマグネシウム、硫酸曹達、硫酸カリウム、ヨード抱合物、ブローム抱合ぶつとうがんいうたいせいやうにほんかいえんがんかいすゐこれらふく物、ブローム等を含有してゐる、太西洋でも、日本海沿岸の海水でも此等の含むりやうたいさたゞちがおほかはとうりうにふきんぱうまみづこん量に大差ないが、唯遠ふのは大河等の流人する近傍は眞水を混ずるからして、これらえんぶんすなん此等の鹽分が少くなつてゐます。これらえんぶんごじんまつせうしんけいしけきしんちんだいしやくわつばつかう此等の鹽分は、吾人の末梢神經を刺戟して新陣代謝を活潑ならしむるの効はすこぶゐだあひとしよくえんさいせうぶんししんたいないでんき頗る偉大なるものであります。或る人は食鹽の細小分子が身體內に入り、電氣さようあたいわれ〓〓ひふけんかうどきそんしやうとう作用を與ふると云ひますが、我々の皮膚は健康時にありては.つまり損傷等のなたぶつしんにふゆるばあひれたせ無きときには、他物の侵入を許さぬものであり、それに此の場合には、冷氣のたけつくわんそしきとうしうしゆくゐけつこれらしんにふでき爲めに、血管や組織等も收縮して居ますから、決して此等のものゝ侵入は出來これらさいせうぶんしひふしげきかうきすきこきふません、それよりも此等細小分子の皮膚を刺戟するの効と、吸氣によつて呼吸きはひかうちえじつさいゐだかう器に入るものゝ効を擧げざるを得ません、實際これが偉大なる効であります。』光線の影響あまきたい問『光線の影響と云ふことは、くわうせんい餘り聞いたことはありませんが、一體これはどいかうのうう云ふ効能がありますか』たいやうくわうせんうちわれ〓〓からだもつとつよくわがくてきえいきやうしぐわいせん答『太陽光線の中.我々の身體に最も强く化學的に影響するものは紫外線であ十五たいやうくわうせんりようきゃうぶんせきしよくわかうちししよくくわうります。即ち太陽光線を三稜鏡で分析すると七色に分れるが、その中の紫色光せんそとしぐわいせんすなはめみひかりたいやうちきうじやう線の外にあるものが、紫外線即ち目に見えぬ光であります。太陽から地球上にはつくわうせんうみへいちどうちじやうたつとちううん發する光線は、海でも山でも平地でも同一ですが、その地上に達する途中に塵あ、おほしぐわいぜんきうしうしましかかいすゐ(六七こいとほ埃が多いと、此の紫外線が吸收されて了ふ、然るに海水の空氣は前にも云ふ通ぢんあいすくなしぐわいせいきうしかいめんじやうたつたいやうり塵埃が少いから、紫外線が吸收されずに海面上に達するのであります。太陽くわうせんごじんるだ、さよう每天いまさらどえうくわうせんちう光線の吾人に傳大なる作用を及すは今更呶々するを思しませんが、その光線中もつとゐだいさ;)こしぐわいせいしようこうみゆだれ最も偉大なる作用のあるのは此の紫外線です。その證據には海に行くと誰でも七月九九あまき餘り聞いたことはありませんが、たい一體これはど

## コマ64

病氣相談十二ヶ月一〇〇はやいろくろたんかぜふいろくろまつたこし早く色が黑くなる.單に風に吹かれたゞけでも色が黑くなるのは、全く此の紫ぐわいせんさ:したがさなたたいやうくわうせんうみはう外線の作用であります。從つて同じく太陽光線を受くるにしても、海の方がどゐだかうわかまつこほろたいやうくわうせんぜん〓〓さようなれだけ偉大なるがあるか判りません。尤も他の太陽光線は全然作用が無いといたゞしぐわいせんばんつよごかい云ふわけではなく、唯紫外線が一番强いと云ふのですから、誤解してはいけません。かいすゐよくじんた第十五さようゆいじやうでうこれら海水浴の人體に及す作用は、主として以上五ヶ條であります。そして此等のぱ何れも沿岸よりも陸地より遠く離れたところほど作用は强いのですかえんがりくちとほいなさようつよものは、ごじんとうきやうふきんたうしよみいすゐよくぢやう中つCたねんろんゐら、吾人が東京附近の島嶼に海水浴場を設置すべしと、多年論じて居るのは、まつたこりゆう全く此の理由からであります。』海水浴の健康に及ぼす効果かいすゐよくえいきやうついきえかいすゐよく問『海水浴の影響に就ては、いろ〓〓聞くことを得ましたが、海水浴をやつてかいすゐよく海水浴をやつてゐげんかうじきうやうのう居ると、健康上どんな効能がありますか』わたくしじつけんまくわんせつゑんこつまつひだたいぢうちゅんたいおん答『私の實驗によりますと、先づ關節の圓滑と筋の肥大、體重の增加.體溫のていかけつこきおよかつ蛋白質の排泄その他いろ〓〓の効能があります』はいせきたかうのう低下、血液に及ばず効、まはじじゆんじおうかゞたた問『それでは、先づ初めから順次に御伺ひ致しませう』すゐよく全身の非常なる運動ですからして、ひじやううんどうし七年ぜんしんくわんまつきんにくらう答『水浴は、從つて全身の關節や筋肉を勞だけつくわくわんせつうるどうゑんこノすぢさげふせいひすることが大であり、その結果として關節の運動は圓滑となり、筋の作業性肥だた、きんにくくわらうすじそしきすゐぶん3rk大を來すものであります。一體筋肉は過勞するときは、筋組織の水分が增加はつえきすゐぶんげんせう十五五だつすゐさようふだんていきやうどし.血液の水分が減少する、即ち脫水作用をなすものですが、不斷に一定强度うん··おこなさんよきんぐん·ミーにくしつぶおいひたの運動を行ふときは、その運動に參與する筋群は、殊にその肉質部に於て肥大海水浴は全身筋肉の萬遍無き運動ですから、かいすゐよくやんべんなうんとうけつくわするものであります。その結果ときんにくひだいきこときんにくきようせいみとあくりよくけいして筋肉の肥大を來たし、殊に筋肉の强勢となるを認むるもので、握力計にて七月一〇〇

## コマ65

病氣相談十二ヶ月これが證明されます』問『體重を增すと云ふと、平均どの位增すものでせうか』だ答正述の筋肉肥大の結果は體重を增すことになります。練習所の生徒に就て見るに、水泳中に增すものと、水泳後に增すものとあつて、少壯發育盛りのものにあつては、水泳開始後.二三日後より增して來たものもあつた。予の如3)き肥滿者にあつては、反つて水泳中體重一貫自餘を感じた、つまりこれは脂肪が消費されたのですが、歸宅後は急速に體重を增して、以前より二百目を增した。練習所の生徒に就て見るに、增加量は百目より一貫百目に達して居るが、最も多いのは四五百目の增加であつて、これは水泳一ケ月に於ける結果であります。それからまた身長をも增すと云ふ人がありますが、これは未だ實驗があゆる。りません故、確かなことは不明ですが、理論上よりすれば、當然さうあるべきです』問『血液に及ぼす效と云ふのは、血でも殖えると云ふのでせうか』s答『血液の分量は殖えることはありませんが、一ヶ月の滯在によつて赤血球のき數約四十萬個即ち約一割近くと、血色素五割を增して居るから、結局血量が殖えたと同じ關係になります。また冷水刺戟の結果、血管が收縮して、表面の血液が內臟に入り、浴後は再び外表に現はれるので、血液の分布狀態を良好ならしむるものであります』は間『水に入れば體溫の下るのは當り前ですが、これはどういふ利益があるものでせうか』答『ウイルヒヨウミの他の試驗に據るに、浴者十九人の體溫を減退すること、Pしつ〓〓平均攝氏の一、五九度に及ぶとあるが、予の實驗によるに、これは種々の關係七月これはどういふ利益があるもの

## コマ66

病氣相談十二ヶ月一〇四て、によつて一定せぬ。長時間の水浴または遠游にあつては、殆んど水溫と同度に手掌檢査による下る.また寒中水泳にあつては、檢溫器にては計り得ぬも、ふやがてに、殆んど水溫と同じ位に下るやうである。此の身體表面溫の低下は、た、をん;)體溫の發生となり、大に新陳代謝を助くるの效があります』間『蛋白質を多く排泄すると云ふことは、つまり體重が減ると云ふことになか、り、反つて惡結果を來すと云ふ意味にはならぬでせうか』海水浴中は體中蛋白質の分解が多くなつて、答『いやさうではありませんよ。身體の貯藏蛋白を分解し尿中に窒素分が多くなると云ふのは、早く云ふと、て、新しき蛋白の沈澱を來すからして、假へて見ると、救荒豫備倉庫の古き貯次々新しき米を買ひ入れて貯へると同じ關係になります。こb藏米を賣り拂つて、尤も一日や二日では格別、一と夏も海水浴をすると、かういふやうな關係になつて、身體の組織が若返ることになります』問『海水浴は、以上の外に、まだ效能がありますか』答『まだいろ〓〓あります。即ち皮膚の抵抗力を增し、呼呼を深大にして肺活っ量を多くする、即ち呼吸器を强め.また胸廓の發達を助くるものであります。ゐちやうせうくわえ〓それから胃腸消化波の分泌を九むると共に円腸の運動を助け、便秘を癒し、頭C腦を明晰ならしむるもので、海水浴の效は、一言にしてこれを云へば、白體の新陳代謝を圓滑ならしめて以て、吾人をして健全ならしむるものであります。それにまた陸上の運動では休むと云ふことも出來るが、海水浴にあつては始終精神を緊張せしめ、一寸の油斷を許さぬから、頭腦の練習にも、また多大の效を奏するものであります。』海水浴應用の注意七月七

## コマ67

病氣相談十二ヶ月一〇六せつきかいすゐよくひじやういうかうけんかうはふおもだれ問『お說を聞くと、海水浴は非常に有效な併康法と思はれますから、これは誰とはかうがやつてもその通りの效がありませうか』らたくしせつめいいすすよんばうのうろんじやおるこれらかう答『私の說明は、如何にも海水浴萬能論者のやうに思はれませうが、此等の效くわもとてきたうひとてきたうちういもとてきたうりやうおこなはじう果は元より適當の人が適當の注意の下に、適度量を行ひたるときに、初めて得かうくわなんびどいへとごとかうそうかぎいななかべき效果であつて、何人と雖も斯くの如き效を妄するとは限りません。否、中かいすゐよくがひとはなはだたふらしつじわんかもあるひには海水浴の害ある人もあり、甚しきはそれが爲めに不治の疾患を釀す、或はふかうしいたなからちいえう不幸死に至るものが無いとも限りませんから、よく〓〓注意を要します。一般に云へば心臟病、いしんざうびやうんざうびやうゆうけひふびやうあつじえんとうひとかいすゐよく腎臟病脚氣、皮膚病、中耳炎等ある人には海水浴はきんもつらうじんいにじ如嫁五ヶ月後、けつてげつけいじとうどうやうちういえ)禁物であり、また老人、嬰兒、月經時等も同樣注意を要するもかいすゐよく七十七ひとおうけんかうがくせいつうししんたいけんのですから、海水浴を行はんとする人は、一應健康學に精通せる醫師に身體檢さびつえうどうじばしよせんていじきまたたついし査を受くるの必要があり、それと同時に場所の選定、時期又はその他に就て指だれこれは誰レむやみひときききけんかもおも示を受くるがよろしい。無暗に獨り決めに決めるのは、危險を釀すものと思はねばなりません』場所の注意ばしよちういかいすゐよくてきぼしよ問『場所の注意と云ひますと、海水浴に適する場所はどんなものでせうか』かいがんすなちがんせきなすいていたいとほらさcho答『海岸は砂地で岩石の無いところがよろしく、また水底の平らな遠淺の處をみひろにごてゐていせんめいなけつは選ぶのがよいが、水が濁つて水底の鮮明で無いところは決して入つてはなりまたするをんちまごったいかすゐかいすゐちひこんがふをせん。その他水溫の餘りに冷いところや、河水と海水と相混合するところ.小がはどぶみづちうにふすゐりうきゃげきすゐりうしようとつ川濠溝の水の注入するところ、または水流の急激なところ、水流が衝突しておそうづまきざつさうがんせうかなら恐るべき渦卷をするところ、若しくは藻、雜草、岩礁などのあるところは必ずさたしほかんまんぢういひつえうすヾかいがん避けねばなりません。その他潮の干滿に注意することも必要であり、總て海岸いんれうすゐよところおほたせうくわふりやうおこうじごとは飮料水が良くない處が多く、これが爲めに消化不良を起し、幼兒の如きは、七月一〇七むやみひときき無暗に獨り決めに決めるのは、きけんかもおも危險を釀すものと思は

## コマ68

病氣相談十二ヶ月一〇八その爲めに生命に關することさへ生ずるから、水灑器を持參するなども一つの注意であります。』入水中の注意間『それからいよ〓〓水泳を行ふに當つては、どんな注意を要するものでせうか』十五反だ答『水泳を行ふに當つて注すべきこと、即ち入水前に注意すべきことは、第一、食後直ちに入水してはなりません、第二、空腹の時も亦よろしくありませ〓三は、ん入水前の飮酒は大禁物であります。次に動作に就て注意すべきことは、過劇なる運動をなしたる時、甚しく疲勞を感じたるときには泳がぬ方がよろしい。總て水泳前には、强く皮膚を摩擦して血液の循環をよくし、諸部の關節を屈伸して見る、これは痙攣を防ぐに大切のことです、次に頭部に水を灌一〇八水灑器を持參するなども一つのどんな注意を要するものでせうみ、はと等は必要の注意ですぐこと約三十秒、また耳の中を唾液で濡らして入るこ鼓膜が破れみが、中耳炎があるとか、てゐるとか、耳に故障のある人は、危險ですから、かういふ人は決して入つてはなりません。』着衣の注意問『水に入るときに、水着は着た方がよいでせうか、また水禪やその他の注意うかゞ、を伺ひたいものです』答『强壯な人は水着は入りませんが、兒童又は虛弱な人は、必ず用ひるがよろしい、これは寒目や下痢を豫防するの效があります。尤も唯水に入つて遊んで居ると云ふ丈けならば、白天笠で福神のやうな恰好の縫ひ目に多くの隙き間があつて、水の通ふやうにしたのがよろしい。それから水禪は解けないやうに堅く結ぶことが必要である。餘程堅く結んだつもりでも、水に入ると解け易いも七月また水禪やその他の注意

## コマ69

病氣相談十二ヶ月一一〇かた子とうらさのですから、さうまたよく緊く結ばねばなりません。遠淺のところだけならば猿又でもすゐえいれんしふしやくふんどしすゐえいばうかたにかぶはうよろしいが、水泳を練習するに六尺褌がよい。それから水泳帽は必ず被つた方たいやうなうに直射するのな防ぎ、ちよくしふせ方在友かんとくしやもくへうがよろしく、これは太陽が腦傍ら監督者の目標となるのえたQいかんじんちうい便があります、そしてこれを度々濡らすと云ふことは肝腎の注意であります。』水泳の時期と時刻及び時間すゐえいじきむろんなつかぎはじた(apsに問『水泳の時季は無論夏に限りませうが、かんはひその入る時刻と、どの位の時間入つをうかゞて居つてよろしいか伺ひたいものです』すゐえいじきふつうきをんたかさきにらわせつし答『水泳の時期は、くにこ普通には氣溫の高き時を選ぶので、我が國に於ては攝氏二どいじやうきをんげつてきたうこじき十度以上の氣溫のある七、八、九の三ケ月が適當です。此の時期にあつては、しんたい身體の諸筋肉が悉く強緩して、しょきんにくこと〓〓りくじやううんどうこんなんこりさい陸上の運働をすることが困難になり、此際にあうんどうもくてきたつうすゐえいほかつて、よく運動の目的を達し得るものは、水泳の外にはありません。はじたその入る時刻と、(apsにかんはひどの位の時間入つつぎすゐえいじの時刻は、につちうっさしつかへ日中ならば何時でも差支がありませんが、なかごぜん次に水泳中にも午前十じじまでちひだごじじまであひだちひだきをん時から十二時迄の間と、午後三時から五時迄の間がよろしい。此の間は氣溫、するをんともたかかしよくじちうかんあたせいりじやうはなは水溫共に高く、且つ食時の中間に當るからして。生理上から云つても甚だよろしいわけです。すゐよくじかつさいいトゅうねんぷんきよくどもつと水浴の時間は、十五歲以下の少年にあつては三十分を極度とします。尤もこにかんきはんおうきはうあんぜんはじれいすゐしげきけつくわんれは時間で決めるよりも、反應で決める方が安全で、始め冷水の刺戟で血管がしうしくのらはんたいけつくわんくわくちやうじういつひふちかよく收縮した後は、反對に血管が擴張して充溢しますから、皮膚が赤くなる、浴ごちたゝりくっいか、たふ3)すゐよくよくごたゞしん後に溫かく愉快に感ずるのは此の爲めですから、普通の水浴は、浴後直ちに身たあたゝかんていど體が溫かく感ずる程度にするのであります。』上陸時及び上陸後の注意にふすゐらうこゝろえならびじやうりくこゝろしっひたまうけたまけ問『それから入水中の心得、並に上陸の心得に就て、と通り承りたいもので七月一

## コマ70

病氣相談十二ヶ月一一二す』答『入水中は、成るべく心を沒付けて恐怖の念を去ることは申すまでも無く、萬一の場合直ちに上陸することの出來る範圍で、靜かに游泳するのでありまとき〓〓とうぶす。そして時ス頭部を水で濡らすことを意つてはなりませんが、游泳中無暗にさ手を擧げるの危險ですから、してはなりません。水中から上陸しやうとする時は、B岩礁の無い處を選んで、寄せ浪と共にするのが祕術であります。上陸後は、出來得るならば〓水を、び、乾いた手拭で全身を摩擦するがよろしく、:着衣して後當分は靜止として居て、LBB麥湯、鹽湯、コぎうにうとうれいすゐーヒ、牛乳等を用ひるのはよろしいが、冷水または氷は決して飮むべきものではありません。また水泳後頭髪の硬くなつた場合には、やはら石鹸または鷄卵で洗へば軟かくなるものであります。年齡の注意さしつかへ問『海水浴は、何才位からやらして差支がありませんか』が、答『子供は何歳から海水浴をやらしてよいかと云ふに、私の〓究によれば、學.こ齡前の子供はやらせない方がよろしい、尤も歩き得る子供ならば、海岸の波のなあ無いところで水いぢりをさせ、時に水を浴びる位は差支がありません。八歲位になれば少しづゝ水に入れ、滿十歲になれば正式に泳ぎの稽古をさしてもよろしい。また鍛鍊的の海水浴へば遠游の如きは、十五歲以上に至つて始めて爲すべきものであります。』第二章問『夏になつて、汗が出ると、七月ワキガと其治療法けワキガが餘計に多くなりますが、これはどうす一一三

## コマ71

病氣相談十二ヶ月一一四なほれば癒りますか』せいけつだまちをあせながよせいせんかんさう答『〓潔は、第一の要義ですから、汗を流したときは、能く〓洗して乾燥せしばいしようこうすゐばいさんすゐばいないしほ、すゐいづめ、百倍昇汞水、二十倍クローム酸水、百倍乃至十倍のフオルマリン水の何れとふぐわんこしゆじゆつえきくわそうせつぢよかを塗布するがよろしい。また頑固なるものは、手術によつて腋窩層を切除ししまけつさいけつやくえきとて了ふがよろしく、これなれば決して再發することはありませんが、藥液の塗ふこんちこんなん布だけでは根治は困難なものです。』一一四第三章第三章日光浴日光の人體に及ぼす作用につくわうこじんせいくわつこんげんてんかなにものひ問『日光は、吾人の生活の根原をなすもので、天下何物もこれに比すべきものいたいにつくわうじんたいおよさようはないと云ふことですが、一體日光の人體に及ぼす作用はどんなものでせう日か」ゐじじつなほか答『日光の殺菌力さつきんりよくいうだれしを有することは、誰も知つて居る事實ですが、尙ほその外にさよういまざやうとうくわのうきづたいやうさもいろ〓〓の作用があります。今挫傷等によつて化膿した傷を太陽に曝らしておほどくわのうかんしじにえきくわしやうえきしうき置くと、程なく化膿が減じて、次第々々に液化し、だん〓〓漿液となり、臭氣げんくか、こさよういちじるあらモしきを減じて來る、そしてそれが繰り返されて、此の作用が著しく表はれ、組織のくついふくは在じんそくがこなふつうげくわちれうきづおほれんしゆくきた恢復が甚だ迅速に行はれる。また普通の外科治療による傷は、多くは攣縮を來日光治療のものは攣縮を來すことが少し、れんしゆくきたすくなことひかそしきじやうたいくわんずんすが、殊に皮下組織の狀態が完全にほごしばうげんたいすこししわこきんゐしゆくうれ保護され、脂肪の減退少し、延いて皺を殘すことなく、また筋も萎縮する憂ひなしん年ちれたこどうさじいうさまたくわいふくかしぜんかが無く、從つて治療後動作の自由を妨げられない、恢復は如何にも自然で且つくわんぜん完全であります。』につくわうどうじきよくしよまひさよういうたたらきづぐちたい日光は同時にまた局所麻痺作用を有するもので、これは必ずしも傷口に對し七月一一五たたらきづぐちたいこれは必ずしも傷口に對し一一五

## コマ72

疳氣相談十二ヶ月一一六きづにつくわうさおしばらっかんかくてのみではありませんが、く傷を日光に曝らして置くと、暫くして苦痛の感覺を滅ずるめんでこぼこゐざしやうくわんせつしゆちやうはものであり、そして面の凹凸して居る挫傷や、關節の腫脹や、ガレーしんけいつうあばあひどうかうくわ大在たいやうくわうせんそ1/3うへ神經痛の或る場合にも同一の效果があります、即ち太陽光線は、組織の上にびやうりじやうさんしゆつぶつうへけつていてきらう)たいやうくわうせんも、病理上の產出物の上にも決定的に働くものであります、要するに太陽光線さつきんさようともきづぢさようしうさつきさようますゐさびやうきんにく殺菌作用と共に傷を治癒する作用、ようは、臭氣を除くの作用、麻醉作用、病筋肉ぢよきよさようきんにくほごさようとうぢうだいさよういう除去作用、筋肉保護作用等の重大なる作用を有するものであります。いじやうたいやうしんたいきよくぶおよぼさようぜんたい以上は、たいえいきやう太陽が身體の局部に及す作用であるが、けつ全體に對する影響も決してすくないまばんきみにつくわうよくまたいをん少くありません。たかみやくはくかまこきか今一般的に見るに、そくしんしん日光浴をすると、じ先づ體溫が亢まる、脈搏が上つて呼吸が促進する、たいをんみやくはくこきふすじやうたいふくしか然しこれは一時のことで、たいないな體溫も、脈搏も、呼吸も直ぐに常態に復しますが、ぢうえうへんくわおこな然し體內には尙ほ重要なる變化が行はれてゐます、卽ち血壓には大なる變化はありませんが、大在だいへんくわ赤血球は增加して、しやくけつきうするみヘモグロビほうふしよくよくぞうしんせうくらすみやどうくわさようくわんぜんおこなンが豐富になる、食慾が增進し、消化が速かになり、同化作用が完全に行はしんけいけいとうけんぜんすゐみんたし古在ぜんたいきくわんけんぜんはれ、神經系統が健全になり、睡眠が確かになる、即ち全體の機關が健全に働くいけつくわきたと云ふ結果を來すものであります』日光浴は健康に益ありにつくわうよくけんかうじやうえき問『それで日光浴をすると、健康上どんな利益がありますか』だにつくわうよくじどうはついくひじやうくわんけハくわうせんじうぶんあた答『第一日光浴は、兒童の發育に非常に關係があります、光線の充分に當るとせいちやうじとうきやうさうくわうせんすんませいちやうじどうひころに成長する兒童は强壯であるが、光線の少いところに成長する兒童は、日かげなすどうやうたゞだいとくわいすだ蔭の茄子と同樣に、唯ヒヨロ〓〓してゐます。大都會に住めば三代にしてそのじゃいせいげんこにつくわう;そくくわんけいとらことはざ家絕つと云ふ西諺のあるのは、此の日光の不足の關係であります。獨逸の諺ににつくわうはひいその代りに醫者がかはいはひゆい『日光の入らざる家には、入つて行く』と云ふのがありますまことうがことはざが、誠に穿つた諺ではありませんか。七月二七七二七七

## コマ73

病氣相談十二ヶ月一一八みなみむひあたよいにつくわうはひきたむい、はちのけんかうk南向きの日當りの良い家は、日光の入らぬ北向きの家よりも、遙に健康に良けつあたゝかいおほにつくわういと云ふのは、決してより溫いと云ふばかりではなく、つまり多く日光を受けいたしかケごとたいせつにつくわうぶるめいともひとると云ふ爲めであります。然るに斯くの如く大切なる日光も文明と共に、人はやうやとほきなつあついかささくるまひおひで漸く遠ざかるやうになつて來た、夏は暑いと云ふて傘を翳す、車には日蔽が出きいふくのこひふまいにつくわうさらきくわいまこと來る、衣服で殘らず皮膚を包んで了ふと云ふわけで、日光に曝される機會は誠ずなけつくわひとます〓〓よわおほ郷らく大につくむうに少くなつた、その結果人は益々弱くなりつゝあるから、ひに日光によくにつくわうぜつだいおんけいうけんかう浴し、日光の絕大なる思題を受けて健康とならなければなりません。』日光浴の實行法につくわうよくじつかうはうはふとよろ問『それでは、日光浴を實行するには、どういふ方法を取つたら宜しいでせうか』ませいてんひできうにつくわうよくこいろ答『先づどうしても、晴天の日に、はうはふとよろどういふ方法を取つたら宜しいでせうせいてんひ晴天の日に、できうにつくわうよくこいろ出來得るだけ日光に浴するやう心かくるのみちありひかげなたところあるでんしやのです。そして道を步かば、日蔭よりも日向の處を歩くがよろしく、電車に乘らひさまどしたさしひがさてぶくろぜん〓〓はいか左てば、日の射す窓の下に坐を占めるがよい。日傘や手袋は全然廢して、顏も手もひさちるごじんかいすゐよくかうのうぶにつくわうき日に曝らして歩くがよい。吾人は海水浴の效能の一部を日光に歸するものなるぜんのとましたがかいすゐよくにつくわうおんけいうは、前に述べた通りである、從つて海水浴をするのは、日光の恩惠を受くる、もつとしぜんみちきよじやくしやBたいにつくわう最も自然の途であります。それからまた虚弱者にあつては、裸體になつて日光ちよくしやうしかかきつよにつくわうながあたたいやうやけどの直射を受くるがよい、然し夏季の强き日光に長く當るのは、太陽による火傷きたこばゑひじかんたんしゆくを來すものであるからして、此の場合には、その時間を短縮しなければなりません。』八月八月一一九

## コマ74

病氣相談十二ヶ月一二〇第一章第一章登山登山の健康に及す價値きんらいがくぜいかんだいぶとどんねつたいけんかうしやう問『近來は、學生間に大分登山熱があるやうですが、一體これは健康上どのやかうのううな效能がありますか』とざんしんたいしよぶきんこくはついくけつかんしんたいしばうぢよ答『登山は、身体諸部筋肉の發育をよくし、また發汗によつて身体の脂肪を除〓し、しんちんだいしやさようたすきふきしんざうきんりよくわうせいけつえき新陳代謝の作用を助けて、呼吸器や心臟の筋力を旺盛ならしめ、血液のじゅんくわんさいしんまをあなりくわうけいちやうじやうてうようせい循環を催進するは申すまでもないこと、四邊の光景や、頂上の眺望など、精しんさうくわいおいしゆかうけんかうひとます神を爽快ならしむるに於て殊效あるものですから、健康な人はこれによつて益ますけんかうぞうしん一般きよじやくひとことひふよわひとこきゃきよわひと益健康を增進し、に虚弱なる人、殊に皮膚の弱き人や、呼吸器の弱き人、しんけいすゐじやくひとしばうひまんひととくかう神經衰弱の人、脂肪肥滿の人などには特に效があります。山たいけんかうしやう一體これは健康上どのやおうべいしよこくとざんとあひださかおこなとざんくらぶそし歐米諸國では、登山は登鄙の間に盛んに行はれ、登山倶樂部なるものを組織らじやくだんぢよかうらくだゐおわにほんおいさんがくして、老若男女行樂の第一位に置くさうであります。我が日本に於ては、山嶽いたところきふく秀麗天女の如き富士の山、ごとふじやまえん〓〓てんやふんくわさんきしよう至る處に起伏し、焰々天を灼かすの噴火山、奇勝百けいきはまなかふさうしよさんまとうやうしようしんびれっぽうとう景極り無き甲相の諸山、將たまた東洋のアルブスと稱せらるゝ信飛の連峰等。(む)ほしいまゝみなもつさうありうんざんたふは登臨長嘯以て天下を小とりんちやうせうもっせう皆以て草鞋百里の雲山を踏破し、とするの快を恣にすたさひはこんにちとざんねつとてがくせいかんおこよほどるに足るのであります。幸ひに今日では、登山熱は紳士や學生間に起り、餘程さかこれらじりうかうとます〓〓はつたつ盛んになつたやうですが、此等は一時の流行に止まらずして、益々發達せしめたいとさんたんるいせいじやうかうなたいものであります。一体登山なるものは、單に衛生上の效があるばかりで無きこうだいじやねんさはけいりんしきりやうやしなてんたいはゆるく氣宇を洪大にし、邪念を去り、將たまた經綸の識量を養ふ點に於て、所謂めいざんだいたいゐじんだむほどしやうれい名山大澤偉人を出すであるから、大に奬勵すべきものであります。』高山の生理的作用八月ー八ー

## コマ75

病気相談十二ヶ月一二二とざんなたかままたいかうざんじんたいおよ問『登山と云へば、成るべく高い出がよろしいでせうが、二体高山の人体に及さようぼす作用はどんなものでせうか』だとざんけんかうおよさようつ.わくにまなしびとけんきう答『第一登山の健康に及はす作用に就ては、我が國には未だ何人も〓究してゐわたくしねんいら、しんゑつしよざんこはうめんけんきうてそません私は二三年以來、信越の諸山に行き、此の方面の〓究に手を染めてゐかいすゐよくごとしよながたいざい.ゐますが、海水浴のそれの如く、一ケ所に長く滯在して居るのではないから、そけんきうすゝゝたいかうざんせいりrateようすなけじんたい特上の〓究はなか〓〓容易でありません。一体高山の生理的作用、即ち人体に及すえいきやうミういんくうききはくせいけつよかちやうじかんしよくわうしぐわい影響の要因は、空氣の稀薄にして〓潔なること。强き且つ長時間の射光、紫外線及びベクヱレル氏線の過度、しせんくわどphr電氣陽現、やうずんくもおよきりすくなくうき高度の雲及び霧の少きこと、空氣のかんさうかんれいきあつひくとうこれらあひともなせいぶつうへさ乾燥、寒冷、氣壓の低きこと等であつて、此等のものが相倶ふて生物の上に作ようしげきはついくさようしんちんたいしやならびけつえきしふせいおよ用し、それが刺戟となつて、その發育作用、新陳代謝並に血液の集成に及ぼすものであります。はつけんいchかくしよをん、んまをまちやまおいわるととラジウムの發見以來、各處の溫泉は申す迄もなく、山に於てもその檢査が遂法森をけんさせんせきかうざんくうきていちくうきげられた。サーケ博士の檢査成蹟によれば、高山の空氣は、低地よりも、空氣ちうい、へいきんいがんいうつくたいりやう中にラヂウム、エマナチオンを含むこと、平均三倍であつて、その含有極大量ひかうざんこいらほしめを比すれば、高山は低地よりも五倍を示すとのことであります。』高山の健康に及す價値ながかうさんたいざいゐえいきやう問『それから、長く高山に滯在して居ると、どんな影響があるものでせうか』たんくわてきとざんほかううんどうじんたいあらやゝきふげき答『單に一過的の登山にあつては、步行運動の人体に及ぼすものより、稍急激とながかうざんたいざいたがしゆ〓〓えいきやうのものあるに止まりますが、長く高山に滯在すれば、從つて種々の影響がありせつしゆがすたいしやへんくわ〓して高山に於ては酸を攝取するかうさんおいさんそます。その一は瓦斯代謝の變ルであつて、おほしたれたんさんはいせつおほがすだいしやさかこと多く、從つて炭酸を排泄すること多く、つまり瓦斯代謝が盛んになるわけししけんさんそたんさんであります。ヤケー氏の試驗によれば、酸素の八、八%、炭酸の一四、八%の八月一

## コマ76

病氣相談十二ヶ月一二四增加を示すとのことであります。此の事柄は山間の人の胸廓の廣きを說明するに足るもので、呼吸器の弱き人には、最も良き健康法となるのであります、海拔九千尺乃至一万三千尺を有するアンデス山地及び南北米に連亙せる高地方にほど、いぢうみん居住せる印度人が、顯著なる廣胸を有し、アルプス山地の住民が高年に達するまで、激動に際して、息切れのせぬのは、全く此の高山の影響より來たのですあまたは動もすれば肺病にでも罹りさうな體格を有か、から、胸の發育の惡しき者、い上げして居るものは、高山生活を營むがよろしい。;高山の瓦斯代謝の盛んなことは、一面に於て、含水炭素や、脂肪の分解の盛んなことを示すものですが、これに反して蛋白質即ち窒素分の分解は少い、ヤケー氏の〓究によれば、高山は平地に比し、一日約一、五乃至二、○の窒素のけんき)う儉約となると云ひ、またヒユツベー氏の〓究によれは、筋力の作用は非常に經ざ濟となるもので、平地に於ては食物によつて得るエネルギーの一五%よりしかん器械的作業の變ずることが出來ぬが、高山に於ては、その二〇乃至三〇%を作業に變じ得ると云ふことであります。おそれから高山に於ては、血色素及び赤血球を增加するばかりでなく、血液を新生せしむるの作用があります。彼の有名なる瑞西のダボスに於て、リンデスけんか。平山氏の〓究によれば、十四人の健康男子平均赤血球數約六百五十五万千百個(地に於ては一立方仙迷の血液中約五百万個)十人の健康女子平均五百八十万四千個(同上四百五十万個)に達したと云ひ、ビユルケルは海拔五千三百尺の高地に於て、赤血球五%.血色素ヒ%の增加を見、またラツケ(一九一三十)に十大長據れば、かゝる增加は、十五日間に極度、即ち赤血球數一五%.血色素一七%けんきうの增加を見たと云ふことであるが、予が〓究によれば三千尺の高地に約二週間八月

## コマ77

病氣相談十二ヶ月一二六平均增、赤、赤血球約四十五万(一鶴)の滯在による健康男子五人の平均增量血色素二離即ち二0%の增加を見たのであります。心臟の力を强Careくすること頗る大に、その他高山生活は、また日光は紫外線にがんりやうすくな富み(海上よりも紫外線に富む)、氣溫低く、水蒸氣の含量少き等は、皮膚及び肉體に作用して、大に陳代謝を亢進し、皮膚機能を盛んならしむるものであはつたつり、また登攀運動によつて、脚力は申すまでもなく、全身の筋肉を發達せしむるものであり。また食慾を增進し、精神を快活ならしむるの作用あるが、神經質の人は時には不眠症を來すことがあるから、これは注意しなければなりませけんこう事·皮ん。要するに適當の注意の下に登山を行へば、海水浴よりも健康に及す效は大なるものであります。』登山に要する食糧及び藥品の準備血色素二と間『登山にはそれく〓準備を要することと思ひますが、これはまあ別として、しよくりやう食糧や藥品はどう云ふやうなものを用意したら宜しいでせうか』が、答『日歸りの登山ならば、辨當以外大した準備も入りませんが、數日を要する云つて別ところでは、それ〓〓準備を要しますと、に美味いものは決して用意するに及びません、ずん〓〓鹽分が汗となつて出て了ふから、鹽辛いサツパリした物が一番美味しく食べられます。飯は握り飯に梅干を入れたのを平食より不時に備へる鰹節。多量に持つて行くがよろしく、露營ならば、白米、身缺き鯡糒軍用ビスケツト、氷餅、メリケン粉、ソバ粉.切り餅、それから副食物として鹽.梅干、味噌、漬物(味噌漬は殊に良い)干物の類、間食物としては氷砂糖、切飴、キヤラメル、興奮用として燒酌、ブランデー、ウヰスキーの類を携帶するがよろしい。尤も此等の食品を皆持てと云ふのではありません、八月

## コマ78

病氣相談十二ヶ月一二八これらうちてきぎもこれ此等の中一つ二つづゝ適宜持つ、おたらかくじわけいたいそして此は必ず各自分ちて携帶するがよろしい。やくひんあんじたいしつおうじやくほかほうたん藥品は各自の體質に應する持業の外には、じんたんせいしんたんごとせいりやうざい寳丹、仁丹、〓心丹の如き〓凉劑けんゐごげねつさいしんつうざいはうさんすゐるゐはうたい健胃劑、解熱劑、鎭痛劑、そくかうし硼酸、アンモニア水の類、繃帶、ガーゼ、即効紙なてうはふこれらてきぎいやもらども調法なものですから、ゝせきけん此等を適宜醫者から貰つて行くがよろしく、石鹼もかならけいたいしゆくはくてあしあらちゃくぬぐひせんたく必ず携帶します、くつこれは宿泊せるとき手足を洗ひ、或は手拭を洗濯し、靴ずれせきけんくつしたひたあやまいうどくぶつしよくには石鹼を靴下に浸すもよろしく、せきけんすゐ誤つて有毒物を食したるときには、石鹼水こしらはだかげどくかうそうを拵へて服むと、それが吐き出されるし、兼ねて解毒の效を奏するものであります』一二八これおたらかくじわけいたいそして此は必ず各自分ちて携帶するがよろし山中の應急手當かうざんのぼやまあたい『高山に登ると、山中りと云ふことがあるさうですが、問こばあひおうきゃてあて此の場合の應急手當いたはどう致しますか』かうざんのぼきのをおとくうきけはくとうさんびやうすなはわをあたはつ答『高山に登れば、製作所にし空氣の稀薄等の爲めに、山病即ち山中りを發すかしんさうどうきたかこきふたんそくぅせいることがありますが、これに罹ると、心臟の動悸が高くなり、味吸は短塞不正をき3BHうんどうこんなんうつうおぼおほいすゐじやくかんはなはだとなり、時に嘔吐し、運動困難となり、頭痛を覺え、大に衰弱を感じ、甚しきしつしんたしば〓〓ひこうくち るはくぎおよはいとうしゆつけつは失神するに至ります。また屢々鼻腔、口唇、齒齦、及び肺等より出血するこたいこさんびやうくうきほとなかけはくなとがあります。一體此の山病は六千メートル(空氣は殆んど半ばに稀薄す)乃レたかおいはじは にほんかうざんおい至一万一千メートルの高きに於て始めて發するものですから、日本の高山に於おもやまやせはつふつうかるやまあた古在づつうひては、かゝる重き山病を發することはない、普通は輕き山中り、即ち頭痛、疲あつはたちとうばつすゆやうしやうこうばつしんこ勞、衂血等を發するに過ぎませんから、斯樣の症候を發したるときには、深呼きふおこなあるひこうふんさいもちすこよこをたいていなほ吸を行ひ、或は興奮劑を用ひて、少し橫になつて居れば、大抵は癒るものですもおやつます〓〓おも內まえてきゆゑが、若しその症狀が益々重くなるやうであつたならば、山に適せざるもの故、八月一二九

## コマ79

病氣相談十二ヶ月一三〇然し日本の山では、下山しなければなりません、それほど重き山病を發することは先づありません。山で倒るゝものゝ多くは、山病よりも凍冷の爲めです、高山には意外に寒冷の5のこともあれば、また濃霧の襲來後急に氣溫の下ることがあり、また風雨の後と れい£には身體强く冷却して、凍冷することがありますから、斯樣の場合には速かに焚火して充分溫まり、尙ほ溫き味噌汁(此の中に切餅を入れると尙ほよろしcheい)を拵へて吸ふがよろしく、出來得るならば唐辛子の類を携へて、斯樣のとえきに食べると、よく體溫を保護するものです。その他體操をなし、全身の摩擦を行ふて體溫を發生せしむるなどもよろしい。』一三〇それほど重き山病を發するこ第二章日燒けの豫防法問『男は兎に角、女の餘り日に灼けたのは感心しませんが、これは豫防する法はありませんでせうか』答『日灼けは、日光中の紫外線が作用するのですから、これを吸收するものを塗布すれば日灼を防ぐことが出來ます。此の目的によつて從來發明された藥物は澤山ありますが、その中で最も奏效顯著な事はアクトールであつて、夏日外出時に、少し濃い目に塗布す、または海水浴、登山等にも矢張之れを塗布すれば日灼けを豫防することが出來ます。それから色を白くしやうとする人は、每しゆ〓〓夜就病時に此のアクトールを塗布した居ると種くの度層病を豫防し白色艶麗の美顏となるものであります。』これは豫防する法月

## コマ80

病氣相談十二ヶ月一三二第三章第三章食中り食中りの原因なつとか、しよくあたおほたいおこ問『夏は兎角、食中りが多いやうですが、これは一體どう云ふわけて起るものでせうか』ばういんばうしよくおもげんいんかきゐちやうはたしにぶ答『暴飮暴食はその主なる原因ですが、夏季は胃腸の働きが鈍くなつてゐますれいざうこぶつこまりひやもちゐちやうかたるすわはし、それに冷藏庫物、つまりボで冷したものなどを用ゐると、胃腸加答兒卽ちしよくあたちうと〓よこぼりひやだいぢやうぶあるゐ二百食中りをします、素ハ0多くは氷で冷したものは大丈夫と思つて居ますが、氷ひやひだくうきをんあふはいやす冷しものは、氷室より出して、空氣溫に當てると、腐敗し易いものですから、もつとちけいえうものかういふものは最も注意を要します。それからよくあることですが、食ひ物が少し位臭くなつても、ぐらゐくさすもつをいたしよくあたげん捨てるのは勿體ないなど云つて食べるのは、食中りの原中りたいおここれは一體どう云ふわけて起るものんこほりみづこほりひやもののくやはりしよ因となります。また氷水を飮んだり、氷冷しの物を飮み食ひするのも、矢張食あたげんいんしよくじちういはしうつたよくあた中りの原因になりますから、よく食餌に注意を拂へば、減多に食中りするやうなことはありません。』食中りの治療法もしよくあたふうてあて間『若し食中りがあつたときには、どういふ風に手當するでせうか』ひとしごとしよくあたときは人だはらた筈『人も知る如く、食中りの時には、嘔いたり下したりして、そしてお腹が痛きいたみづおこほりまくらひやひとんで來ます。それで痛むときには、水落ちのところを氷袋で冷します。人によあん、きもちひとひとあたゝつては溫めて氣持のよい人もあるから、かういふ人は溫めるがよろしい。それしやけざゆもらとんぷくおやっおほさうぢから醫者から下劑のヒマシ油三〇、○を貰つて、それを頓服して、腸の大掃除にちあひだぜつしよくなたをします。そして二三回の間は絕食して何んにも食べません、よくなつたとこおもゆかあごはいふうよくじ+〓ろで、米湯、お粥、それから御飯と云ふ風に、だん〓〓〓餌を進めて行きます八月一三三

## コマ81

病氣相談十二ヶ月一三四此の食中りの後の養生に注意しませんと、慢性の胃腸病になるものですかよく醫者の指示を守つて、嚴重に養生しなければなりません。』が、ら、第四章食物の攝り方粗衣粗食は健康の祕訣問『前に食餌の攝り方に注意すれば、胃腸病を起すことがないとのお說でしたが、一體食物に就て注意すべきは、どんな事でせうか』學校ても数へ答『食物に關する一般的のことは、て居ますから、それは略しま.じすが、一體今の人は衛生思想が發達したせいか、食物なども滋養と云ふやうなことに重きを置いて居ますが、ほんとうのことを申しますと、飽食暖衣するよ二たりも、粗衣粗食して身體を鍛鍊し、病に對する抵抗力を養ふと云ふことは最も十六五せつし〓必要なことであります。即ち世の所謂滋養分に富める食物を播取して健康である人よりも.疎末なる食物をして、然も消化と同化とによつて、體內に多量の滋養分を造くるの能力ある人は、一層健全な人であります。一體滋養分なるものは、元は動物の强き能力によつて、草や水等から作られたものです。人間にたま〓〓も元來その能力は與へられて居つたのですが、偶々その力を養ふことを怠つたよつ結果、それが漸次に弱つて來て、遂に今日の如き弱い文明の人となつたのであります。まため量のを物をよく消化する人は、胃腸の强い結構な人であります。然し乍ら少量の食物にて二人前も働く人は、遙に健康な人と云はざるを得ないのですから、儘康を得んとするには、先づ外界より襲來するところの諸種の害毒に抵売し得ると云ふ範圍を最もるく拡張するやうにすることが必要であります、寒さにも堪へ、暑さにも堪へ、粗衣粗食にも堪へ、閑散にも亦劇務に入月

## コマ82

病氣相談十二ヶ月一三六いませたいたいりよくいふひと十五長りさうてきけんも平氣で堪ゆると云ふ體力を有する人であつたならば、これが卽ち理想的の健ぜんひとおも全な人であらうと思はれます。』粗食は何故健康に益ある乎われ〓〓しよくもつせうくわやすびみつねしやうれいゐ問『我々は、食物は消化し易い、美味なるものを常に奬勵されて居ますが、どそしよくけんかうえきういふわけで粗食は健康に益があるでせうか』いましやじやうしよくいすゐかんがたい答『今までの醫者は滋養食と云ふことを奬めて居ますので、さういふ考へは大ていひともをしなまちがひをいしよくもつにんげんと抵の人は持つて居りませうが、然しそれは間違です。一體食物には、人間に取ひつえうぶぶんしゃるゐだいせうくわにんげんたいないぶつつて必要な部分がザツト六種類あります、第一は消化せられて人間の體內の物し)すなはことやさぎよにくるゐ第二はその消化だいう質となるべきもの、卽ち米、野菜魚肉の類で、を助くるとこさようなぶぶんたとだいこんなまやさみそたくあんとうなかそんざいろの作用を爲す部分假へば大根オロシ、生の野菜、味噌、澤庵等の中に存在たせ、ぶんだいせうくわあまものすぐはせつするヂアスターゼ、その他の成分、第三は消化し餘つた物を速に排泄するに必一三六十五長りさうてきけんこれが卽ち理想的の健どえうせいぶんすなばせんゐひまくたいはゆるふょうへわせいぶんべんつう要なる成分、卽ち纎維、皮膜その他の所謂不消化成分で、これは便通をよくすひつこうせいぶんだしよくもっあぢあたあるひるに必要なる成分であります。たいないましんちんだい第四は食物に味を與へ或は體内に於て新陳代ゃゑんこつぶつしつたとしよくえさたうたしよくもつ謝を圓滑にせしむべき物質、あちふとくしゆ假へは食鹽、砂糖その他食物に味を附する特殊のならびみづだほねとうつへひつえう志在はいぶんもの並に水、第五は骨等を造くるに必要なるもの、含有する小魚、こざかな卽ち灰分をどうぶつニねまめこんにやくばうおにがんいうせいぶつ動物の小骨、せいちやう豆蒟蒻等に多く含有するものであります。それから生物の生長にひつえうおほしんせんかこうしよくひんちう必要なるヴヰタミンは、多く新鮮の加工せざる食品中にあります。そして此のぶつしつびしよくうちわう〓〓けつばふゐ六つの物質は、まびさいてう美食の中には往々缺乏して居るものてあつて、極めて微細に調りしよくもつちう(老五左すみいはゆるそしよくうちこれらぶぶん理せられたる食物中には甚だ少いものですが、所謂粗食の中には、此等の部分のこながんちくゐを殘り無く含蓄して居るものであります。』美食より受くる害びしよくがい問『それでは、美食をすれば、どんな害がありますか』八月一三七がいどんな害がありますか』一三七

## コマ83

病氣相談十二ヶ月一一二八つねびしよくゐじやうりうしやくわいびしよくた大なちやうく答『常に美食をして居る上流社會にあつては、美食の爲めに、便秘、腸より來しゆちうどくしやう〓おこしよ〓〓ねんまくかたるすなはびかたる一種の中毒症狀、それによつて起るところの諸處の粘膜加答兒、即ち鼻加答るいんこうかたるきくわんしかたるならぢじんざうえんたびやうきおほそ兒咽喉加答兒、氣管支加答兒並に腎臟交その他の病氣が多いものですが、粗しよくあまゐひとはいせつよろちうどくおこなしんちん食に甘んじて居る人には、排泄が宜しいからして中毒を起すことも無く、新陳だいしやゑんこつおこなをこれじドやうきかびしよく代謝も圓滑に行はれて居り、此等の病氣に罹るやうなことはない、つまり美食もとなよくもつふまんもとひとが常に食物に對して不滿つねを求むる人は、それによつて害を求むるばかりで無く、ぞくだをしかそしよく十五花くわんぜんしよくそしよくじ足を抱いて居ります。然るに粗食は即ち完全食ですから、粗食によつて自己ばいカルチケえいやうゐひといかあひまたは如何なる田舎にあつてを營養して居る人は、如何なる場合にあつても、もとえいしよくじたいつねあんしんも、これを求めて得ざることはありませんから、何時も食事に對して常に安心すなはけんかうじやうもつとたいせつもつとまえです、これが即ち健康上最も大切のことであります。尤もかく申したとて、わがはいけつびしよくいびしよくこうふくたうし我輩は決して美食してはならんと云ふのではありません、美食して口腹の樂みうもとさしつかへなしかどを得るのも、よか元より差支の無いことですが、然し一度美食したならば、二日三かそしくこおぎなふうろがひつこうえんくわいばん日は相食して之れを補ふと云ふ風に心縣けるのが必要であつて、宴會の二晩もばんつゞびしよくぜゆゑがいうちういとうじ三晩も續いては美食責めになる故、その害を受けぬやうに注意すると同時に、ひとてきおうきこうふうどしゆしやtv.p.かんえうよくその人に適應するやう、また氣候風土によつて取捨するやう注意が肝要であります。』適應食とは何ぞやひとてきおうすなはきおうしよくいにうけたまは問『それでば、人に適應する、即ち適應食と云ふことに就て承りたいものです』てきおうしよくいとちふうぞくしふくわんやう答『適應食と云ひましても、土地により、風俗習慣によつて一樣でありませてきおういしかうべつしよくもつひとせうん。適應と云ふのは、嗜好とは別であつて、その食物がよくその人によつて消くわきふしうどうくわどうじむがはいせつじやうたい化され、またよく吸收されよく同化され、同時に無害に排泄せらるゝ狀態を云入月一三九すなはきおうしよくいにうけたまは即ち適應食と云ふことに就て承りたいもので

## コマ84

病氣相談十二ヶ月一四〇せいりてきすものてきおうびやうてきが、ふのであつて、生理的には好きな物が適應するのですけれども、また病的に害ほどすいすものかならみなよろいになるもの程好きと云ふことがありますから、好き物必ずしも皆宜しいと云ふまゐたとちうどくしやさけずにくちうどくしやにくずわけには參りません、假へばアルコール中毒者の酒好き、肉中毒者の肉好き、ちうどくしやたばこずいばあひゆる.てきおうニコチン中毒者の〓草好きと云ふやうな場合もある故、よく適應と云ふことにちういかんえう日っちおいはゆるてきおやってい注意が肝要であります。またその量に於ても所謂適應量と云ふものがあつて、たいしよくせうしよくいたゞゐちやうよわひとたいよくて大食がよしとも、小食がよしとも云はれない、唯胃腸の弱き人は大食に適しなけんかうひとたいしよくゐちやうがまんせいずっうむらいい、また健康な人でも大食は胃腸を害して慢性病に陷ることがあるからして、てきおうしよくもつてきたうりやうこんぽんてきちういはと適壓せる食物を意象ににるると日本人に適する食物にほんじんしよくもつなにてきおう問『日本人の食物としては何が適應しますか』ほんじんたてきおういしぜんかいみたかたま答『日本人には何が適應しますかと云ふに、それを自然界に見るに、鷹には生たかたま鷹には生にくてきおうからすにくてきおうにはとりこくるゐてきおうアルバムむしてきおつ肉が適應し、烏には腐肉が適應し、鷄には殻類が適應し、燕には蟲が適應し、3coうをるゐてきおうにほんじんなにてきばん鵜には魚類が適應してゐます、さて日本人には何が適するでせうか。一般に云てきおうしよくせ、ぶつぢうしよおあたやまけものね天てきへば、適應食は、その生物の住所に於て與へらるゝもので、山の獸には山に適おうしよくみづうをみづてきおうまたくうちうとりくうちうちじやうてき應食があり、水の魚には水に適應食があり、空中の鳥には空中または地上に適おうしよくもつかんたいひとにくゐばうてきおうをんたいひとこくしよくきおう應食物があり、寒帶の人には肉類や脂肪が適應し、溫帶の人には殻食が適應ねつたいひとくわぶつしよくてきおうにほんながはんもいし、熱帶の人には果物食が適應します。それでは日本には何が繁茂するかと云にほんほくゐどどあひだをんたいくらゐはううみたうしよ一つ、日本は北緯三十度より四十度の間にある溫帶に位し、四方海の島嶼なれ大森をんだん河川が澤山あります。かうりやうおほせうたくせんたくさんとちば、從つて溫暖に、且つ雨量多く、沼澤、かゝる土地にこくはんしよくたにとときこくやせいをこじききは五穀が繁殖するので、さい太古の時より五穀が野生して居り、古事紀にも記載のおうかみ太神がこれを靑人草の食ひて生くべきものなりとて、あをびとくさくかうさくはうはふあることで、耕作の方法を稅へられたとを七七番めいとよあしはらみづほくにめいゆゑんのことであり、從つて一名豐葦原の瑞穗の國の名ある所以であ月一一、

## コマ85

病氣相談十二ヶ月一四二沼澤の邊りには輩と穗とはつて、澤山にあつたものであります。日本の醫學のKiss本源たる獨逸等にあつては、稻等は適せざるほど寒く乾燥し、且つ沼澤が少繁殖して居る、く牧草が從つて昔から野獸が多く、住民は皆野獸を狩つてそ1/4の肉を食ひ、その毛や皮を着、その肉や骨を以て器物を造つた、後には人口が增殖して野獸が少くなつたから、牧畜を業として、水草を追ふて轉居した民族の子孫であるからして、彼等には肉食が適應して居ます。日本は野生の五穀も、人口增殖と共に少くなつたから、一千五百年以來耕作を業とし、即ち稼穡の民の子孫ですから、土地的にも習慣的にも、遺傳的にも、日本人には穀食が適應するのであります。』日本人の營養問『それでは、日本人には必ずしも肉が濃会となると、云ふわけでもありませんな』以前には化學的に分析を答『先づ肉と米と何れが滋養であるかと云ふ問題は、食物の滋養ぶんりやうして、その成績のみで、價を定めて、窒素の分量の多いものゝみを滋養物として居つたのであるが、それは西洋人によく當てはまるのであつて、した、即ち西洋人には肉食が適應するのに、西洋の下層社會は、高價の肉を食することが出來ずに、主もに黑パンや馬鈴薯で生活せねばならぬので、ともすると營養不良になる、其處で何でも價が安くして、肉の成分に近いものを搜さうと思ふて居るが、必ずしもこれは日本人には一致するとは限りません。日本人中にあ、營養不良のものゝあるのは、敢て蛋白質の不足の爲めではなくして、多くは下層の人が不衛生的生活をする爲めであります。西洋の營養不良の勞働者等を病院に收容して、肉や御馳走を與へて置くと、藥なしで癒る場合があるさうです八月

## コマ86

病氣相談十二ヶ月にほんじんむししゆどくけつかくばいどくどくたえいやうふりやうが、日本人は寧ろ酒毒、結核、黴毒この三毒の爲めに營養不良となりますが、しよくもつたえいやうふりやうめったかへじやうりうしやくわいひと食物の爲めに營養不良となるものは迷多にありませんし、反つて上流社會の人えいやうふりやうまたはんたいえいやうくわりやうひとみえいやうくわりやうしよくに營養不良があつたり、又はその反對に營養過良の人を見ます。營養過良は食もつたせいくわつじやうたいふてきたうけつくわくわどひまんさかはしごあが物その他の生活狀態が不適當の結果であつて、過度に肥滿して、坂や梯子を上いききひとまんひとたとへぢやうぶるにも息の切れるやうな人は、即ちそれであつて、こういふ人は.假令丈夫にゆゑちういみを不慮の大患に罹ることがある故注意しなければなりません。』りよたいくわんか、見へて居つても、主食物と副食物しゆしよくもつふくしよくもついふうけんかう問『主食物と副食物とは、どう云ふ風にするのが健康によろしいでせうか』にほんじんこくしよくてきおうしゆしよくもつふくしよくもつだ答『日本人には穀食が適應するとは、主食物のであつて、副食物としては、第やさいこんさいとうつぎうをるゐとりるゐつぎじうにくわる一に野菜、根を等であつて、次には魚類と、鳥類、その次には獸肉類でありまぎうにうけいらん七五六やはりふくしよくちつしかながふくしよくもつureおほす。牛乳や雞卵なども大人には矢張副食物です、然し乍ら副食物の量を多くししゆしよくてうくわしゆしよくリ。うぶもぶて主食を超過してはなりませんから、ふく主食の量を六分若しくは七分にして、副食の量は三分乃至四分とします、しよくりやうなぶふくしよくうちしよくぶせいぶそしてその副食の中でも植物性のもの二分、とうぶねせいぶいわりあひにほんじんの常食、保健食として必要の程度であひつえゝていど動物性のもの一分と云ふ割合は、日本人大在こも、さんわんしうさいていどしごくつて、即ち古來の御飯三椀、一汁一菜と云ふ程度は至極よろしいのです。そしうちかくじんびやうきとうしゆしやてその中で各人により、また病氣等あるときは、それ〓〓取捨すべきものであらうじんなにくしよくさは,つて、老人には成るべく肉食を避けた方がよろしいのです。』季節による食物の攝り方しよくもつごくあついときごくさむいときたせうさうゐおも問『それから食物は極暑時と、極寒時とは多少相違があらうと思ひますから、きせつしよくせつとかたこ、ひとほうけたまは季節による食物の攝り方に就て一と通り承りたいものです』しぜんしたがをにんげんっむびやうなくさいさひ答『自然に從つてさへ居れば、ふゆ人間は何時も無病息災であります。冬は寒いかこわたかつあつあたゝかたこんぽんてきけんかうはふら冷たいものを食べ、夏は暑いから溫いものを食べる、これが根本的の健康法八月一四五

## コマ87

病氣相談十二ヶ月一四六と云ふのは夏は腎臟の僻ぎが鐵くなつて、であります。小便の出やうが少い、せひその代り皮膚が盛んに働いて汗が餘計に出る、新陳代謝の作用は、主もに皮膚が營むことになります。然るに暑いからとて氷水を飮んだりすると、血管が收な織して活が引込む、無理に汗を引込ますのは一番毒になる、だから夏は成るべく働いて汗を出すがよろしく、汗が出たならば手拭を水に浸して拭くか、湯に入るかする、湯上りに冷水を被ぶるのは、虛弱な人でも耐ふるものです。, appか涼しい座敷で冷ビールを傾け、氷水を飮み、晝寢などして直ぐ風邪を慕くのあまは、夏の暑さを服從し得ず、强ゐてこれに反抗し、人工を加へ過るからであります。冷藏庫などで食物を冷し過ぎるのも餘り宜しくありません。氷水でもアイスクリームを食ふやうに、少しづゝ舐めずつて居れは、〓凉劑となつて左程汗を引込まして、害もありませんが、大口にガフ〓〓飮むと、折角の新陳代謝を妨げることになります。さ食物は、その季節々々に出來たものが一番によろしい。秋から冬にかけてはしお動物に脂肪が殖え、また食べても美味しいが、夏は不味い、春夏は植物が最も繁茂するので、野菜類は何よりもよろしい。夏はまた瓜類や果物が熟して、吾自然がよると云ふに、人の渴きを止めくしたものです。暴飮暴食して赤痢になが消化されずに、り、コレラになるのは、胃の内容物直ぐに腸に送らるゝからです。大抵の黴菌は、胃液中にある酸類に逢へば、その活力を失ふものです腸は黴菌の極樂世界ですから、ぞんぶんはんしよくが、そのまゝ腸に達すると、思ふ存分繁殖して〇し害毒を逞ふすることになる故、殊に夏季にあつては、暴飮暴食は愼まなければなりません。』月

## コマ88

病氣相談十二ヶ月一四八第五章ソバカスと其治療法なつソバカスが殊に餘計目立つやうになるが、ことよけ、ただ一監これ問『夏になると、はどうすなほれば癒るものでせうか』えいやうふりやうたおこいひとだ答『ソバカスは、營養不良の爲めに起ることがありますから、さう云ふ人は第えいやうよかんじんとふやく一に營養を良くすることが肝腎です。それから塗布藥はいろ〓〓ありますが、こんち最近はアクトーとふゆうるなか〓〓根治は六つかしいものです。ルの塗布によつて全治しいれたくさんまばんきくすりいたと云ふ例が澤山あつて、先づそれが一番によく利く藥と云はれてゐます。』た一監これはどうす九月第一章赤痢チフス等の傳染病黴菌なつあきうつせきりとうでんせんびやうひじやう問『夏から秋への移り目になると、赤痢、チフス、コレラ等の傳染病が非常におほきたいこれらひやうげんばひ多くなつて來ますが、一體此等の病原はどこから入るものでせうか』でんせんゞやうこきふきはひひふはい答『傳染病には、呼吸器から入るものもあれば、また皮膚から入るものもありせきりとうばいきんたゞくちばかはひゆますが、チプス、コレラ、赤痢等の黴菌は、唯口から許り入つて行きます。そくちはひばいきんどこゅまのどとほへんとうれで口から入つた黴菌は何處へ行くかと云へば、先づ咽頭を通るときに、扁桃せんやぶはひへんとうせんきづまことはやい腺を破つてそれから入る.扁桃腺に創傷のあつたときは誠に入り易い、それ故へんとうせんえんか·ゐこれじでんせんびやうやすへんとうに扁桃腺炎に罹つて居ると、此等の傳染病に罹り易くなります。それから扁桃せんはいばいきんしよくだうとほゐなかはひゅしかゐ腺に入りかねたところの黴菌は、食道を通つて胃の中に入つて行く、然し胃の九月

## コマ89

病氣相談十二ヶ月一五〇ばいきん ころしまう中には胃酸と云ふものがあるから、大抵の黴菌は殺して了ふけれども、胃加答兒とか、何とかゞあると、此の殺菌作用に弱くなつて居るからして、黴菌は死十五か、なゝい、即ち胃病があると、此等の傳染病に罹り易くなる故、此等のものゝ流行時には胃腸を丈夫にして置くことは大切の注意であります。黴菌が胃を過ぎて腸に入ると、もう此處は黴菌の爲めには極樂園ですから、思ひのまゝに繁殖することが出來ます。そして腸の淋巴腺に入つて、それからズツと身體中に廻る、そして淋巴腺や、心臟、肝臟、骨髓等に入つて繁殖してびやうてきしやう〓〓盛んに殖えて、今度は始めて病的症狀を呈するのですが、此の黴菌が體內に入つてから固有の症狀を發する迄の間は、しやう〓〓南人生十在即ち潜伏期と稱するものであつて、腸八丁目チフスにあつては大約二週間、赤痢にあつては一日乃至八日、コレラは一日乃か至四日の潜伏期があります。』傳染徑路ほ問『黴菌は、口から入るとして、此等のものゝ傳染する徑路はどういふものでせうか』答『此等の傳染病は、普通八、九、十の三ケ月に流行するが、腸チフスや赤痢は殆んど年中あると云つてもよろしい位です。そして此等のものゝ傳染は、本小病患者の大便或は尿を以て汚染せる水を飮用し、或は糞尿を洗滌る河水を使用したりして起ることが多い。東京市に於ては、改良水道を敷設以來本病をところ〓〓見ることが少くなつたが、それでもまた井戶が處々あるので、此の井水を雜用に使ふところから傳染することが間々あります。一體多くの人は、飮用水さへ+ゐだう水道水であれば、雜用水は何でもかまはぬやうに心得てゐますが、これは間違であるから、飮用水、雜用水の區別なく、凡て水道のある處はそれを使はなけ九月此等のものゝ傳染する徑路はどういふもので

## コマ90

病氣相談十二ヶ月一五二ゐなかくわんじやふんねうよごかすあらればなりません。また田舍などでは、患者の糞尿に汚れたるものを河水にて洗かりうだいりうかうきたいれいちういひ、下流のものに大流行を來したなど云ふ例がありますから、これも注意しなければなりません。いんしよくうつでんせんばいかいなことせってぎつにうとうもちそれから飮食物が傳染の媒介を爲すことがあり、殊に小兒には牛乳等を用ひあるひだふとこかぐとうげんいんきんけいたいしやてくわたり、或は駄菓子の買ひ食ひ等が原因となることもあり、菌携帶者の手より果じつとうかいでんせんたくわんじやいふくきぐとうやはりでんせんばい實等を介して傳染することもあり、その他患者の衣服、器具等も矢張傳染の媒かいしや介者となるものであります。ほんびやうりうかうどきあたけんかうしやちばいきんふくそれからまた本病の流行時に當つては、健康者の口腔に黴菌を含むことがあひとかぜひへんとうせんえんか、いはじばいつて、その人が風邪を惹くとか、扁桃腺炎に罹つたとか云ふときは、初めて黴きんとの様々たくましばつゆやう明治3年1逞ふして發病することもあります。』豫防法これらで問『此等のものは元より法定の傳染病で、ミはふでいじれうぢきわか自療治の出來ぬと云ふことは物つてよばうよろゐますが、さてこれを豫防するには、どうしたら宜しいでせうか』これらでんせんびやうおほまばいきん飲食物と共に口腔ともちはひこばあひ答『此等傳染病の黴菌は、から入り込む場合が多いから、先だいんしよくもつもついちばうとうりうづ第一に飮食物に注意しなければなりません。地方ではチフス、コレラ等の流かうひやうくわんじやもちじゆばんをしめせんたくかすゐいんれうふう行病患者の用ひた襦袢や襁褓などを洗濯したり、その河水を飮料とする風はいまなたとうきやうばすゑゐどただふけつもの今尙ほ絶えぬところがあります。また東京でも場末になると、井戶端で不潔物せんたくあくしふいぜんあらたこれじじつきけんを洗濯するの惡習は依然として改めないが、此等は實に危險千萬であります。すゐだういんしよくようもちろんさうみづぜゐだうみづしようそれですから水道のあるところは、飮食用は勿論、雜水にも水道の水を使用すしよくもつはうめんふけつみせうゐせんべんしんこそっただることゝして、食物の方面では、不潔の店頭で賣つて居る煎餅、新粉其他の駄じゃじしちうよしめとうかゐ煮メ等は、〓けんゆゑ菓子、また市中を呼び賣りして居る煮豆、危險故、買つたそのまゝたどひ必ず一度火を入れ直あたるなほなましよくさしみに食へずに、さぬといけません。また生にて食する刺身や九月

## コマ91

病氣相談十二ヶ月一五四善九飲食物は唯安野菜などは、餘程その品質を吟味しなくてはなりません。すべて大もあ價と便利とのみに重きを措かずに、その製造元の〓潔と云ふ點に注意を拂ふべ子供に錢を持たせて、、きもあつて、最寄りの不潔な駄菓子を買はせて顧みないてやうでは、迚も家庭の衛生は行はれません。は、ねっ头次に傳染病の媒介に有力なるは鼠と興とであります。即ち鼠や蠅は自由に此いり等傳染病患者のある家の便所に出入して、その病菌を尾や脚に附着せしめて、近所合壁に運搬するから、便所と臺所との改良が急に行はれぬまでも、せめては飮食物を入れ置く、戶棚の內面に鐵葉張位を施して、鼠だけでも防いで欲しは、い。然し今日の處では、膳椀等の食器に蠅の飛び着かぬやうにすることは、云ふ好方べくして行はれざる事柄ですから、一般家庭の注意としては、汲み置きの水を使用せぬこと、爼類は使用前によく洗ひ燥かして置くこと、庖丁、布巾等をEyeの た六合同樣燥かし置くこと、調理または掃除に使用する器物は、使用に臨んで必ず町ね嚀に洗ひ取ること等であります。一體總ての黴菌は濕氣と溫氣とによつて發着も とし.日光に途ふに死滅するものであるから、乾燥と云ふことは最も大切であります。』第二章溫泉浴溫泉の利く理由問『此の頃には、よく湯治に出かける人がありますが、一體溫泉はどういふわけで、人體に効のあるものでせうか』答『湯治は、どんな効があるかと云ひますと、身體の保護愛撫と云ふやうに思はれますが、實際鹽分合有泉にて瘡氣を消することは一つの刺戟であります。九月一體溫泉はどういふわ

## コマ92

病氣相談十二ヶ月一五六人體が此の刺戟に堪へてその反應によつて機能が一變するときに、療養の効がくSI顯はれるのであります。また溫泉浴はその効能の現はれるまでは、一囘や二回では不可なく.同じ鑛泉でもその所在地によつて効能が違ふと云ふのは、それはその土地の氣候や地理的の關係が、人間の身體に鑛泉と同じやうな作用を爲す爲めであります。一體溫泉に浴すると云ふことは、溫度も非常な關係があるが、その湧き出す溫泉の量によることも多い、一例を擧げると、さのみ溫度が高くなくても、量33kの多い溫泉は冷くても湧出の少い溫泉よりは遙に溫い、殊に溫泉の湧出量が前日變つたり、溫度も日々昇降したりするところは決して適當なところではな岩の裂けい。本邦の溫泉には、よく雨の日に溫度の上ることがあるが、これはいで了ふふからであります。目に雨が入つて、溫泉の〓の蒸發する途を塞それから俗に鹽湯は溫まると言ふが、同溫度の水も常の水と鑛泉とを比較すると、よか鑛泉の方が保入るつの力が强いからで、これは鑛泉の中に溶けた鹽 があつて、鑛cop泉が冷めるときは、此等の鹽類は沈澱して結晶するが、その結晶に當つて熱を發するから、常の水よりは、より多く源度を保つわけであります。鑛泉を成るべく濃くして拵へた湯河原の湯婆などが、一旦熱くなつて溶けた鹽類の再び結晶する際更に熱を發するなどは注意すべきことであります。それから炭酸瓦斯は、だ溫泉の中に三種の形となつて含まれて居ます。第一は、游離炭酸 斯で、泡の中に混つて居るもの第二は、温泉の中に溶けて居るもの第三は、重炭酸鹽類が、炭酸鹽類に變化する際發するものでありま<す。泡沫狀炭酸瓦斯、即ち俗に云ふ泡湯などゝ唱へるものは、水の溫度は低いけれども、浴すれば温かい、これは理學的性質即ち「熱傳導能」の弱いからで九月一五七

## コマ93

病氣相談十二ヶ月一五八みづ(38°をんどちが十五あつBakいをんあります。それから水と空氣とは沮度が違ふ、即ち熱くも冷くもないと云ふ温どくうきへいきんとみづなしとぶ度は、空氣では平均二十二度であるが、水では三十四度乃至三十六度四分ですみづくうきはうあんたいたんさんがすねつでんだうから、水より空氣の方は温かいわけであります。此の理田が炭酸瓦斯は熱傳導よわひふふぶぶんあたゝかつめたんさんせんが弱いために、皮膚に觸れると、その部分が溫くなる、だから冷たい炭酸泉によくあたゝかみかん十五たんさんよくほんたいけつわうきびやう浴しても溫味を感ずるわけで、これが即ち炭酸浴の本態であつて、血行器病しんげいしつくわんおうようかうもっとおほゆゑんや、神經疾患などに應用すると、効が最も多い所以であります。』ラヂウム、エマナチオンの効あんじをんせんがくをんせん望た問『新しい溫泉學によれば、温泉の利くのはラヂウムエマナチオンの爲めであじじつると云ふが、事實さういふものでせうか』ふなをんせんにほんたくさんをん答『ラヂウム、エマナチオンを含む温泉は、日本に澤山ありますが、これは温せんちうがんいうりやういじやうち,かち泉一リーテル中の含有量が三、五マツヘ以上でないと治療の價値はありませにほんがんいうりやうしよん、日本にこれだけの含有量のあるのは、十三四ケ所よりありません。エマナしゆきふにふせうたいしうゐたいききちうチオンは主として吸入し、そうかう生體の周圍の大氣氣中のエマナチオンによつて奏効くわうせんちたうりうこゆゑするものであつて、エマナチオシ鑛泉地に逗留するは此の故であります。エマまんせいつうふうしんけいつうしばうくわたしゆかくしんけいすゐじやくナチオンは慢性リウマチス、痛風、神經痛、脂肪過多、酒客、神經衰弱、氣管しかたるびかたるたしゆぐびやうきかう支加答兒、鼻加答兒その他種々の病氣に効があります。えうをんせんきいしゆ〓くわんけゆをんどてい要するに温泉の利くと云ふのは種々の關係であつて、湯の溫度の一定せるこふうどきこうくわんけいせいくわつじやうたいぺんとうおも風土氣候の關係しかひと.ふびやう生活狀態の一變等が主なるものですが、然し皮膚病でをんせんがんいうぶつものきいわうせんあたみありまあると、温泉の含有物その物が利くので、いそべとうしよく硫黃泉に、熱海、有馬、磯部等の食えんせんここるるなせんしよざいちかうていくうき鹽泉であります。かんしつまた此の鹽類泉は所在地の高低、ゆんた空氣の乾濕によつて、身體をんだかんどちがおなしよくえんせんあたみしほばらしゅに溫度を感ずる度が違ひます、くみみ同じ食鹽泉の熱海と、鹽原の鹽の湯に比べて見ぜんしやうみそSatしつじゆんしほばらひふめんじようはつおそると、前者は海に沿ふて空氣が濕潤で、鹽原よりは皮膚面の蒸發が遲いため九月一五九

## コマ94

病氣相談十二ヶ月よくごをんかんはなはだに、浴後温感が甚しく、す。』、一六〇すなはしげききようれつ即ち刺戟が强烈でありまときのぼ時に逆上せることがある、温泉と氣候との關係をんせんれうやうちうたら米ぶんじかたCatをんせんしよざいちさんすゐ問『温泉療養中、その大部分の時間を費すのは濁泉所在地の山水ですから、そとちきこうすくなじんたいえいきやうおよめんぶいかゞの土地の氣候は少くなからず、人體に影響を及ぼすことゝ考へますが、如何のものでせうか』まをかれはつけんもつせかい答『それは申すまでもないことであります。彼のエマナチオン發見を以て世界なだかをんせんごどは、さんじやうふうくわうめいびに名高きガイスタイン温泉の如きは、アルプス系の山上にあつて、風光明媚かうざんしよくぶつはうかうはなゐししんこきふうれぶぢんあいなで、高山植物は芳香を放つて居るから、知らず識らず深呼吸をし、塵埃も無たいやうきやうくわうせんよくをんせんちほやうちかちく太陽の强光線に浴するからして、温泉地でなくても、保養地としての價値じうぶんくうきでんきえいきやう、ちういは充分にあります。それから空氣電氣の影響も注意すべきものであつて、リウくわんじやらいめいさきだからだいじやうたんよげんすなはくうきマチス患者が雷鳴に先つで、〓體の異常を感じ、それを豫言するは、即ち空氣ちうくわへんとうじんたしゆはんおうてい中のイオンの多寡變動によつて、人體に一種の反應を呈するからであつてありをんせんあっひきこうれうぢしよざいちきこうならびしうゐふうくわうしごます。ですから温泉或は氣候療治、その所在地の氣候並に周圍の風光と至大のくわんけいいうとうしつをんせんしよざうちかうくわこと關係を有し、同質の溫泉にても所在地によつてその効果を異にすると云ふこと赤水なほたさんしやくてきちせんたくを考へ、尙その他を參的して適地を選擇しなければなりません。』溫泉場の選擇適當の溫泉場をてきたうせんたくいかちういえう問『それでは、選擇するには.如何なる注意を要するでせうか』ばんじんみかくべつちういばらちういぶが答『先づ一般人のやるところを見るに、格別注意を拂はぬやうであり、注意深きは醫師の意見を聞く位のものですが、いしけんきreasをんせんばせんたくあたまたん若しも温泉場の選擇を誤るときは、單むい··ひようじかんDieなあるひたかへふそくに無器の費用と、時間とを費すばかりで無く、或はこれが爲めに、反つて不測九月一六六いかちういえう如何なる注意を要するでせう

## コマ95

病氣相談十二ヶ月一六二がいあつじなかぎたんほけんもくてきの害を蒙ることが無いとも限りませんから、けんかうぞうしん單に保健の目的健康を增進するもくてきひとれうびやうもくてきひと目的の人であつても、いうさうたうまた療病を目的とする人であつて、ちうい何れも相當の注意をえうせんたくついちしきおよけいげん要するものであつて、しさうだんその選擇に就て、その知識及び經驗ある醫師に相談せねばんてきちういあみばならぬが、その一般的注意を擧げて見えるとよくきやくがはおいちういてん浴客側に於て注意すべき點は第らうにやくだんぢようつ老若男女の別だぐいしつきやうじやく第二體質の强弱だにしつぺいいうむそのしゆるゐならびけいぢうべつ第三疾病の有無其種類並に輕重の別だいたうぢもくてきそのきせつ第四湯治の目的と其季節どいひようたせうけいたいひん第五費用の多少、携帶品のことつ生をんせんぢやうついちうい次に溫泉場に就て注意すべきことはだいさんかんかいがんとくわいちしうゐちせいおよけいしよう第山間、海岸、都會地、周圍の地勢及び景勝だきよりゑんきんかうつう大なしやかうくわんけいわうふくえうじかんたせうりよかう第二距離の遠近.交通の便否、社交關係往復に要する時間の多少、旅行のなんい難易たんすき〓きこういしよくぢうは、おぶいか第三風土、氣候、衣食住の整否.物價たいせんしつをんせんしゆぢかうのうがんりやう第四泉質、溫泉の主治効能、エマナチオンの含量たよくぢじやうはつはやんすふよう第五浴治上の設備、醫藥の給用第をんせんばしよおよそのきんばうゑいせいじやうきやうとくじやうせゐげすゐとうはつはでんせんびやうりう六溫泉場所及び其近傍の衛生土の狀況特に上水下水等の設備、傳染病流かうびやういうむにんじやう行病の有無、人情だいじどうけういくじやうせつぶいうぎぢやうじらるきけんいくるがいちうどくむしとうわらわ第七兒童〓育上の設備、遊戯場の有無、危險の有無、害蟲、毒蟲等の有無たにかうさいおよごとくじやうくわんけいよくきやくしゆるね第八交際及び娯樂上の關係、浴客の種類とう等であります。』九月一六三とくわいちしうゐちせいおよけいしよう都會地、周圍の地勢及び景勝かうつう大なしやかうくわんけいわうふくえうじかんたせう交通の便否、社交關係往復に要する時間の多少、りよかう旅行のがいちう害蟲、どくむしとうわらわ毒蟲等の有無一六三

## コマ96

病氣相談十二ヶ月一六四溫泉入浴の心得てきたうをんせんば問『さていよ〓〓適當の溫泉場を見附け、たらくいぼあひすなはいよ〓〓湯治すると云ふ場合、即ちにふよくちうらえう入浴するにはどんな注意を要するものでせうか』うともつとたいせつもつとが答『これは尤ものことであつて最も大切のことであります、い尤もこれは一〓にいできだいたいのまき云ふことは出來ませんが、じけるあききその大體を述べると、先づその時期は、春秋の二期もつとたいざいにつすうしうかんぐらゐふつうをんせんばが最もよろしく、おきくその滯在日數は三週間位が普通であります。溫泉場に着したにちぐらゐせいやうたうぢにふならば、一日位靜養してから。いよ〓〓湯治にかゝるがよろしく、またその入よくはうはふおよじかんちやうたんせんしつよくぢもくてき浴の方法及び時間の長は、かくことな泉質、浴治の目的によつて、各異るものですが、だいたいのさとほ大體を述べると左の通りであります。ほけんもくてきかつきばあひさいしよりやうじつかんにちSSぶんい一、保健の目的で湯治をする場合には、最初一兩日間は、一日一回三十分以なごにちSSにふよくなにふよくじかんみじ内、その後は一日二回まで入浴してもよろしいが、成るべく入浴の時間を短一六四すなは即ちれいせんつうじやうにふくじかんみこちうとうをんかくするがよろしい。冷泉にあつては通常入浴の時間を短かくし、中等の溫せんのかぎじかんらゐざいよくさしつかへ泉にあつては、逆上せざる限り、一時間位までは在浴しても差支がない。まんせいひふびやうたまたたうぢにちくわいじかんいな、にふよくニ、慢性の皮膚病を癒す爲めの湯治にあつては.一日一回一時間以内入浴し、ふちやうじじつたたうぢ且つ長時日に亙りて湯治せねばならぬ。はいえんろくまくえんそのたしんしゆつぶつきふしううながもくてきたうぢうをんせん三、肺炎、肋膜炎其他滲出物の吸收を促す目的の湯治にあつては、何れの溫泉はんじかんないしじたながわたにふよくでも、半時間乃至一時間の長きに亙つて入浴するがよい。熱最又は體溫を昇騰せしむる溫泉、たいをんしようとうをんせんあるひこけいぶんおほをんせんしげきつよ四、或は固形分多き溫泉は、その刺戟强かひらうはつにふよくくわいふんないしんぐらぶんかんく、且つ疲勞を發するものであるからして、入浴は一回十五分乃至二十分間かくじつあらなかめぐらゐよくにふよくとして、隔日か或は三日目位に浴することにしなければならぬ。そして入浴力を在よばうたよくごもちろんにふよくちうおいしっぷに就ての逆上を豫防せんが爲め、浴後は勿論のこと、入浴中に於ても冷濕布もいとうぶおほれいすゐじよろおこなよくを以て頭部を被ひ、または冷水如露、マツサージを行はねばならぬ。また浴九月一六五うをんせん何れの溫泉

## コマ97

こ病氣相談十二ヶ月れいすゐじよろよくぜえしんおこなひつえうみぎやう一六六後には冷水如露浴を全身に行ふ必要がある。しだよういた のくせひとなうしんけいすゐじやく右樣の次第であるからして、容易に逆上せる癖のある人や、なうばいどくせきずゐらうとう腦神經衰弱、ヒステリー、腦黴毒.脊髄癆等のくわんじやこれらをんせんきんもつ患者には此等の溫泉は禁物である。游離の炭酸、いうりりうくわすゐそありうさんがナはつせいおほ五、とう硫化水素、をんせんはひ、硫硫酸瓦斯等の發生多き溫泉に入るときは、まくうきりうつうちうい先づ決して密閉した浴室けつあつてよくしつ空氣の流通に注意して、にふよくこちういおよびときちつそくまわv.おそで入浴してはならぬ。此の注意を怠るときは、とき時として窒息に陷るの虞れがあり、しばうまた時にはそのまゝ死亡くしつこうざうふくわんぜんすることさへある。これは浴室の構造が不完全なるばかりでなく、にふよくといちういいたまた入浴者不注意の致すところである。いうりえんさんりうさんとうをんせんよく六、わきのしだ游離鹽酸や、うちもゝとうびとんはつ硫酸等のある溫泉に浴すると、腋窩、內股等に糜爛を發するさことがあるが、つうこれも避くべきことである。<これは苦痛であるばかりでなうはかはそんあつくその上皮の損傷したるところから、びやうどくしんにふいろ〓〓な病毒が侵入するの危險がきけんせけんこびらんもつしゆくせきびやうどくはいぢよひつえうある。世間では此の糜爛を以て、宿昔の病毒を排除するに必要があるなどゝから水かへこれよろこふうごかいもかうのうをんせん考へ、反つて之を喜ぶの風あるが、これは誤解である。若し効能のある溫泉かやう越えるいうかうくつうひらうならば、斯樣のことをせぬも、必ず有効なわけであり、すべて苦痛や疲勞をきたにふよくきんもつこゝろえ來す入浴は禁物と心得ねばならぬ。たにふよくちうはやおきはやねばういんばうしよく〇しかだせつせいまもその他入浴中は.早起夙寢をして、暴飮、暴食を憤み、堅く攝生を守らねばなりません』服湯の効能及其注意をんせんれ、にふよくこれふくようかうのうい間『溫泉は啻に入浴するばかりでなく、之を服用しても、効能があると云ふこちういうけたまはとですが、その注意を承りたいものです』しんせんゆうしゆつをんせんてきたうもちやくどうやうかうのうぐわんらいをハ答『新鮮湧出の溫泉を適當に用ひれば、醫藥と同樣の効能があります。元來溫せんたりやうこけいぶんもがすがんいうゐあば·あにふ衆は多量の固形分若しくは瓦斯を含有して居るものですから、或る場合には入九月一六七ばういん暴飮、ばうしよく〇し暴食を憤み、かだせつせいまも堅く攝生を守らねばかうのうい効能があると云ふこ

## コマ98

病氣相談十二ヶ月一六八浴して効の無いものも、からな服用して人體の疾病を輕快ふくようじんたいし、べけいくわいもぢゆかうりよく若しくは治癒せしむる効力いろこんにぢいかしやうようじんこうを有するものであります。せんえんど今日醫家の賞用する人工カルルス泉鹽は、いつ獨逸のカせんがんいうぶつせいこれみづルルス泉の含有物になぞらへて製したもので、とてんねんくわうせん之を水に溶かして、天然の鑛泉のうどふくようゐしかてんねんの濃度にして服用して居るが、およきんらい然しそれでも天然のものには及ばぬから、近來せんがんいうぶつこけ.てんねんせんえんそばののの有有物を回形として然然ルルス泉臨を用ひることになつもちす。をんせんいんりやうにちくわいぐみゐはじは溫泉の飮量は.きもらわる一日一回六十グラム位より始めて、吐いたり、氣持が惡くなにちくわいつたりすることがなかつたならば、およ3/3なし一日二回に及ぼす、その量も四百乃至五百ふくようじこくあさめしまへゆふしよくぜんとうグラムまではよろし、ふくごせうえうさんぽ服用する時刻は朝食前。夕食前等にて、服後道遙散步すひつえうちういるなどは必要の注意であります。』湯治を禁ずべき人たんちわるひと問『湯治して、惡いと云ふ人がありますものでせうか』をんせんけんかうひともちろんたいていまんせいびやうにちよくさしつかへ答『溫泉は、健康の人によつては "論、大抵の慢性病にあつては入浴して差支ねつはつしよびやうきふせいひふびやうなうしつくわんしんざうびやうむみがありませんが、熱發諸病、急性の皮膚病、腦疾患心臟病水腫のするもきふせいしやうとうみなきんの、急性症等は皆禁じなければなりません。しろうとゆあたたちたうぢおよびはじあひだからだこしやうしやうまた素人が「湯中り」と稱し、湯治には必ず初めの間は心身に故障を生ずるゆそうかうちようこうしんゐもので、これあるのは、湯の奏效した徵候であると、信じて居るやうですが、まつたこかいもひとやまひてきをんせんてきはふよくだっこれは全く誤解であります。若しその人とその病とに適した溫泉に適法の浴治はふ每人大あたけつ〓あたがいかうむたうちかうそう法を行ふに當つては、決して湯中りの害を被らず、湯治の效を奏すべきものでしかにふよくごけんたいかんどことうつうおぼあるひしよくよくげんあります。然るに入浴後倦怠を感じ、何處となくに疼痛を覺へ或は食慾減しんきかうしんうつうらまえじんけつはつまたみやくすうまけつあつかくこきふじ、心悸亢進、頭痛、眩暈、衂血を發し、又は脈數を增し.血壓を感じ、呼吸こんなんはつねうりべんつういじやう〓〓とうしんけい困難を發し、尿利、便通に異常を呈する等のことがあつたならば、それは神經九月一六九

## コマ99

病氣相談十二ヶ月一七〇じげきちようこうまにふよくくわいすうの刺戟を受けた徵候であるから、ぶんみなみぎ先づ入浴の回數を減じて見、それでも尙ほ右やうちようこうにふよくてきちようこう樣の徴候があらば、きん入浴の適せざる徵候であるから、それを禁じなければなりません。』十月第一章腦充血と其治療法逆上せて顏がのぼばあかがち赤くなり勝ですが、あき逆上せて顏がのぼばあかがち問『秋になると、でせうか』いしやはうなうじうけつい答『醫者の方ではそれを腦充血と云ひます、これはどうすればよろしいこのびやうきげんいん此病氣の原因となるものは、むろん無論きこうくわんけいせいしんかうふんらうどういんしゅとうがんめんいちじる氣候の關係もありますが、精神亢奮、勞働または飮酒等であつて、顏面が著しあかづつうめまえとうはなはだそつたういたく赤くなり、頭痛、眩暈等になり、甚しきは卒倒するに至ることがあります』なうじうけつまくらたかあたまこほりぶくつひやおも腦充血のときには、枕を高くして、頭を氷囊で冷ますがよろしく、重いのこむらかいしではけきぎかぶいうだうまんせいなうじうは腓腸部に芥子泥を貼つて、血液を下部に誘導するがよろしい。また慢性腦充けつすなはのばしょうひとつねべんつうやうにちろかんじょきつえんきんさい血、即ち逆上せ症の人は、常に便通がある樣に心がけ、飲酒、喫煙を禁じ、菜しよくじやうとうおもちうい食を定とする等は主なる注意であります。』第二章第二章腦溢血(中風)中氣の原因ちうきやはりのぼせしやうおほしうきおほ問「中氣も矢張逆上症の多い秋季に多いやうですが、おほ多いものでせうか』十月たいいひとこれは一體どう云ふ人に

## コマ100

病氣相談十二ヶ月一七二やばりふとくびおちゃんひときあたちカミ答『矢張肥つて頸の短い入に來ますが、必ずしもさうと限つたものではありまだこびやうきゐでんくわんけいゆゑふそほんびやうたほひとしそんよせん、第一此の病氣は遺傳の關係がある故、父祖に本病に倒れた人の子孫は餘ほどちういつねさけひとおほばいどく程注意しなければなりません.それから常に酒を嗜む人に多く、また黴毒も有りよくげんいんこゝまひおもそうちうすし力なる原因となるものであります。そして此の病の重いのは卒中で直ぐに死んしまかるいばゆるちうきはんしんふずゐで了ふが、輕いのは所謂中氣で、半身不隨となります。』中氣の豫防法こびやうきはなはびやうきよばうはうはふ問『此の病氣は甚だいやな病氣ですが、どうか豫防する方法はありませんでせうか』なういつけつおもげんいんいんしゆばいゝくしんざうびやうさけ答『腦溢血の主なる原因は飮酒、黴毒、心臟病の三つですから、酒を飮まぬやがうやくかいころゝしんざうびやうひとやうじやうまもう.六百六號の厄介にならぬやうに心がけ、心臟病ある人はよくその養生を守いたそべんつうtchaかんそうゐでんひとさけのひとなどり、平素便通あるやうに注意が肝要です、それから遺傳ある人、酒を嗜む人等よばうはうはふどうか豫防する方法はありませんでせり、れいすゐおこたおこなとき〓〓いししんざつうけつあつたかは冷水浴を怠らず行ひ、また時々醫師の診察を受けて、血壓の高くなつたときざふくようかかうはかなとしゆよばうはふには、ヨード劑を服用して、その下降を計る等は主なる豫防法であります。』卒中の應急手當法もとつぜんそつちうおこひと;よろ「若し突然に年中の起つたんのあとこにはどういふ風にしたら宜しうか』むろんかたどきは、しやむかしかそったうじんじふせい答『無論片時も早く醫者を迎へねばなりませんが、然し卒倒して人事不省になあらっあまおほごゑよゅおこしては反つて害になりか、つても、驚きの餘り大聲に呼んだり、搖り起したりなどきけんぼしよかぎいしやおはうますから、危險な場所でない限りは、醫者の來るまでソツとして置いた方がよとうぶたかしうわうぐわいふくゆつきようぶひろろしい、そして頭部を高くして靜かに横臥せしめ、衣服を緩め.胸部を廣げ、しんせんくうきふあたまこほりまくらで稱しなどはよろしい。しろうとくわん新鮮の空氣に觸れしめ、頭を氷 囊それから素人は患じやよさまみづあ、ひけならほうたんくち者を呼び醒さんとして水を飮ましたり、或は薄荷や實丹などを口に入れるが、十月一七三

## コマ101

病氣相談十二ヶ月一七四法大正きうんかやうこならかいしでいはこれは甚だ危險ですから、斯樣なことはせず、それよりも腓腸部に芥子泥を貼そうしないしひき〓るっちとるか、其の後ろに十五乃至二十匹の水蛭を貼けて、血を取るのもよろしく、そくわんちやうcafeはうべんうなが、うないけつあつしくんかうれから灌膓を施して排便を促すのは、腦內の血壓を弛緩せしむる效がありますかたまこれおこなましろうとちこなうれうはふみぎとほから、必ず之を行ふがよろしい、先づ素人の行ひ得べき療法は右の通りです、その外はすべて醫者に一してけけばなりません。』ほかいしやに第三章便秘とその療法あき大なおこがちべんつう問『秋になると、よく便秘が起り勝のものですが、うか』だし大分けきたいんしよくもつさ表在あかぶだうしゆ答「第一に便秘を來す飮食物は避けねばなりません、即ち赤葡萄酒、じゃとうぺんぴかえもーデ、カカオ、ココア、茶.コーヒ等は便秘させる傾きかあります。便秘とその療法大なおこがちよく便秘が起り勝のものですが、べんつうどうしたら便通がありませシヨコラはんつきまた半搗おしま米むぎめしやさいとうきか、きちやううんどううながかう麥飯、ゾバ、其其、野菜等は器械的に脹の運動を促すの效があり、ヨーグくわじつくわがくてき果汁等は化學的に腸運動を刺戟する故、くわじふとうちやうううしぎきゆゑらものPaルト、バタ、果實、これ等の物を常にもちはうくわじつちうぶだうことけつこうたはちみつ用ひてゐた方がよろしい、果實中葡萄は殊に結構であつて、その他蜂蜜.ジヤあましろぶだうしゆぶだうじういちごじうとうけつこうあさおすれいム、甘い白葡萄酒、葡萄汁、莓汁等も結構です。それから朝起きると直ぐに冷すゐはちつきたしよくえんすゐつつたぎうにうつれたとうの水を一杯呑むか、または冷き食鹽水冷き牛乳、冷きリモナーデ等を飮むがよこれらはうはふたいていつうげざいしふくわんなろしく、此等の方法にて大抵は通じがつきます、下劑は習慣になるから成るべもちはうえぢやうつくちちゅく用ゐぬ方がよろしく、又止むを得ざるとまには、カスカラ錠を十粒ほど使用するのです。』第四章广六はんたい問『便秘の反對に、十月下痢と其療法たくげりひと數次に下痢する人がありますが、てあてそれはどう手當したらよ一七五

## コマ102

病氣相談十二ヶ月一七六ろしいでせうか』答『下痢にはいろ〓〓ありますが、その何れの種類を問はずに、初めには腸に何か惡い物、B早く云ふと毒になるものが入るか、溜るかする爲めに起るものでたすから第一に下劑を以て之を掃除して了ふと、ざう)それだけでも癒ることがありまさす。下劑にはいろ〓〓ありますが此の場合に素人用として可なるは、ヒマシ油で、それを二〇、○或は三〇、○ほど飮み、そして腸の中にあるものが、しつかり出て了つたならば、今度はデルマトールと云ふ止瀉劑の三、○を三回に分けて一日三回に分服します。それからゲンノシヨコと云ふ、蔓草の蔭千にした(菜種屋にあり)ミもの十匁に水五合入れて、三合に煎じつめたものを二日に服これは民間療法ですけれども用するのですが、非常に效があります。』一七六第五章若白髮と其治療法も、問『敢て秋に多いと云ふわけではありませんが、若白髪は此頃よく目立つやうですが、これは癒らぬものでせうか』た答『從來は、殆んど癒らぬものとしてあつたが、最近亞細亞丸を長く服用する然しそれは强い藥でもあり、yと、自然に黑くなると云ふことが判りました。まおひ〓〓·B.た追々にその分量を殖やして行かねばならぬ故、元より醫者の手當を要するものであります。』若白髪は此頃よく目立つやう十一月

## コマ103

病氣相談十二ヶ月一七八十一月第一章第一章糖尿病糖尿病とは何ぞやちかごろだいゑたうねうびやういびやうめいず問『近頃大分糖尿病云ふ病名を聞きますが、これは一體どう云ふ病でせうたいびやうきか』たうねうびやうしんげんいん〓め、さいいじやうじやうりう『糖尿病の眞の原因は不明ですが、だんし答おほいくぶんゐ四十歲以上の上流の男子に多く、幾分遺てんくわんけいばいきんみつせつ德菌とは密接の關係があり、くいんけしんけいせるじやくた傳の關係もあり、たるまた神經衰弱の爲めにも起ります。糖病これは一體どう云ふ病でせうたいびやうきたうねうびやうひまんげんぎやうさうひときたしよきさほとぢうだいしやう〓〓糖尿病は肥滿して一見强壯らしき人に來り、また初期には左程重大な症狀をていゆゑかくべつなおもるうちおひ〓〓びやうせいどうしんゆ呈せぬ故、格別のことも無いと思つて居る中に、追々病勢が增進して行くことほんしやうはじしよくよくしよくみへんじやうさんせいおうとゐぶばうまんとう·があります。本症の初めには、食慾や食味の變狀、酸性嘔吐、胃部膨滿等があつ、わたれみゝりなづつうふみんのみまとうおことこゐねり、次で眩暈、耳鳴、頭重、不眠、逆上等も起りますが、その特異なるは、尿ち)たうぶんはいせつしかはいせつりやうひじやうおほ中に糖分を排泄することであつて、然もその排泄量は非常に多いものてす。そほかまんしやうとくいうちようこうしよくよくひじやうかうしんたたあの外本症に特有の徵候は、食慾が非常に亢進して、いくら食べても食べ飽きなからだやの咽頭は瓣りに濡くと云ふことで、どかわいしんいけれども.身體はだん〓〓痩せて來る.神けいつうひふさうぉうしげだつらくかおらげつけいふじめんとうきた經痛があつたり、皮膚に瘙痒があつたり.齒牙脫落、陰萎、月經不順等を來はなはだせいめいくわんす、甚しきは生命に關するものであります。』糖尿病の治療法たうねうびやうよういなほ間『糖尿病は容易に癒らぬと云ふがほんとうでせうか』十一月

## コマ104

病氣相談十二ヶ月一八〇はんしやうぢうしやう初期に充分なる治療を加へれば癒るものでありひとじうぶんちれうわ答『本症は重症の一つですが、なほびやうきくすりぶつにちじやうしよくじくわんけいぶがめます。此の病氣は藥物よりも、しいもるゐ日常の食餌が關係深いもので、米飯、芋類、パとうでんぷんしよくおほきんもつわれ〓〓にほんじんこまびやうきン等の澱粉食は多くは禁物であるから、まことしか我々日本人には誠に困る病氣です、然ひとことゆゑしよくやうこしそれも人によつて異なるもの故、じんえし食養は個人々々によつて選ばなければなりやくぶつあ〓そのほかたくさんません。藥物は阿片、方化皮うさんきジヤンブルシード其外澤山あり、らいまた漢法にては山歸來せんふくようわりあひかうを煎じて服用せしめたものて、これは割合に效があります。』第二章鼻加答兒と其療法このごろはんたぜひなほ問「此頃になると、よく鼻感冒を惹きますが。それはどうすれば癒りますか』はんだぜしやはうきふせいびかた答兒と云ひ、305ふけつ答くうききふにふとう『鼻感冒は醫者の方では、急性鼻加寒冷、不潔の空氣の吸入等おこじシいくどくさめでみづはなしるによつて起るもので、でおひ始めは幾度も噴嚏が出、そして水のやうな鼻汁が出、追きハこはなどうじのどたたかたせ追それが濃くなり、鼻がつまり、また同時に喉頭その他も侵さるゝ爲め咳嗽でづつうなみだでほんしやうかるしつないあたしが出たり、頭痛がしたり、淚が出たりします。本症の輕いのは、室內を溫かににちやするなまくすりくわいして一日も休んで居れば癒る。そしてアスピリンと云ふ藥を一回〇、五づゝ一にらくわいふくようどうじきふにふきじようきはなすたいてい日三回服用し.それと同時に、吸入器で蒸氣を鼻から吸ふがよろしく、大抵はりやうじつもなまなごはな.jをんしよくえんすゐ一兩日の中に癒るものです。尙ほその後の鼻腔のグツ〓〓は、微溫の食鹽水をきふにふしかほんしやうまんせいよういなほ吸入するがよろしいが.然し本症が慢性になると、容易に癒らぬばかりでなひこうせいびえんおろこうがいのこゆるなせんもんかちれく.肥厚性鼻炎などを起して、後害を殘すもの故、成るべくは專門家の治療をう受けた方かよろしい。』〓ー月一八一

## コマ105

病氣相談十二ヶ月第三章一八二第三章生殖器神經衰弱(陰萎.早漏、遺精等)と其療法このころしゅ〓〓せいしよくきびやう問『此頃にはよく種々なる生殖器病を起して來ますが、おこ守かんたんなほものでせうか』せいしよくきびやうすなはゃつきりよくふくわんぜん答『生殖器ばやもれゐせむせ.ふ病即ち勃起力不完全かんとうみなしゆ〓〓げんいんえう早漏、これら遺精、せいしよくしんけいすゐゝやく夢精、不感等は、皆それ〓種々の原因がありますが、要するに此等のものは生殖神經衰弱ですから、せつせいはふともともしんけいきやうさうやくもちなほ攝生法を守ると共に神經の惡壯藥を用ひれば癒りますので、はんこれに一番よいのはSえきひかちうしやこじつけんれいぜんT液の皮下注射であつて、かうしんけいすゐじやく此の實驗例は、れうはふ前に四月の項に、神經衰弱の療法のないふくやくゃはところにあります。それから內服藥としては、ぢやうながふくよう矢張カルビタミン錠を永く服用ばんれうはふするのが一番よい療法となつてゐます。』かんたんなほこれは簡單には癒らぬ第四章不眠と其療法よながねむまこと< 3天問『夜長になつて、眠られぬと云ふのは、誠に苦痛なものですが、かういふ場あひあんみんはうはふ合にどうかうまく安眠する方法はありませんでせうか』ふみんしやうしんけいすゐじやくきびやうき答『不眠症は、よく神經衰弱などに來ますから、若しかういふ病氣になつたなたいちれうたゞなんねむらば、第一にそれを治療しなければなりません。それから唯何となく眠られぬいひとましんしつしんぐくわんびひつえうふと云ふ人であつたら、先づ寢室と寢具との完備が必要であります。それから不だをんよくここ少し微溫目の場に十分乃至二十ぬるゅぶんないし眠症に效のある方法としては、みんしやうかうばふ第一は溫浴で、ぶんかんぐらゐなじうぶんあんたのんかわてぬぐゐもつじうぶんまさつ分間位、成るべくゆつくり充分に溫まつて後、乾きたる手拭を以て充分に摩擦すとこはひねむひとして、それから直ぐに床に入るとよく眠られるものです。それから人によつてまさつふくしきこれいするまさつ床へ入つてから腹部を静かに摩擦するもよく、ふくぶしづは冷水摩擦もよろしく、腹式呼十一月一八三天かういふ場

## コマ106

きぶはふカラ病氣相談十二ヶ月おこな一八四吸法を靜かに行ふもよい、せいしんしふちうはふそれから精神の集注法として、;かぞとけやあるひこきふかず一二三と數を算へるとか、かぞ時計のセコンドの數或は呼吸の數を數へるとか、あ、まだつしんかう足の指を屈伸するとか云ふことも效がありますから、何れなりと實行して見るがよろしいが、じつかうみとい、かうふんりむた若し神經が亢奮してどうしても眠れず、よくじつしごとできその爲めに翌日は仕事が出來ぬと云ふ樣であやうやえり〓ぐすりつたならば、しやもら已むを得ず眠り藥を醫者から貫はねばなりませんが、しかしふくわん然しこれはなもち習慣になりますから、はう成るべく用ひない方がよろしい。』十二月第一章咽喉加答兒と其療法ふゆいんこうかたいこつうけをまは問『多になると、咽喉加答兒になる人がよくありますが、これに就て承りたいものです』いんこうかたかまいんとうかたこうとうかたるふたわ答『咽喉加答兒は、八釜しく云ふと、咽頭加答兒と、喉頭加答兒と二つに分けまあ早く云ふと同じやうなもので、おなきふせいしやうぢんあいおほかんねばなりませんが、急性症は塵埃の多い乾さうくうきちうきふまたせいおんらんようそのたきつえんいんしゅ燥した空氣中に呼吸して居るとか、又は聲音を濫用したとか、其他喫煙や飮酒くわどおこまんせいしやうきふせいしやうじうぶんなままたびかうびの過度によつて起り、慢性症や急性症を充分癒さなかつとき、又は鼻腔や、鼻いんかうびやうきおこしげきせいがrきふにふやはりげん咽腔に病氣のあつたときに起り、刺戟性の瓦斯を吸入することなとも、矢張原いん因となります。何れも音聲が嗄れ、ちんせいふのぞかめかゆはなはだきづかん咽喉が乾いて痒く、甚しきは傷のあるやうな感じがしてかたせきでたんでちれうはふげんいんさ痛む、咳嗽が出たり、痰が出たりしますが、治療法としては、その原因を去るK.必要ですから、いんしゆきつこんとうあくへきこれやしげキせいしよくもつことが第一に飮酒、嗅煙等の惡癖は之を廢め、刺戟性の食物を十二月一八五いんこうかたいこ咽喉加答兒になる人がよくありますが、つうけをまはこれに就て承りた

## コマ107

病氣相談十二ヶ月一八六やうひをんいんしょくぶつときふせいあだゝかすこしつじゆん늘を禁じ、微溫の飮食物を攝り、急性のときは、温い少しく濕潤せる室內に居り、頸部の周圍に五十倍硼酸水の濕布をなし、ぶしうゐしつぶはしよくえんすゐぢうさうすゐとうきふにふ百倍の食鹽水、重曹水等の吸入、五ばうえんぼつすゐ十倍過酸化水素水すゐとうつぶハあんたしろうとようもつとかんたん十倍鹽剝水、等の含嗽を行ひますが、素人用として最も簡單ばんちやごぬる少し食鹽を加へたもので含嗽するとよろしいのすこくはうがいなのは番茶の少し微温いのに、ないんこうないやくえきLekしろうです。尙ほまた刪味内に藥液を愛布せねばならぬこともありますが、これは素で醫者の手當を要します。人には出來ませぬ故、ききゑてあてえうなたび〓〓ほんしやうか、やすひと尙は度々本症に罹り易い人は、つねけいぶれいするまさつゐこれよほうでき常に頸部の冷水摩擦をして居れば、之を豫防することが出來ます。』第二章扁桃腺炎と其治療法こどもさへんとうせんえんおここま問『子供が冬になると、間々扁桃腺炎を起して田りますが、よろしいでせうか』これはどうしたらへんどうせんえんやはりきふせいいんこうかたおなげんいんおこいんとうりやうがは答『扁桃腺炎も矢張急性咽喉加答兒と同じ原因で起るもので、咽頭の兩側にあへんとうせんしゆをかときかや、うちたするる扁桃腺が主として犯されるものであつて、時としては一家族の中に、多數のどうびやうくわんじやできこのびやうきふ、へんとうせんしゆちやう同病患者が出來ることもあります。そして此病氣に罹ると、扁桃腺は腫脹しはなはだあかときへんとうせんところ〓〓くわうはくしよくはんてんあらはちやうどて甚しく赤くなり、時としては扁桃腺の處々に黃白色の斑點が現れて、丁度しゆちやうはなよだこぼしやうがいおよヂフテリアのやうになることがあり、腫脹、甚しきときは言語に障害を及ぼしねちりあひて不明となり、えうねんしやとききふこんなんおこ幼年者には時として呼吸困難を起すこともあります。熱は割合たかときといじやうのづつうはげに高くして、時に三十九度以上に上ることがあり、また頭痛があつたり、劇しえんげつうはつとうおもしやうんく嚥下痛を發する等は重なる症狀であります。へんとうせんえんか、あんせいへいぐわむしげきせい本社つまえぎうにう扁桃腺炎に罹つたときには、安靜に平臥して、無刺戟性の、即ち冷い牛乳やかゆあたけじゃひようのうあひやほんしやうたび〓〓おこ粥などを與へ、頸部には氷嚢を當てゝ冷すとよろしい。そして本症の度々起るひとまんせいしやうひだいおこひとしついこれさ人や、または授性症になつて肥大を起せる人にあつては、醫師に就て之を除つ十ニ月一八七

## コマ108

病氣相設十二ヶ月手術は極めて簡單であるから、て貰ふがよろしい、るものです。』一八八赤ん坊でも、苦く無く除れ第三章赤鼻と其治療法問『寒くなると、よく鼻を赤くして居る人がありますが、此のアカ鼻は癒らぬものでせうか』十九答『アカハナ即ち酒〓〓は、來温の劇變殊に寒い戶外に長く出て居る等の爲めここ)に起りますから、どうしても、嚴寒の候には多いものです。それから酒を澤山もに飮む人、殊にウヰスキー、ブランデーの如き强き酒を飮む人に多く、また胃腸の惡しき人、心臟の惡い人、また婦人の生殖器病等を有する人に多いもので호すから、治療法としては、先づ此等の原因を除かなければなりません。それかよく鼻を赤くして居る人がありますが、此のアカ鼻は癒らぬゝび〓〓ら塗布藥は澤山ありますが、最も有效なるはアクトールであつて、これを度々塗るとよろしい。若しまた皐瘤が出來るやうに增殖したものであつては、外科第一次手術を行ふより外に方法がありません。』第四章腎臟炎腎臓炎の種類間「よく感冒から腎臟炎を起すと云ひますが、此の腎臟炎は、子供に來るものも.老人に來るものも同じでせうか』りんしやう〓〓答『違ひます、腎臟炎は、その原因により、また臨床上の症候によつていろいろの種類がありますが、醫者は左の三種に區別して居ります。あじG急性腎臟炎急性に經過し、多くは數週日にして恢復に赴くが、稀れに十ニ月此の腎臟炎は、子供に來るもの稀れに

## コマ109

病氣相談十二ヶ月一九〇ふりやうけつくわナだは不良の結果を來すものもあります。まんせいじんざうえんりんしやう〓〓ならびびやうりかいぼうじやしよけんというざらしゆくへ二、慢性腎臟炎臨床上並に病理解剖上の所見に基いて、る。そのまんせいじつしつじんざうえんねうちうたんぱくがんりやうならびゑんたうだ其一慢性實質腎臟炎尿中蛋白の含量竝に圓增を出すもの。ちのまんせいかんしつせいじんざうえんまたゐしゆくじんしゆもうじんく共二慢性間質性腎臟炎又は萎縮腎これは主として老人に來るものであつねうりやうおほせうとうたんぱくゑんたうとうすくななんふしゆとうあらて、尿量多く〓澄にして、蛋白圓壔等少く、長く浮腫等の現はれざるものである。こくうじうじいもつとひうおこなじつさいふくわんぜんはふはふ此の區別は、從來最も廣く行はれてゐますが、實際は不完全な方法であつこぢやうぎあはて.此の定型に當て嵌まらぬものもあります。』腎臟炎の原因じんざうえんげんいんなん問『それでは、腎臟炎の原因となるものは何でせうか』一九〇ざらしゆくへ更に二種に區別すじつさいふくわんぜんはふはふ實際は不完全な方法であつげんいんひじやうおほせいでんぜんびやううとしやうかうねつヽんと答『原因は非常に多くあつて、第一は傳染病殊に、扁桃猩紅〓ヂフテリー、せんえんとうあとおほおほやくぶつちうどくおこどうみやく腺炎等の後に多く、また多くの藥物の中毒によつても起ります。それから動脈かうくわまんびやうおこじんざうけつくわんかうへんじんざうへんせいてきしやうがい硬化もまた本病を起すものであつて、腎臟血管の硬變が、腎臟に變性的障碍をおこたうじんせいりてきけつくわんかうへんきたらうじん起すものです。老人は生理的に血管硬變を來すものであるからして、老人にはまんもいじんざうえんすなはゐしゆくじんおここないいうふとひとおこよく慢性腎臟炎即ち萎縮腎が起ります。またこれと同じ理由で肥つた人にも起やすばいどくか、ひとおこやすり易く、また黴毒に罹つた人にも起り易いのもあります。じんざうえんきふせいまんせいとげんいんふや.ばあひおほ腎臟炎は、その急性たると慢性たるとを問はず、原因の不明なる場合が多いとつぜんからだしつじゆんありあかんまぢゅんきよくぶれいきやくものであつて、突然身體を濕潤したとか、或は身體の全部または一局部を冷却とうけまげんいんほんびやうはつびやうどうきじつさいたゞかひする等の輕微なる原因が本病發かの動機となることがあり、實際唯感冒を惹いあとほんびやうおこまもつとちういにちた後にも本症を起すことが間々あります。尤も注意しなければならぬのは、日ジしふくわんあるひしかうひんほんびやうげんいんばちひすなはのうこう常の習慣或は嗜好品が本病の原因となる場合があることです。即ち濃厚なる十二月

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病氣相談十二ヶ月一九二ちやだよコーヒーやくみとうにちじやうたりやうこのもちあるひたねんいんしゆきつえん茶及び珈研または藥味等を日常多量に好んで用ひ、或はまた多年の飮酒、喫煙とうたじんざうえんおことか ばんふせつせいせいくわつはふまししやう等の爲めに腎臟炎を起すことがあり、その外一般に不攝生なる生活法も本症をおこげんいん起す原因となることがあります。』腎臟炎の症候じんやうえう:ふうしやうこう問『腎臟炎に罹ると、どういふ風になりますか、つまりその症候はどういふでせうか』じんやうえんおほむねときかうねつおば答『腎臟炎の多くは無熱のものですが、時には高熱のものもあつて、これは多まみおこもうぶちたわづいたくは惡寒がして起る、それから腰部の邊りに僅かに痛みのあることもあるが、いたなぼあひはうおほねうでくわいはなはすくな尿は何度も何度も出るが、りやう痛みの無き場合の方が多い。一回の量は甚だ少い、ねうはなこだこんだくいろあるひかつしよくまるべあかあひなまにくそしてその尿は甚しく溷濁し、その色は或は褐色に、或は赤く、或は生肉をどにくじういろごとあるまつたけつくきゃうちやししよくあんかうしょくて壓して出る肉汁の色の如きもあれば、或は全く血液樣に着色して暗紅色を呈すしやうこうつまりその症候はどういふでねうくわがくてきけんさまとまじやうたんばくしつがんとることもあります。また此の尿を化學的に輪査すれば、殆んど每常蛋白質の含いうみ方々は一寸した仕事をしても直ぐ.しごとす有を見るものであります。それから身體がだるい、つかづつうしよくよくおとろかほいろわるおひ〓〓ぜんしん。に疲れるやうになる、頭痛がする、食慾が衰へて顏色が惡くなり、追々に全身むくみきた胃臟炎の浮腫は多くは顏面ににめて、じんざううんむくみおばぜんしんに浮腫を來す、それからだん〓〓に全白才むくくこかるへんじやうむくみじんざうえんおこもつとぢうえうが浮腫んで來るものであつて、此の尿の變狀と浮腫とは腎臟炎に起る最も重要しやうこうひとなる症候の一つであります。いじやうしゆきふせいじんざうえんしやう〓〓きたうじきてきたうちれ以上は主として急性腎臟炎の症狀ですが、これに適當の時期に、適當の治療くはまくせいしやううつゅやすあるひはじまんぜ、を加へないと、慢性症に移り行き易きものであり、或はまた初めから慢性にやまんせいしやう症狀は格別刺しいことは無く、しやう〓〓かくヾつなつて來るものもあります。慢性症にあつては、顏の色は多少惡いが、いろたせうわるむくみすくなあるひㅊしよくよくおもづ,浮腫は少いか、或は無い。食慾は思はしくなく、頭痛もねう보ってるばあひおほまんせいあるけれども尿の量はさう減らないやうな場合が多いものです。それから慢性十二 月一九三

## コマ111

病氣相談十二ヶ月一九四症には、よく尿毒症が起り易いものである。尿毒症とはどんなものであるかとその初期に起る症狀は、了しやう〓〓云ふに、頭痛、惡心、嘔吐、眩暈、耳鳴等が起るから、しやう〓〓かういふ症狀が起つたならば、驚いて片時も早く適當な治療を加へなければなりません。なんらしやう〓〓それからもう一つは萎縮腎であります。これは殆んど何等症狀の認むべきもたび〓〓おのが無く、唯尿量が增して、夜間それが爲めに度々起きなければならぬ位のものですが、これも矢張突然尿毒症や卒中を起すことがあります。』腎臟炎は癒らぬか問『私は永らく胃臟炎に衢つてゐますなど云つて、か、よく五年も十年も惱んで居る人を見受けますが、一體腎臟炎は癒らぬものでせうか』れ答『決して癒らぬことはありません。急性症の初期に適當の治療をすれば癒るものですが、既に慢性症に陷つたものにあつては、必ず治癒するとは限りませその性質によつては充分治療すれば繼り得るものであります。んが、それで癒らぬときには、どうなるかと云ふに、尿中に蛋白や圓壔が長く出て居つて、除れたと思ふと、また出る、出たと思ふとまた出なくなると云ふ風でありま慢性腎臟炎す。それでこれが生命に關するかどうかと云ふに、があつて、適當殆んど天壽を保つことが出來、の養生を行へば永く活きて居られる、職業も劇然し不注務で無い限りは就職しても差支が無い程度になりますが、意にするとか、不攝生をするとかすれば、尿毒症または併發症を起すの虞れがありますから、充分に注意して養生しなければなりません。それから萎縮腎の方は輕いものならば、格別治療をしなくとも、多少の注意を加へれば、それで差支がありませんが、これも不攝生をすれば、尿毒症や卒十二月多少の注意尿毒症や卒

## コマ112

病氣相談十二ヶ月一九六ちうとうおこにちじやうちういなにかんえう中等を起すことになりますから、日常の注意は何より肝要であります。』腎臟炎の治恰法てきたりちれうはふふうちれう問『適當の治療法と云ふと、どういふ風に治療するものでせうか一じんざうえんぜんいごとしゆるゐしゆるる答『腎臟炎は、前にも云ふが如く、いろ〓〓の種類があつて、その種類によつちれうことまをなたしゆ〓〓くわんけいて治療を異にするは申すまでも無いことであり、その他種々の關係からして、ひじゃうふくざつぜんたいあはちれうはふごんく非常に復雜になつてゐますから、全體に當て嵌める治療法を一言にして云ひ盡たいていこつ生すわけにはいけませんが、大抵に就て云ふと次のやうなことになります。aおちういきふせいしやうあんせいをんぼい第一は、寢起きの注意ですが、これは急性症のときには、安靜溫保と云ふこひつこうまあたゝかなつねしづるとが必要ですから、先づ溫くして床の中に寢て、靜かにして居なければなりままんせいしやうしねひつえうばあひおほしかかとだなせん。慢性症なれば强ひて寢る必要のない場合が多いが、然し身體を成るべく2ちういひつえうもつとむくみといつまでねる動かさぬやうの注意は必要であります。尤も浮腫の取れたのを何時迄も寢て居一九六にちじやうちういなにかんえう日常の注意は何より肝要であります。』ひつえうなが〓ゐしえけいしつたとへからだあん、る必要はありません、長く寢て居ると。神經質になるからして、假令身體の安せいたもうせいしんふあんかへわえいきやうおよ靜を保ち得るにしても、精神は不安になるから、反つて惡い影響を及ぼすことあんせいたんからだあんせいせいしんあんせいになります。安靜と云ふのは、單に身體の安靜のみではなく、また精神の安靜いみこゝろえ久)むらみねをも意味するものと心得ねばなりません。要するに浮腫のあるときは、寢かすげんそくむくみとおこきふせいしやうのは原則であつて、浮腫が取れゝば、だん〓〓起すと云ふのですから、急性症まねおこふうのときには先づ寢かす。それからだん〓〓起すと、云ふ風にするのであります。さい、ききよなしづしん〓〓あんせいはか計るのが何よりの注意でありその他起居も成るべく靜かにして心身の安靜をちたゝゐいひつえうむつ·もひます。それから溫かにして居ると云ふこともまた。必要の注意であるから寒いむやみをんぽ目に逢はぬやうにするのですが、あしかあんたん然し溫かいがよいと云つても、無暗に温保すかへひふよわがホテスゑてんあんなると、反つて皮膚を弱くして、いろ〓〓の害を及すもの故。その點を考へなけえうじんざうえんれうはふききよどうさちういだいればなりません。要するに腎臟炎の治療法は、起居動作の注意は第一であつ+二月一九七

## コマ113

病氣相談十二ヶ月一九八いんしよくぶつちういたいやくぶつれうはくらゐくらゐて、飮食物の注意は第二、藥物療法はその位に位するものであります。』腎臟炎の食養生じんざうえんしよくやうじやうきはたいせつついて詳しくったりたうけたまは問「腎臟炎の食養生は極めて大切とのことですが、それに就いものです』ぽんいじんざうえんすヾじんざうしげきさ答『一般に云ひますと、腎臟炎には、總て腎臟を刺戟するものは避けなければすなはしほからものやくみるゐとうきんもつつまたせうちういなりません。藥味の類等は禁物です、あた即ち鹽辛き物、その次に多少注意して與にくるゐきんへなければならぬのは肉類であつて、たせうちうこれは禁ずるほどではないが、多少の注えう意を要する、せいげんひつえうびやうにんえいやうよだたまた制限の必要がある、すべて病人は營養を良くする爲めに、多てよにくるるたまごたしふくわんこのてん量の肉類や卵を食べるのが習慣であるから、おほちういえう此點は大ひに注意を要するものであります。しよくえんせつしゆむくみだいくわんけいしよくもつちうしほぶんりやう食鹽の攝取は、おほ浮腫と大關係のあるものであつて、て、むくみだいくわんけい浮腫と大關係のあるものであつて、しよくもつちうしほぶんりやうおほ食物中の鹽の分量が多くむらえまきしよくえん13げんしたむくみくばあひなると、浮腫が增して來、食鹽の量を減ずれば、從つて浮腫が減つて來る場合おほあつたりやうふくゐしよくもつすなはにくるゐねうどくしやうおこげんが多い、また窒素を多量に含んで居る食物、即ち肉類などは、尿毒症を起す原いんぶつ〓チゆゑにくせんげんけいらんやはりたくさんなまたまご因物に變じ易い故肉を制限するので、鶏卵も矢張澤山はよろしくない、生卵をたくさんたけんかうじんきはけいびたんぱくねうできしかにくたまご澤山に食べると、健康人でも極めて輕微の蛋白尿が出て來ます。然し肉や卵をぜん〓〓やひつえうなばあひおほすなはすこぐらゐさしつかへ全然廢めさせる必要の無い場合が多い、即ち少し位ならば差支が爲いのであつけいらんはんじゆくにちかうさしつかへて、鷄卵の半熟にしたのは、一日二個や三個は一向差のないものです。じんざうえんか、おほいしやさかぎうにゆほんにん+の腎臟炎に罹ると、多くの醫者は盛んに牛乳を飮ませるが.本人が好きで飮むかくべつきらしひつこうばあひならば格別、嫌ひなものには强いて飮ませる。必要はありませんから、此の場合おもゆくづゆかゆっごはんたよろくだものには米湯、葛湯、お粥、または普通の御飯を食べさせて宜しい。それから果物たいていよろやさけつこうさけまをなわるは大抵は宜しく、野菜も結構であるが、酒は申すまでも無く惡い、ソツプはいもとねうどくしやうきんもつささしけない、殊に尿毒症のときには禁物です。若し飮むならば野菜ソツプならば差十二月一九九

## コマ114

病氣相談十二ヶ月二〇〇つき、支が無く、また肉類中罐詰、乾物、味噌漬、鹽物、ハムや野獸の肉は禁物であります。萎縮腎のときには、酒、煙草、藥味等を避け、肉類を控へ目にするだけでもよろしい。咽喉が乾くならば湯や水を飮んでもよろしいのですが、大量を一邊たび〓〓の포に飮まずに、少量づゝ度々飮むのですそれから灰毒症の場合には飮食物に非常の注意を要するものであつて、殊に急に尿毒症の起つたときには、米湯や牛乳等の流動食に限り、場合によつては牛乳を與へてならんこともあり、唯果汁と砂糖水炭酸水、平野水等を少量に與へるに止めることもあつて、腎臟炎の食養は、なか〓〓面倒なものであります』二〇〇ハムや野獸の肉は禁物であ乾物、味噌漬、鹽物、第五章避寒の心得避寒の必要なる人問『寒くなると、避寒に出かける人が澤山ありますが、これはどういふ人達に良いものでせうか』われ〓〓けんかうじん答『我日本位の氣候では我々健康人には避寒は元より、避暑杯も、必要はありませんが、然し病人とか、病後の恢復期にある人とか、虛弱なる人、または老人などには必要の場合があります。尤も此等の人と雖も、應は醫師の指揮を受けてその人に適する場所を選ぶの必要があります。』避寒地に必要なる條件たえ)問『避寒地としては、一體どのやうな條件を要するものでせうか』答『避寒地は一と口に云へば、暖かい所でさへあれば何處でもよろしいかと云先づ第一に潮ふに、唯それだけではいけません、勿論寒くては困るが、流の關十二月三〇一これはどういふ人達に

## コマ115

病氣相談十二ヶ月一〇二けいけんきうにつちうやぶんをんどさすくなハげんざいきよぢうちあたゝ係を〓究して、日中と夜分と温度の差の少い上に、現在の居住地よりも溫かいいひつえうでうけんそれから交通機關の設がが登録し·けるくわんぜんところと云ふのが必要條件であります。ましよくれうひんた諸般ゑいせいじやうたいしゆくしやくわんけいきようきうとうzの衛生狀態や、宿舍の關係、食料品の供給等もよろしきを得なければなb 1にあんたいたいわんりうきうをがさはらじまりません。それで我が國で溫かいところと云へば、臺灣、琉球、小笠原島、八とうきやうきんばうさがみじようじましうくはうめん東京近傍では伊豆、あはこんがんとう丈島より九州、四國方面、安房、相模の沿岸等ですが、一さいほくやまおとうなんつみめんさいほく般には西北に山を負ひ、東南は海に面するところがよろしい、と云ふのは西北やまおきたかぜにしかぜかんぷうさとうなんうみめんたいへいに山を負へば北風と西風の寒風を避け、また東南が海に面するところは、太平やうじやうくろしほしようだんりうさようしぜんをんだん洋上黑潮と稱する暖流の作用を受けるからして、自然に溫暖であるばかりで日本太陽の映射を受けることが自ら大なるによつて、ほんたいやうえいしやみづかだしたがだんききふしうなく、從つて暖氣を吸收だすることが大であります。』何處がよろしき乎へんもつとひかんちてきを問『それでは.どの邊が最も避寒地に適して局ります』もぜんなえうやくもとづひかくこきけんきうこいろ答『それには先づ前記の要約に基いて比較的〓究を試みねばなりませんが、一般に房州や伊豆邊の海岸か避寒地に適して居るやうです。ばうしう2かいがんひあんたるてきゐとうかいざうはうめんわる東海道方面も惡いこところつよにしがぜとちちういえうとはありませんが、處によつては强く西風を受くる土地もあるから汁意を要します。いまこゝろずんこんひかんちしようとちこさいていをんど年平均を見まみ今試みに現今避寒地と稱せらるゝ土地に就て、最低温度の十すと度銚子港攝氏三、八濱松二、八沼津二、三熱海四、五十二月二〇三一さいていをんど年平均を見まみ最低温度の十度三、八二、八二、三四、五子港松津海二月攝氏二〇三

## コマ116

病氣相談十二ヶ月二〇四赤間ケ關四、八高知二、〇和歌山三、〇宮崎四、六鹿兒島四.九と云ふことになつてゐますが、東京附近では伊豆の熱海は最も温暖であり、それに西北に山を負ひ、南東は海に面し、且つ溫泉の湧出もあるから、避寒地としては最も適當ですが、目下のところは交通が不便なのは缺點です。此等の土地第一は熱海、それに次で伊東、それから房州の沿岸、逗子、葉山、遠いところでは三州の海岸なども結構です。』避寒の注意二〇四問『避寒に就て、特別に注意することはありませんか』たほ答『避寒する人は、大抵は十二月の末あたりから出かけて、一月一杯も居つLes (8)て、二月になると歸ると云ふ風が多いやうですが、二月殊に東京の二月と來てこ)は、それこそ天候のひどい季節ですから、暖かいところから、かういふ氣候の~か、處へ歸つて來るのは反つてよろしくありませんから、避寒の必要があつて轉地か、すると云ふやうな人にあつては、三月の木か四月頃の溫かくなつたところで歸つて來ると云ふ風にしなければなりません。これは最も大切の注意であります。病氣相談十二ケ月終病氣相談十二ヶ月二〇五

## コマ117

大賣捌發賣所東京堂東京市芝區愛宕下町二ノ四(日隆町通)北鰹館大正十一年七月五日發行大正十一年七月一日印刷製複許不發行所印刷所發行者著東海堂者東京市牛込區機寺町二十二番地東京市ま大阪横寺町二十二番地東京京市橋區木挽町二ノ十三番地東京市小石川區原町百二十五番地正價金九拾錢至誠堂京東株式會社小伊橋華出藤堂新橋堂振替東京四五五五一書院尙文社峰尙書店作賢

## コマ118

受胎利限健康相談所長男女必讀の良書也胎制限法下編姙娠と避姙廿三章六十節總ふりかな裝幀頗る高雅胎制限法即ち避姙法の如きも其一つである之避姙法も公然許可世が文明に進み生存競爭が劇甚になると種々な問題が生ずる受が出來る此等の人の爲に人工姙娠法をも附記した本書は上編受知不姙流產の如も最進學術の進歩によつて或程度迄之を救ふ事るらねばならぬと共に姙娠を欲する人は殊に之を知る必要があぬが早晩逢着する問題である而て避姙を知るには姙娠の原理をせる國もあるが我國にては之を可否する程事情が切迫して居ら醫士姙娠 遲伊藤尙賞先生著姙總九定價金九十錢送料六錢菊振判假半名裁付形一一每日午前中診察及び相談に應ず(詳細規定申込次第送呈)病氣の相談小兒健康法の相談健康增進法の相談東京市小石川區原町百二十五番地(電車市電巢鴨線原町下車)體格檢査及び健康診斷健康相談所の事業健醫所士長康伊相藤談尙所賢

## コマ119

刋新最著雄好宅三■擧竟才予水境技の見方關關國認裁形字錢明治版菊牛ノ飯ボ九十送送イ卅價正球を見んとする人の最良書である明が記述してあるが故に野球競技者及野球を知り且つ野取り早く諒解の出來得るより極めて簡明しかも完全な說野球の成立より理解の方法を始め試合見物術語等まで手科學的であり且限りない與味を有するからである本書は現今野球競技が白熱的の流行を來して居るのは其競技が(郵便切手代用諾)京東座口替振番五五五四區込牛市京東二十二町寺橫院書華東

## コマ120



## コマ121


